へのへの先生仮免中

やっぱ教授になるまで仮免中で行きます(なれるのか)、神経系の研究がメインです

採点も始まる・論文受理・壮大でトンチ的なハンチントン病薬物ターゲット網羅的探索

まぁ本当に勉強もしているんだ。

一日いろんな科目やっていると頭が狂ってくるなぁ。

明日からテストの採点だし、割と崖っぷち。

マークシート的な問題にすれば採点は簡単なのだけど、半年やった授業が鉛筆転がせば解答できるって悲しすぎるしなぁ

だからといって、うーん、論説多くしすぎたかも、まぁもう戻れぬ。

学生には手が擦り切れる、豆が潰れた、シャーペンの芯がなくなったと好評を頂いているところであるし。

 

年末から学生と書いていた論文が、無事受理された。

結構しっかり書ける所頑張ったが、まぁB誌だし、なんとかなるだろうとは思っていた、そろそろもうちょいリバイスで苦しむ雑誌に投稿せねば。

 

実は元の大学に籍をおいていて(無給だけどDutyもない)、世を忍ぶ仮の姿があったりする。

ありがたくも延長いただけるらしく、ははぁとかしこまるのであった。

自分のグループの論文にはちゃんとクレジットつけとかなきゃ。

この設定忘れがちなんだよなぁ・・・

恩知らずにブツブツ言うのもやめなきゃなぁ。

 

Neuronのこの論文をつらつら眺めてた。うえーなんかトンチみたいな論文

www.sciencedirect.com

網羅的な遺伝子ノックダウンやノックアウトをマウス脳内で行ってしまおうという目的

  • 遺伝子22000に対し、数個のターゲット配列を設定、つまり80000~100000種類のベクターを高濃度に濃縮し、野生型・ハンチントン病モデルマウス線条体に打ち込む
  • 7ヶ月後に線条体全神経の遺伝子シーケンスし、各ライブラリー遺伝子のバーコード配列を読み取り、どの遺伝子ターゲットの跡が残っているのか読み取る
  • 生存している細胞には、生存に必須な遺伝子が存在している、つまり生存に必須な遺伝子をノックアウトするバーコードは、存在比が少なくなる。
  • 野生型で存在比が少ない→ハウスキーピング的役割、ハンチントンモデルマウスで存在比が少ない→ハンチントン変異ストレスに耐えるために必要なタンパク
  • とくにNme1(Nucleoside diphosphate kinase A )うーん、という遺伝子に注目、がん転移の抑制因子である。
  • NMEのノックダウンは実際ハンチントン病モデルを悪化させたし、過剰発現でレスキューも可能?のようだ

まぁこんな感じか。

トンチみたいと言ったのは、

  1. シグナルが無いってのは筆者が想定している以外にいろいろな要因が設定できる(もともと存在比が少なかった、安定性が低かった、細胞脆弱性閾値が下がってるだけ~非特異)、表現があってるかわからんが、こういうのは悪魔の証明ってやつに近いんじゃないか。
  2. ハンチントン病の毒性物質であるmHTTの防御因子が脳内にある!ということを仮定していることになるのだけど、そんなものが本当にある保証はないんでは

スクリーニングとしてはあえて効率の悪いやり方を取っているようにはおもった。いくつかそれを評価するデーターはありそうなのだが・・・

Nme1ノックダウンががmHTT毒性下で細胞死を誘導したなどで裏をとっているとは言えるが、そこまでドラスティックではないようにも見える。

過剰発現やノックダウンの表現型だけでなく、なにか分子機構の手がかりがあるともうちょい印象は変わりそうだが・・・

とはいっても、まぁ力技が効くというのは、なかなか羨ましい気持ちにもなる論文だった。

なんか面白い遺伝子転がってないか精査してみるか。