なかなか忙しい一週間だった。
とにかく50分授業は尺が全然足りず、どんどん授業が後ろに押しやられるばっかり。
心血管は時間かけてもいいかなぁと思っているが、計画が悪いと言われればまぁそうである。
とにかく概論をいろいろな角度から語って、イメージをつけてから、細々と教えていくというスタイルでやってるけど、どうしても与太話が多すぎるみたいだ。
他の大学は90分でやってるから、50×2のほうが多いという算段だろうか。
前年まで60×2だったから少なくなった気しかしないけど。
大学って研究者のあつまりだから、授業が好きな私のほうがマイナーなんだろうなとも思う、家では喋らないわけだから、もうちょい喋りたいわ。
授業は好きだなぁ、
楽しく人が理解できるようにいろいろアイデアを考えていると飛ぶように時間がすぎる、ふざけてると思われてないといいけど。
星の王子さまいわく
あんたが、あんたのバラの花をとてもたいせつに思ってるのはね、そのバラの花のために、時間を無駄にしたからだよ
、らしい。
ということで、金曜日は大学院講義(90×2)があって、楽しく喋り倒した。
アルツハイマー病と私、駆け抜けたγセクレターゼ研究の青春(いまはややマイナーだけど)なんて感じである。
僕の楽しかった時代の一つである、iPSとかモデルマウスとか、持たざるものの貧富の差があまり顕著じゃなかった気がするなぁ。
あの頃は楽しくて、なんで時間が24時間しかないんだろうっておもってたわ。げらっげら笑いながら生きてたなぁ。
今も体以外は調子いいから、ゲラッゲラ笑ってる方かなぁ、何年かして第2黄金期として思い出すのかも。
授業が終わると、新幹線に飛び乗って、古巣の研究室に向かった。
論文のリバイスにサンプルをもらいに行ったのだ。
都会にご飯を食べに行ったけど、なんか人いきれが気持ち悪くなって、コンビニでご飯を買って食べたりした。コロナの弊害やな。
翌土曜日、久しぶりに昔の研究室にこもってサンプル取りに励んだことになる。
少しは変わらないものもあり、だけど自分がいた頃とは随分変わって、取り組んでいたものが全て続いているわけではない。
けど昔好きだったモノたちは、昔のようではないにしても、ひっくるめて愛着はある。そうか、愛でられるんだ、大事なんだ、なんか安心したわ、しみじみ。
僕は何も嫌いになっていないわ、よかったわ。
昔PIに誘われて、大学院までいってよかったなぁと最近はよく思う。
どうも何やっても、世間とはずれがちだった自分にはサイエンス界はすごく居心地がよいところでは有った、楽しかったなぁ。
だけど最近は、自分が今度はサイエンスの真ん中から外れだしているんじゃないかと言う疑念がある。
根っこがない感じでかなり気持ちが悪くて自分の経験も嫌いになりそうだ。
もう一回、いまの論文を成功させて、自分の立ち位置がぐぐっとサイエンス側に焦点が有っていくような、そんな感覚が感じられたらいいなぁ。
後輩とかと話してて、こいつら僕より偉くなりそうだなぁと思いはするが、いやいや、まだ前に出れるでしょ、と思ってる自分もいる。
空回りして、ど真ん中から外れ始めてるのかもしれないけど、前に歩こうとしてはいたいなぁ。
やっぱりちょっと疲れはした。
血の匂いを久しぶりに嗅いだら気持ち悪くなって、また集中して実験をするというのが、目や頭の痛みにつながって、どうにも年だなぁというしかない、悲しい。
帰りの新幹線でやや煩悶することになった。
もう学生の方が実験うまいからなぁ。