へのへの先生仮免中

やっぱ教授になるまで仮免中で行きます(なれるのか)、神経系の研究がメインです

疲れ・PanthosでADモデル病態は説明できるか

なかなか良いことはない。

周りには理解者がいない感じ、まぁ甘えてるのか。

疲れを感じる。

悪い時があるから、生きてるってことなんだと、少し自分に言い聞かせている。

 

そういえば噂のPanthos論文読んだっけ。

www.nature.com

まぁなかなか強引だなぁとは思ったけど面白かった、ある程度自分の仮説にも合うし。

アルツハイマー病(AD)では神経細胞外に老人斑と呼ばれる、アミロイドβという凝集性の高いペプチドを主要構成成分とする異常構造が出現する。

一応その起源として、神経細胞外に分泌されたAβが加齢とともに蓄積していく、という考え方だったが、上記の論文では老人斑が神経細胞内ですでにできている、という考え方みたい。

まとめると

  • ADの基礎病態としてオートリソソーム異常があり、それはリソソームの酸性度が上昇しないために起こる
  • オートリソソームのサイクルが破綻し、リソソーム以外の膜成分がオートリソソームに組み込まれるようになる
  • その結果花びらのような構造物が核を中心に形成される(これを悪の華Panthos)としている)
  • PanthosにはAβの凝集が促進されていく
  • そのうち、ミクログリア、アストロサイトが浸潤していき、核を分解する
  • その結果、最終的には細胞核がなくなり、その内部にAβ蓄積が起こる、これはほとんどのADモデルマウスに共通して存在し、(彼らに言わせれば)老人斑の形跡と強い相関を持つ。
  • 一応ヒトでもPanthosのように見える老人斑は存在する

というような流れだったか、一週間前に読んだけど忘れた。

連続切片で交互に電顕、めんせんを行なって細かい構造が浮かび上がったというかんじ

仮説はかなり面白かったけど、モデルマウスはほぼβCTF産生を増やすようなSwedish変異をAPPに持っていたり、オートリソソームのプローブについてトランスジェニックマウスを使うなど、やや強引な系でもあった。

もう少しヒトできっちりデータ出せたらNatureなんだろう。

昔読んだダウン症患者や、ADモデル脳におけるアミロイド蓄積の話とどうも合わない気がする、流石に100%Panthosってことはないんじゃないかな。

アミロイド抗体無効かもという論拠になるのかなぁ。

まぁ凝集ABだけを治療する考え方ではダメそうだが。

Aβ細胞内蓄積が悪いんだグループがキャッほうとAlzforumで騒いでいる。

おっとNson先生はソッチがわじゃないかもよ、とは思ったけど、宗旨変えしてるのかもしれんしな。

ph上昇の方がありそうな話で、こちらの方が大きい成果には思えた