へのへの先生仮免中

やっぱ教授になるまで仮免中で行きます(なれるのか)、神経系の研究がメインです

眠いのです・データはたくさんあってもかえって駄目な時があります・プロテオスタシスの違いは神経変性疾患の部位特異的な神経障害を説明できるか・麻酔薬と学習障害

さてさて時差ボケが厳しいです。
ある時点を過ぎると頭が完全に寝てしまいます。
不思議ですね、日本では3時間くらい眠れば大丈夫で、昨日は結構良く寝たのですが。
昨日は時差ボケに負けまいと部屋の掃除をしたら、随分綺麗になりました、この状況を続けたいものだ。

帰った早々研究報告。
そろそろ論文投稿を考えているので、Full setのFigureをだして反応を見ようと思ったのですが、時間が長くなるばかりで非効率だったかもしれません。
ストーリーは面白いはずなので、少し肉付けしていいとこだしたいなぁ。
まぁ若干胡乱なところはあるから、もう少しデータ(と時間)が欲しいけど、こればっかは
発想力とか言ったこともあるけど、むしろ詰将棋タイプの思考なのかも。独創性はないわ。

AAICでプロテオスタシスという言葉を覚えたんですが、ちょうどこんな論文が出てました。
プロテオスタシスは日本語ではタンパク質均衡というような訳がなされるようです。
機能的なタンパク質は産生・代謝のバランスの際どい均衡によって量が保たれているのですが、病気という異常現象によりその均衡が壊れてしまうことにより、量が減ってしまったり、不活性型/毒性型が増えてしまったりします。
この論文では光学的ラベルにより、新規蛋白(緑)、光を当てて色を変えた古いタンパク質(赤)の色素を用い、huntingtinというハンチントン舞踏症の原因タンパク質の動態をいろいろな種類の神経細胞で比較しており、Huntingtinのクリアランスが高い神経細胞ほど細胞生存性が高いことが示されています。
ハンチントン舞踏病では一部の運動を制御している領域(線条体)の神経が顕著に脱落していくことが知られていますが、そういった神経特異性の一端が示されている可能性があります。
おおくの神経変性疾患関連タンパク質はユビキタスな発現を示すのに、障害をうける部位が限られます。
今回ハンチントン病で明らかにされたようなプロテオスタシスの許容領域の違いが大きく関与しているのかもしれません。

ケタミンという麻酔薬は、よくサイエンスニュースを賑わせます
かなり重症なうつ病患者さんにたいして著効をしめすようなニュースを昔紹介しました
ところが子供へのケタミンを始めとする麻酔薬の使用は、患者の学習能力の発達を妨げてしまう場合もあるとか。もちろん生死にかかわる場合もあるでしょうし、麻酔薬絶対だめってわけではありませんが、似たような話では老人への麻酔薬の投与は認知症のリスクであったりもするそうです。
どのような麻酔なら安全性が高いのか、再評価が必要なのかもしれませぬ。