へのへの先生仮免中

やっぱ教授になるまで仮免中で行きます(なれるのか)、神経系の研究がメインです

それは日常なのです・もう少しや・C9ORF72とALS発症の関係はかなり複雑

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はやりのハイファイブ、笑っちゃった。

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まずいな、このシリーズは侮れない。

なんか結構気合入れて論文の推敲していると、帰ってまで文を書く元気がなかなか起こらないですな。

論文もやはりちょこちょこ直すよりは一気に直さないといけません。
まぁResultsは形になったので、FigureとDiscussionを今週中に直しましょう。
Figureが山ほどあるのはいいですが、最初に考えたオチと違う方向に進んだ影響がそこかしこにあって、散漫な感じもします。
ストーリを語る(べつに創作するという意味じゃないですよ)、には勢いが必要な場合もあるんですよね、多分
Figureを大分削ったほうが良いんだろうなぁ。やだなぁ
そういや今週末認知症学会だったわ、信州までどうやって行ったものか。

最近家族性の筋萎縮性即索硬化症(ALS)で最も頻度の多いC9ORF72についての論文が、ええ、もう読む気がなくなるほど出ております。
ALSは治りそうな病気に思えるし、マウスモデルでは色々出てるんだけど、なかなかどうして神経は難しい。
C9ORF72は6つの塩基GGGGCCの繰り返し配列が挿入される事がわかっており、現状では
①C9ORF72は小胞輸送に関与する遺伝子なので、変異によって小胞輸送阻害が起こるのだとする蛋白機能説
②6つの塩基の繰り返し配列によりタンパク質の鋳型であるRNAが核内で凝集してしまうRNA毒性説
③塩基の繰り返し配列から、アミノ酸の繰り返しペプチドがスタートコドン非依存的に翻訳されてしまい、それが毒性を発揮するんじゃないかなぁという、異常タンパク質説。
とおおまかに3つにわかれているんだと思います。
最近までは①が優勢でしたが、近年ALSの他の遺伝子であり、RNAの修飾機能をもつTDP43、FUSの機能が悪くなることが原因ではないかという論文が結構出てきて、RNA毒性説も捨てがたい。
③は最近発見された現象ですが、他の神経変性疾患、トリプレットリピート病(ハンチントン舞踏病とかですね)とにており、まだ神経毒性などの影響があるかについてはわかっておりませんが、注目されるところです。

新しく発見されたこととしては、この6塩基繰り返し配列、前にも後ろにも転写されるらしく、話がすごく複雑ですだ。うへぇややこしい。まぁ仕事が沢山ありそうな気はする。
どちらにせよ、やはりできたRNAは核の局所にかたまり、何らかの毒性の原因になっているとかんがえられる。
アンチセンス、センスから出来たRNAは別々の場所に結合して、独立した毒性を持っているかもしれない・・・
凝集塊が多いほど、ALSの進行、発症年齢が若いなどの関連もあるみたい。
いっぽうでどちらからも異常なペプチドは産生されるらしく、脳に溜まる。
もうみんな悪いんじゃ無いかね・・・(合ってそうだなぁ)
ちょっと話がややこしくなりすぎているから、多分、プロテオームなんかして、遺伝子解析により下流シグナルを見つけるほうがわかりやすくなるかもなぁ。
siRNAは有効な治療法みたいだけど、また次の機会かな。