へのへの先生仮免中

やっぱ教授になるまで仮免中で行きます(なれるのか)、神経系の研究がメインです

通説に逆らう_単独の可溶性L1CAMの存在は脳由来EV精製法に疑義を呈する・GSAPの旅は続いている_どこを向いているのかよくわからず

なかなか通説に逆らうのは勇気がいることだなぁと。

アルツハイマー病の診断マーカーとして、脳内の細胞外小胞(EV:エキソソームなど)が注目されている。

細胞外小胞は脳の分解系Lysosomeなどへ輸送されるタンパク質が含まれる場合があり、その中のタンパク質を明らかにすれば、脳の状態の指標となるタンパク質、マーカーがあるのではという考え方である。

一方で、細胞外小胞を出す組織は脳だけではないので、バックグラウンドを除去するために末梢血漿中から脳由来のEVを集めてくる手法が必要になる。

古典的に使われているキット・手法では脳由来のEVに提示されているとするL1CAMを認識する抗体で、脳由来のEVを濃縮することにより、様々なマーカータンパク質の解析を行っていた。

非常に多くの論文が輩出されているのだが、ここで血漿中のL1CAMはほとんどEVに結合していない、単独に溶解している可能性を示す論文が出たようだ。

pubmed.ncbi.nlm.nih.gov

つまり今までのキットで精製していたとされるエキソソームってなんなの?ってことになる。

論文を出しているヒトは非難轟々、今までおかしいなと思っていたヒトは納得ということでAlzforumは論争の場になっている。

www.alzforum.org

喧々囂々、楽しい、燃えろ燃えろ。

個人的なデータもないので、同意もなにもないのだけど、やっぱり疾患特異的なEVマーカーがあると良さそうだなぁ。

 

GSAP論文がBiorexivにでていた。言うて半年前だが

www.biorxiv.org

あや、Paul Greengardって亡くなってるけど、まだラストオーサーなんだ。

GSAPとは!まぁいいか、なんかNatureにのったタンパク質であるのよ。

www.nature.com

もう10年か、何もかも再現できなかったけど、なんかここまで続けて実験しているのは実験条件によるんだろうか。

アンチは多かったけどなぁ。

まずGSAP-16Kに可溶性がなかったからなぁ・・・

すごいマルチファンクショナルな機構を持ってそうなデータで、めでたそうだけど、どの論文で苦労しているんだろうか。

今書いてる論文は半年かけられないからなぁ・・・

 

 

 

 

 

 

新規AD治療薬の承認の感想・Discussionを練りながら・Goldengate法~頭を使うクローニング

だいぶ逆風が吹いていた記憶しかなかったが、エーザイ・バイオジェン連合のAducanumabがとうとうアルツハイマー病治療薬として承認されたとか。

www.bloomberg.co.jp

自分の関わらないところでAD治療薬ができたというのは少し寂しさを感じたなぁ。

患者さんのことを考えれば喜ばなければいけないけど、もう20年も研究してきたけど自分には何ができただろうか。

日暮れて道遠し、頭が冴えていた時代はもう遠く、これから残せるものがどれだけあるんだろうか。

ただ抗体は薬価は高くなりそうだし、効果的には単剤で現在ある薬物より優位なのか?という問題はでてくるだろう。

イギリスやフランスではドネペジルでさえコストに見合わないという論争があるみたいだし、保険適用されるほどの効果が見込めるかが今後のポイントなのかも。

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てんかんの薬物について考える・Gteway cloningとは?

休みに学校に行く癖が抜けないけど、あんまり良くない気もしてきた。

気分転換って必要だからなぁ。

旅行行きたい。

 

さて2Qが始まる。

オープニングは抗てんかん薬だが、まぁ自分でもここはわかりにくい。

教える戦略としてはとにかく全般発作と部分発作はなんなのかと、バルプロ酸ナトリウムカルバマゼピン作用点を叩き込めるかがポイント。

とかくてんかん薬は新薬も多く、複雑なエリア

てんかんとして全部まとめてしまっているのがいかん気はする。

似ていてちょっと違う病気、こんなアプローチのほうが良いのかもしれない

てんかんの原因となる遺伝子をきれいな図でまとめている総説を見つけた。

https://www.thelancet.com/journals/laneur/article/PIIS1474-4422(19)30269-8/fulltext

大体イオンのながれ、その上流を掴む事ができれば、わかりやすいはずなんだ。

まぁ学生に何を期待しているんだ、と言われそうな気はする。

先生が分野に興味がなかったら、授業は面白くならないしなぁ。

自分の評価につながらない気はするけど、面白い授業をしてみたい気持ちはある。

新薬を確認すると

2016年

ベランパネル AMPA受容体拮抗薬 これは抗てんかん薬のなかでは特異ではあるので注目するべきだろう。今まで効かなかった患者に使える可能性、小児や強直間代発作の併用薬としての適応拡大も進む

ラコサミド 部分発作に効果をもつナトリウムチャネル遮断薬、小児や強直間代発作の併用薬としての適応拡大も進む

 かなり作用点としては面白く、だいたいナトリウム遮断機能をもつ薬物は多いものの、多くは活性化型のチャネルに結合し、ぱっと抑制をかける。

 不活性化されるとすぐ外れるイメージで、つまり阻害薬の外れたナトリウムチャネルはReady to useで再度活性化をかけることが可能。

 一方で、ラコサミドはナトリウムチャネルが本来持っているゆっくりとした不活化を延長させるような作用(イメージ的には不活性化したナトリウムチャネルにも長くくっついているイメージでいると対比でわかりやすいかもしれない)

 つまり、もぐらたたきで言えば、今までのナトリウムチャネル遮断薬は、出てくるモグラをぶっ叩く薬物で、ラコサミドは、モグラだ出てくるのをゆ~っくりにしてしまうチート薬物なのである、という説明はわかりやすいだろうか・・・

2018年

ロラゼパムてんかん重積症状)

抗不安薬として使われてきたベンゾジアゼピン系の適応拡大

 類薬にはミダゾラム(小児)・ジアゼパム(成人)となり、ロラゼパムは小児・成人両方に使えるのが特徴

2020

ミダゾラム(口腔用液)ベンゾジアゼピン系薬物は静注が必要だが、経口可能な新薬として承認

てんかん薬の新薬が多いのは、とにかく旧薬に欠点が多い(薬物相互作用・催奇形性・強い鎮静などなど)ためであり、新しく出てきた薬物にはこの欠点が少なく、適応もどんどん拡大している。

もう教科書に書いてあるような使い分けもだいぶ古くなってしまっている分野ではある。

 

弟子と書いている論文も割と佳境には来ているけど、悪い癖でどうも書いてるところからもう少しデータを出したくなってしまう。

ぽっと欲しいデータのイメージが湧くのだけど、まぁイメージ通り取れたことはあまりない

データが多くても、質の問題では動物等使うほうが有利だし、コストパフォーマンスは悪いんだろうなと思う。

その系での真実感を出したいと思ってシマウマ。

 

クローニング、そんな話してもしょうがないかって気はしてきた

GatewayはThermoFisherのホームページでも見ればいいと思うが、ある配列とある配列を入れ替えることができる酵素が存在し、うまく遺伝子をその配列の中にクローニングさえしてしまえば、どんどんDestination vectorsと呼ばれるベクターに移し替えることが可能。

www.thermofisher.com

特に大きい遺伝子を、PCRで起こるような遺伝子変異のリスク無しに移し替え、GFPやFLAGなどのタグの移し替えをかんたんに行える。

ただしストップコドンがあるか、ないかはタグを付けるときに重要なので注意する。

多くの遺伝子がGatewayの配列を持ったクローニングベクターに組み込まれたライブラリーの中に存在し、

Riken BRC

ダナフォーム

Horizon

などから購入可能である。

Rikenは8000円+ライセンス料、Horizonは20000円くらい?、だなフォームはもうちょっと高かったかも。

昔はかなり使ってたけど、組み換え酵素がとにかく失活しやすく、高いのが玉に瑕。

頭がいい方法だとは思うが、Gibson assemblyがかなり効率が良いので、だんだん使用頻度は落ちていくのかもしれない。

 次回はGoldengate法、いるかなぁこれ。

最近ブログ書いてないからわすれた(い)・撮像はむしろ時間がかかる・クローニングを考える①(続くのだろうか。)

へのへの先生と書こうとしてなぜかホルホル先生ってかこうとしてた。

なんか色々進行している気がする。

 

今年前半はオンライン授業になってしまった。

もうなんだかなぁ、学校やめる学生の気持ちもわからんではない。

去年はZoomの録画機能を使って一気にライブ感でとったが、最後の方で失敗すると最初からやり直しするなかなかハードな所もあった。

今年はパワポでプレゼンテーションを録画、でやっているが、スライドごとにやり直せるのはありがたい。

通しで聞いているとライブ感はなくなってしまって、なんだろう、のり?が悪い感じは去年より感じる

まぁ授業にノリやライブ感がいるんでっか、って所はある。

アルツハイマー病の話なんだが、今年はちょっと研究的な余談を減らした。

自分の専門のところほどあまりマニアックにならないように注意しないといかん。

 

ApeというDNAのソフトウエアが復活していたので色々クローニング手段について勉強し直したりしていた。

制限酵素を使ってLigation

昔ながらの方法で色々酵素の配列を組み合わせるのが面白い。

昔はLigationの効率が超悪かったから苦労したなぁ、今の子はクローニングなにそれ受託でつくればいいんじゃない?とか言いそう

使ったこと無いけどそんな会社もある。値段設定不気味なほど安いな。

まぁ僕の人生プラスミドづくりで結構すり減らしてるけど、おもしろいんだよね、設計と作成、自分でやりたい派

【メリット(ないこともない)】

PCRにはエラーがつきまとうから、違うベクターにシーケンス済みの目的配列を入れたい場合、サイズがデカければでかいほど制限酵素による切り出しを(一部でも)利用したほうが、よい

ただ大きい配列になればなるほど設計が困難になる(使える制限酵素が内部配列とかぶってしまうから)。

この酵素組み合わせを使う、というクローニングポリシーをきっちり持ってオリジナルベクターを設計しておけば、一度クローニングした配列のタグ(標識)の切り替えがライゲーションできる。これはエラーの危険性とシーケンスの手間を省き、時間節約に重要な考え方と言える。

○人工遺伝子では重複配列(タンデムに同じ配列が繰り返される)が作れない大きな弱点がある。Compatibleな制限酵素配列を利用することで短い配列を複数もった高感度プローブが作れる場合がある。

例えばBamHI(G↓GATCCとBglI(A↓GATCT)を両端に設置した配列Aをクローニングする、この両者は元の配列は違うが、切断した断片は同じという特徴を持つ。

こんな感じのベクターBamHIーAーBglIIーXhoI(XhoIの部分の制限酵素はXhoIでなくてよい)をまずつくる

さて次にベクターを2パターンで切断する

1.BglIIとXhoI…BglII切断配列、XhoI切断配列を両端に持つプラスミドができる

2.BamHIとXhoI…BamHI切断配列-A-XhoI切断配列をもつフラグメントができる

1と2をライゲーションかけるとBglII配列とBamHI配列が結合する

ーBamHIーAー(ggatct)- A-XhoIというコンストラクトができることになる。

真ん中の配列は元の酵素では認識されない上に、6塩基というのはアミノ酸としても数えやすいということになる、コードしているのはグリシン、セリンと水溶性もあり扱いやすそうな配列で悪くない(ただ場合によっては配列の行動を制限しないように、リンカー配列はより長く取る必要がある)。

3.できた配列は2のようにBamHIとXhoIでフラグメントを切り出すことができる。

→1.と同じベクターに3.由来のフラグメントを混ぜれば

ーBamHIーAー(ggatct)- A(ggatct)ーA-XhoI

となっていく。

これを何回か繰り返すと多重に同じ配列をもっているものを作れることになる。

 

他にも色々ありそうだが、まぁこの手法使わないと入れられないshRNAベクターとか色々あるのも事実

ライゲーションは昔より効率は良くなっているが、まぁフラストレーションは溜まる。

 

明日はGatewayでも紹介してみるか。

 

 

 

 

世界が終わっても研究をしてそうな・フリーDNAソフトApEの更新何でもできるわ

まぁなんか無感動になってきたのか、泰然自若としてきたのかわからんが、緊急事態宣言、まぁ出来ることをやるわーって感覚ではある。

緊急事態宣言が出ていても、動いている大学は有るみたいなんだけど、まぁ何が正しいかというのはわからないから、あまりぶうぶう言ってはいけないのだろう。

 

久しぶりにDNA配列の無料解析ソフトAPEのサイトを見ていたら、最新版が出ていて、結構機能が追加されていた。

jorgensen.biology.utah.edu

これはなかなか楽しい。

Gibson assemblyもGolden gateも設計し放題である。

他の機能も微妙に使いやすくなっているかな。

まぁインターフェースの使いやすさはSnap geneに譲るが、Snap geneでDNAの切り貼りをしようと思うとライセンス購入が必要で、8~10万円はかかってしまう。

宝くじでもあたらん限り、APEを使うわ、ってことになる。

ゆうてGIbson assmblyくらいはNEBのOn line toolで十分ではある。

 

K務委員でなくなってまず気づくのが、メールの異様な少なさである。

まぁやっぱ忙しかったんだなぁとは思う(誰かが)。

もう一回やりたいかというと、まぁ委員長でなければやってもいいのかなぁとも思う。

3年ぐらいは研究に専念してみたいが、さて。

しかし授業は課題型で、一回の授業で理論的には80枚の答案を読まねばならぬ。

まぁ、半年教えてほとんどできていない絶望よりは、なんか残っていることを選ぶわ。

 

 

 

 

1.5倍有能になります・歯が痛いが歯医者を見ると痛みが止まる・COS7細胞でRNAiをかけるには~無駄な瞑想

新しくグループに来た子が去年の僕の授業の撮像を2倍速で見てた、というから、それはええなと今年の授業を2倍速にして聞いてみた。

まぁ念仏ですな。なにいってるかわからぬ。

ところが1.5倍速にすると、めちゃくちゃ自分がシャキシャキ喋っているように聞こえ、これが頭が良さそうな良い授業に聞こえるんだな(ということは通常の授業は?)

割と本気でうっとりと授業に聞き入った、良い授業だなぁ。

 

久しぶりに歯がしくしく痛み、昨日はあまり寝られなかった。

これは流石に病院行きかなぁと思っていたら、昼になると痛くない。

うーんほっておいて良いものやら、どこかで手遅れですとか言われそうで怖い。

授業がオンラインのうちに色々病院めぐりするかなぁ。

もうあんまりよろしくないところが増えてきたし…

 

COS7細胞にRNAiをかけたくなり色々四苦八苦している。

ゲノム解析が終わっている細胞系では特に問題がないが、COS7細胞はアフリカミドリザル由来

www.cytivalifesciences.co.jp

どうやって探すかなぁというところだけど、アフリカミドリザルの学名Cercopithecus aethiopsで検索をかける、ここはLRRK2にしてみるか。

NIHのGeneで検索をかける。

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さてどうなるか

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しってた。

まぁいくつかのGeneはデータベース上にあるが、アフリカミドリザルのLRRK2配列はわからない。

まぁクローニングしてシーケンス読むのが早いんだが、そこまで時間はかけたくない。

じつはミドリザルという大きなくくりがあり、近縁種にChlorocebus sabaeusという猿がいる。

en.wikipedia.org

顔つきと陰嚢の色が違う(そこに食いつくか)くらいで、大きくは同じものとくくられるケースもあるらしい。ちなみにオスは陰のうが青く、ペニスが赤い。だって、それはすごい

多分人間で言う人種の違いくらいと見た。

ということで、あらたにChlorocebus sabaeusで検索をかける。

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さてどうなるか。

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ということで地域性いとこくらいの猿の遺伝子はゲットできることがわかる。

まぁ遺伝子的にどれだけ似てるかだよなぁ。

CDSはわかったので、BlastNサーチをかけて相同性を検出してみる、のだが、例としてLRRK2は最悪やな、デカすぎ、このタンパク質。

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さてゲラダヒヒアカゲザルカニクイザルスーティマンガベイ、上位後種は99.3%の相同性を示しており、LRRK2はこれらの猿の中で非常に保存性が高いのがわかる。

これらの猿はおそらく真猿亜目に分類され(あまり確かめていないが)、猿の仲間の中ではより人に近い目ではある。

ちなみにホモサピエンス属とは97.3%、2.7%の差は深遠なのか…

ただ遺伝子で違っていても、蛋白質として翻訳されればその差はもっと小さくなるだろう。

さてこのように人種の違い以上に種を超えてもLRRK2の遺伝子配列(CDSのみ)は非常に高い保存性を示すことがわかったので、種間で保存性の高い領域をにらみながらsiRNAの配列を探すことは可能と考えられる。

久しぶりにsiDirectを用いてsiRNA設計をしてみる。

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最近は企業のHPで作ることが多いことは否めないが、古参データベース。

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省いたが100個くらい出てくる、たまらん。色々オプションつけて減らすこともできるが。

これらの中から非常に種間で保存性の高い領域をコードしている配列を見つけ出せば、当たる確率は良さそうな気がする。

なんだったらヒトとも一致する配列はありそうなので、一粒で二度美味しい、という系は可能なのかもしれない。

実はこのストラテジーに乗せて3遺伝子配列のshRNAを設計してみたが2勝1負け。

1負けも単純に配列の効力が低いだけかもしれないしなぁ。