へのへの先生仮免中

やっぱ教授になるまで仮免中で行きます(なれるのか)、神経系の研究がメインです

人生の目標・作りたい問題・取り返しがつかない・Retraction watch watch・逆行性輸送の促進は神経変性疾患のターゲット?・パーキンソン病と気分・パ病は自己免疫疾患?

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ああ、人生の目標を見つけた。
こんなかめれおんにわたしはなりたい
大学のイベントに参加してきたのですが、卒業生と在校生の絆というのがあって、若干仲間はずれな気持ちになりました。
やはりスタッフもOBが多いですからね、まだまだT大に里心があっていけません。
もう何年かここで過ごせば、それなりに愛着が出て来るのかなぁと思います。
なんだかんだ、少しずつ知ってる生徒も増えて来ましたし。

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すごくこういう試験問題を作りたくてたまらないのですが、クビにもなりたくない私。
結構試験問題の作り方、厳しく決まっているのです。
しかし、ミカンはいらなくないか?
しかし割りと経済的な脅しですな。
最近はリンゴもミカンもイチゴも高くてやってられないっす。

そういえば小保方さんの反論とやらがでてましたね。ああ突っ込んでしまった。
新しく出たとされる、画像データを僕らが見ることが出来ず、要約版のみ公表するあたり、狡猾だなぁと思わざる追えません。
彼女が差し替えを予定したとされる図にも疑問点が指摘されており、何を信じていいのかわかりませぬ。
法律的にもアウトであることを信じるのみです・・・

こういう不正論文をCheckするRetraction watchというのがあるのですが、顔写真入りで載ってしまうあたり恐ろしく容赦がないです。
顔写真載らないケースもあるので、不公平感があるのですが・・・
それもニコニコ笑ってるいい写真ばっかりなんだよね。
一つあれば2つあるだろうと、かなりその後追求されるようです。
やってないと開き直るヒトもいれば、その反対でRetractして科学界から身を引く決意をするヒトも居ます。
でも、多分どうしても取り返しの付かない間違いってのはあるのです、特にアカデミックでは・・・

このサイトの運営者も物好きだなぁと思っていたら、なんらかの利益は得ているようで、フルタイムの社員を募集しておりました。
週休500ドル、一日一つの記事を書く義務あり、New York在住が望ましいが、必須ではない。
Requirements:Ability to think critically and skeptically about science and the scientific process
うーんサイエンスには関わっていたいけど、どちらかと言うと称賛していたいなぁ、希望としては。
しかしどうやって儲けてるのかなぁ。
少なくともこのTシャツが売れているわけではあるまい
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手抜きもええとこや。

結構面白い論文が出ておりました。
Nature chemical biologyにでていた論文はアイデア勝ちかなと思いました
膜タンパク質の運搬は、小胞体で合成されて、ゴルジに運ばれて修飾を受けて、形質膜やそれぞれの小器官に運ばれる、というanterograde(順行性)な輸送と、形質膜、小器官から、ゴルジ、ERに戻っていくRetrograde(逆行性)な輸送の2つがあります。
アルツハイマー病の危険因子としてretrograde輸送を司るLR11などがあり、Retrograde輸送が低下する可能性が考えられています。
そこで今回の論文では、レトロマー複合体を小分子化合物R55で安定化することにより、Retrogradeなトラフィックを促進し、APPのAbeta産生に関わる切断が起こるEnsdosomeからAPPを排出することによりAbeta産生を減少させるモデルを打ち立てています。
かなりアイデアが面白かったから、別に文句はないんですが、アルツハイマー病に効くかどうか?はまた別に考えなければならないかな、と思いました。
モデルマウスに投与して改善するわけではないですし、もっとAPP特異なトラフィックを改善しなければ、副作用が出るのではないだろうか。
あとR55が細胞系で同じように効いているというデータ、うーむ免疫染色とRNAi・・・
APP意外の基質を幾つかやって欲しい気もします。
ああ、結局科学への猜疑心強いわ、わたし。
まぁ、コンセプト面白いんですよ、ゆるすわー。
すごく自信でた(?)
パーキンソン病でも逆光輸送は低下している(VSP35に変異が報告されている)ことを考えると、様々な神経変性疾患治療に役立つ可能性もあるのかも。

小規模な研究ですが、パーキンソン病について鬱を併発している場合で薬の効き方に違いが出てくる事が報告されていました。
パーキンソン病は、中脳のドパミン神経が顕著に脱落していき、ドパミンの欠乏が起こります。
そのためドパミンの補充(特に前駆体であるL-DOPAの投与)が第一選択肢となります。
アルツハイマー病と違い、基本、パーキンソン病は運動機能の疾患で、認知機能はある程度保たれるのですが、病状の進行によって、認知機能の低下も起こります。
研究者は、L-DOPAの投与により、一様に認知機能の改善が起こると考えていたのですが、うつ状態にある患者と、そうでない患者では、うつ状態では認知機能のさらなる低下、一方でうつ状態にない患者には改善がおこるという逆の影響が出たそうです。
うつ状態ドパミン、もしくは関連神経伝達物質が影響します
L-DOPAの効果には個人差があったり、日内変動があったりしますが、個人の気分なども、ドパミン効果に影響するのかもしれません。

パーキンソン病が自己免疫疾患の側面をもっているかもしれない、そんな論文も出ているようです
Nature communication
自己の免疫細胞に攻撃されないためには、標識となる抗原を提示しないことが必要とされます。
しかし論文の研究グループは、パーキンソン病患者脳において、ドパミン神経が抗原提示をするレセプターMHC1を発現している事を見出しました。
iPSより創りだした神経系では、ドパミン神経では感受性が高く、神経炎症シグナル、ガンマインターフェロンによりMHC1の誘導が見られるそうです。
酸化ストレス、ドパミン過剰、αSynuclein添加、ニューロメラニン添加、などパーキンソン病関連ストレス、ちょっと色々すぎてほんまかいなですが、これらのストレスをMicrogliaに与えると出て来る炎症シグナルにより、神経のMHC1が誘導される。
神経表面にAbnormalに誘導されたMHC1は細胞傷害性のT細胞を誘導し、攻撃を受けドパミン神経死を誘導するという、なかなか面白いモデルが示唆されています。
自己免疫抑制剤がPDに効果があるか?
結構面白そうなテーマではあります。