カチンと来たことがあって、ほとぼりが冷めるまでブログを書くのやめよーと思ってやめていた。
まぁ年をとって人生鈍くなるべきではある、傷つきもせず、喜びもせず
でも面白いことを書きたいもんだけどなぁ
周りの人の健康が怪しくなってきたのをひしひしと感じるストレスはあるのだが。
その間には結構査読が回ってきていて、結構忙しかった。
某有名誌から、他の人は断るんだろうなぁっていうくらいのめんどくさい論文の査読が来た。
正直このラボの読むの勘弁と思ったけど、めったにまとまってるなという論文も読めないのでトライしてみた。
もうデータが老眼で霞むくらい、細かい。まじか
10日でよめと最初指令が来たんだが、奨励金の締切もあって、できんがな、と14日に伸ばしてもらった。
最近の査読は忙しないよなぁ、こんな論文14日でも読めんわ-とおもってたんだけど、実際は10日後に出してしまう自分もいる。
なんだかんだ楽しい論文ではあった、ややこしさを読み解くのも、たまには悪くない。
A4で3枚位のコメントを書いてやったわ。
こんだけこの雑誌の論文面倒見たんだから、一回くらい僕の論文査読に回してくれんかなぁ。
Nature medicineにアルツハイマーの防御的な遺伝子変異の話が載っていた
なんか覚えのあるロジックだなぁとおもったら、ApoEクライストチャーチ変異のグループなのね。
まぁ面白かったけど、症例1例でよく言うよね、とは思ったかな。
たぶんクライストチャーチ変異が先に出てなかったら、COLBOSだけのデータでは、Nature medicineは厳しいきもした。
家族性ADの大家系があるんだけど(PS1E280A)、40~50歳で高頻度でAD罹患、進行は早い、って感じなんだけど、一部に60歳、70歳までそんなに障害受けなかったぜ!
っていう人がいるので、そういう人はADの防御因子を持ってんじゃね?ということで遺伝的な解析が行われる。
最初に見つかったのはApoEのクライストチャーチ変異、これもめっちゃ症例数少ないけど、何てったて、ApoEはADの最大リスクだから、このロジックは通った。
FAD変異PS1は凝集性の高いAβを生み出すのだが、一見矛盾に見えるが、他の人よりもAβ凝集は進んでいたのだが、Tau病変が軽い?という感じではあった。
まぁ老人斑って実はAβ毒性を隔離してんじゃね、みたいな話があるから、成り立たないわけでもない。
Aβ毒性とTau毒性をつなぐ機構がわかりそうな面白さはあった。
今回はApoEの受容体として存在するApoER2などに、同様に結合するReelinの変異が、やはり防御的に働いてんじゃない?というながれ。
やっぱり、AβよりはTau毒性寄りなデータも出していて、2つ合わせると納得せざるおえんな、となる。
これら2つが協調的にはたらくと、神経支持的というデータはあるみたいだし。
生化学はちょっと危うい気もした、アメリカ人はいい加減なブロット出すよね。
正直COLBOSはひっくり返る可能性はまだまだありそうな気はする。
でも本当にロジックは面白い、まだ隠れた治療標的があるんだろうか・・・