へのへの先生仮免中

やっぱ教授になるまで仮免中で行きます(なれるのか)、神経系の研究がメインです

煽り文句の危うさ・決められない遺伝子・ササノハサラサラは淡白に・ALSとHDAC6

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まぁ言葉の魔術って感じですね。
じゃぁ実際100人乗るってことも無いでしょうけど。
成功率120%とか言われると、突き抜けて疑わしさ満点です
超どうでもいいですね。

なんというか、聞いてみないとこの話進まないんだろうなって案件を抱えているんですが、なかなかその気にならない。
最近締め切りを守れない決断力の無さは遺伝子決定されているというお話をチラリと見ましたが、さもありなん。
まぁこの遺伝子持ってるの僕だけじゃないけど。
ああ、最近マジで腹痛に悩まされます。根回しって大変だなぁ。

近くの商店街に笹の葉さらさら揺れております、ああ、もう一年の半分過ぎちゃったんだなぁという感慨しか無いのは、人生が貧しいとしか言えない。
あんまり笑い話に出来ないんだけど、去年、お母さんの病気が治りますように、って短冊をみて、超重かった。
今年は別の楽しい願い事かけてるといいけどなぁ。
どれどれ、って今年の短冊見てみたんですが、達筆で商売繁盛、家内安全とか、マレーシア航空が安全に運行しますように(海外旅行かしら)って大きなひとたちの願いでうめつくされておりました。
子供が深刻に少なくなってるのかなぁ。

理研がPC308個買ったって問題になってました。
理研という一単位で買うと無駄に見えてしまうけど、かなり個別化したユニットの集合体だからなぁ。
ちょっとかわいそうな気がします。
というか、どうしてもPCが必要なケースって難しい。
用途的には3万円くらいので、普通に稼働してしまいそうだし。
まぁ科研費等でパソコンを買うってのはかなり難しい時代に入ってきた様です。
仕方なく自分で買ったパソコンを使ってるわけだけど、べつにその分給料高いわけじゃないし、研究者ってのは割が合わない気がします。
まぁ安いPC使えば良いのか。

さてなんかサイエンスネタあったかなぁ。
論文はほとんど目を通していないのだけど、ALS関連遺伝子でHDAC6活性が上昇して細胞死を引き起こしてるんじゃないかって話は、ちょうどHDAC阻害因子の面白い論文(こっちは仕事に関連するから紹介できない)を読んでいたので、個人的にはヒット。Cellular reports
も、もしかしたらALSの研究も出来るんじゃね、はぁはぁ。(?)
かなりやばいヒトになりつつある。
というか最近寝ても覚めても研究みたいな人生で焼き切れそうな気分です。
たまには女の子と江ノ島行ってエスカーにのってフラワーランドでウフフキャッキャしてみたいです。
なぜデズニーランドと言えない。デズニーシーにも行ってみたいなぁ。
えっと何か議論してたっけ。もうどうでもいい気がしてきた。
ああ、そうそうHDACってのはHistone deacetylaseの略でヒストン脱アセチル化酵素のことです。
以下じつは今回の論文に関係のない、HDACの遺伝子制御機能の話が続きますが勘弁、ちゃんと見るまで気が付かなかったんや。
せっかく書いたのに消すのももったいない。

我々の遺伝子はDNAで出来ているんですが、そのままDNAがぼやぼや浮かんでると、電気コードのごとく絡まってコンガラマリット、ってことになるので、適当な単位で巻取り機に巻き取られています。
その巻取り機の役割を果たすのがヒストン。
で、だすな、そうやって巻き取られた中にも遺伝子情報が入っていて、もしヒストンにきつく巻き付いていると構造的に硬くなってしまって、そこの情報が読み取りにくくなってしまう。
そこでヒストンはアセチル化っていう修飾を受けることで、ちょっと凸凹になって、空間がうまく出来ることで遺伝子の発現が促進されたりします。
我々の細胞は肝細胞でも、脳細胞でも同じ遺伝子情報を持っていますが、機能が異なるのは、このようにヒストンのアセチル化、その他等によって、染色体の構造に変化がでることが関わっています。
遺伝子変異のないこういう変化をエピジェネティクスといいます。
さてどうでも良いお話を挟んでしまいましたが、このアセチル化って現象を制御する、取り除いてしまうやつがHDACとなります。
HDAC自体はもちろん大事な機能があるわけなのですが、精神的なストレス、神経変性疾患のストレスなどにより過剰に活性化する場合があって、そうなると、神経細胞に必要な遺伝子が発現しにくくなり、鬱になったり、ポストトラウマチックシンドロームになったり、変性疾患になったりするわけです。

超余談ですけど、認知機能ってのは記憶するってだけではなく、記憶を適度に忘れるって所も関わっています。
で、HDACは記憶を忘れるっていうところに関わっているみたい。
例えば、事故の記憶、最初は自分をはねた車の車種を見ただけでフラッシュバックが起こるかもしれませんが、段々その効果は弱くなります。
ところが、うまく忘れることが出来ない場合があるとポストトラウマチックシンドロームで苦しむことになります。

さて今回の論文ではショウジョウバエにALSの病因遺伝子である変異を持ったTDP43を発現するとHDACが活性化して、シナプスシナプス小胞をつなぐ楔としての機能を持つBruchpilotの脱アセチル化が亢進することにより、どんどんシナプス小胞シナプスに貯めこむようになってしまい、結果神経伝達物質調整がうまくいかなくなり細胞死が起こるってモデルらしい。
TDP43ともう一つのALS遺伝子FUSが共同してHDAC6のmRNA成熟を制御しているって論文もあって、なかなか面白い。
ちょっとこのショウジョウバエモデルがALSに近いか?ってところは疑問だけど。
ヒトやモデルマウスでどうなるかなぁ。