へのへの先生仮免中

やっぱ教授になるまで仮免中で行きます(なれるのか)、神経系の研究がメインです

残されたデータは何を語るか・気軽に遺伝子ノックアウトTALEN・αSynucleinが伝播するなんて・・・(知ってた)・Notchを抑制する蛋白質運搬因子Botchは独りBotchじゃないんじゃないか

昨日は自分の歓迎会

いつもよりお酒も飲めて(後で頭痛くなったけど)楽しく過ごしました。
本郷の飲み屋に入るとなんかデジャブだなぁ。
 
最近は現ラボの過去の遺産を漁るのに費やしています。
しかしすごいなーGateway technologyのほとんど全てがこのラボにあると言っても過言ではない。
FRT-in Junp-inもある。ある意味最強だ。
何でも出来るじゃん。
しかし以前の実験を引き継ぐというのはなかなか難しい物です
特に担当者が不在だと、実験の狙い等わからないことが多いです・・・
 
最近TALENに夢中です
遺伝子のノックアウトというのは非常に取りにくいプロセスを経る物ですが、最近は培養細胞レベルで遺伝子のノックアウトができる技術が開発されています。
一つはSigma Aldrichの推し進める亜鉛結合蛋白質という特定のDNA配列に結合する蛋白質にNucleaseを接合し、染色体の特定の部位を切り取るZFNとよばれる手法です
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この手法により、これまでにノックアウト生物の作りにくかったラット、ゼブラフィッシュの遺伝子改変が可能になるなど、可能性は高い物を秘めています。

最近双璧としてTALENという技術が報告されています
植物由来の遺伝子活性因子の配列特異性を利用し、やはりNucleaseを結合してノックアウト
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理論は同様ですがTalenの方がよりシステマティックなコンストラクトが可能なようです。
作製の配列設計ソフトもオンラインで利用でき、初心者に優しい作り
どちらも最近ではAddgeneという非公益サイトで購入可能みたいですが、TALENはキットで買えるのが魅力的ですねぇ。全部買っても320$くらいだもん、絶対投資する価値あるよ。
おお、ノックアウト細胞作りたい!
TALENでLarge scale screeningっていう剛毅な話もありますぜ・・・

tauが神経伝達系を伝ってその毒性を伝達するという話をしたことがあったけど、今度はパーキンソン病病因遺伝子αSynucleinお前もか。

http://www.sciencedaily.com/releases/2012/04/120417143855.htm

症状が現れる前のαSynucleinトランスジェニックマウスに年寄りマウスから抽出した毒性を保つと思われるSynucleinまたはRecombinantのαSynucleinを打ち込むと、みるみると病変が進み、細胞内凝集体ができ、寿命もみじかくなるみたい。
パーキンソン病患者にドパミン神経を移植した場合の解析により、移植したドパミン細胞にも凝集ができる事がしれられており、理論自体は予想出来るものであったけれど、やはり実験系で再現させたのは偉い。
またこのモデルはパーキンソン病のモデルとして有効で有るかもしれない

なんかもう一個くらい面白い話がなかったっけ・・・
そうそう新しいDevelopmental CellにNotchのネガティブなレギュレーター、Botch(Block, Notch)と言うのが報告されていた。

http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S1534580712000925

なんでもNotchのTGNよりの輸送を阻害して、その後のプロセシングのイベントを阻害するみたいだ。
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でもBotchというのは彼らが勝手につけた名前みたいで、昔から有る蛋白らしい(ゴメンど忘れした)けど調べてみると結構普通の細胞で内因性有るんだよなぁ
Notchの阻害は神経への分化を誘導するし、なんか理屈に合わない気もする
神経ではもう一つ二つ、Botchの他に働いている物が有るのかもしれない。
あれかな?

ちなみにひとりBotchってボケて師匠にメール送ったら、加齢にじゃない華麗にスルーされました。