へのへの先生仮免中

やっぱ教授になるまで仮免中で行きます(なれるのか)、神経系の研究がメインです

頭はいつも痛いです・影は見えませんでした・久しぶりの学会・P53とADAM17と皮膚癌

先週は随分頭痛に悩まされました。
偏頭痛は、痛いだけではなく気分が悪くなります。
少し天気が良くなって、気分も良くなるように祈ります。
昔の全盛期が忘れられないと言うのも困りものです。
明らかに集中出来る時間は落ちてきていますから、集中する物を選ばなければいけませぬ。

今日は上野に行こうかと久しぶりに東大を横断しました。
もちろん桜も終わっていて、緑がうっそうと広がり、かすかに蝉の声が聞こえるか?
夏が来るんだなぁと思うのでした。
随分近くのお店の構成も変わっていますが、大学の中はほとんど変わりません。
なんとなく待ってる人がいるんじゃないかと、龍岡門を見回したり。
うーむ、やまいやまいでござるな。なんとかな病気じゃないんだから。
もちろん霧の中に優しい影が浮かび上がってきたりはしませんでした。
さて元ネタわかるかな?

土曜日は久しぶりに学会に出てきました。
なんとなく学会でぼーっと人の話を聞いているのは好きです。
(まぁわかると質問したりもしますが)
余り良くわかっていない話題も多かったですが、楽しかったです。
一人、この人はニュースキャスターかと思う位、うなるほど良い発声、良い姿勢、明快な受け答えをする女性研究者をみて、発表の技術で5割方印象が上がるのだなぁと感心しました(発表もまぁまぁ面白かったですけど)。
すこし発声法とか勉強しようかな。

ちなみに自分の発表があったのが玉に瑕です。
久しぶりに発表したらポインターが震える震える。
未熟な自分というのはいつになっても見つかる物ですね、しゃべるのは大丈夫だろうと思ってた気がします。
まぁ何となく会場の雰囲気としては、今すぐに使えるような薬剤の話が聞きたい!というのがあって、創薬の卵みたいな話はちょっと座が冷えがちな気がしました・・・
今は9分しゃべるのがやっとですね。偉い人は20分以上もしゃべって偉い事です。

セミナー講演では、むかし製薬会社にいた先生の成功談みたいな話もありました。
痒みに対する特効薬が出来たと言うような話です。
羨望。ああ、薬を作りたいなぁと思います。
死ぬ前に一つ、病気の治療に役立ったという研究をしたいと思いました。

JCIをちらりと見ていたらADAM17と言う記事、はてはて
ADAM17はアルツハイマー病では、APPというアルツハイマー病関連遺伝子を切断するのですが、Aβとは違う経路で切断を行い、無害なP3と呼ばれるペプチド産生につながります。
そのためADAM17の活性化はAβを減らし、AD創薬としてADAM17の亢進というのも考えられています。
一方、ADAM17はNotch切断も行う事が知られています。
JCIの論文では、有る皮膚癌ではP53と呼ばれる癌制御に関わる遺伝子の働きが落ちており、そのターゲットであるADAM17の発現も減少している事が癌の原因となっており、P53の機能を回復し、ADAM17の発現を回復すると、Notchを活性化することにより癌細胞が死んでいくそうです。
Notchは組織の分化を制御するため、この場合は未分化な癌細胞が分化していくのが良いと言うことか
新しいところとしてはP53に制御する因子としてADAM17が取れたと言うところでしょうか
一方で白血病の原因となる遺伝子変異はNotch活性化によって起こるという物もあり、なかなか癌と一口に言っても方向性は一つでは無いみたい。
P53も癌では活性を持たないといかんのですが、神経細胞ではP53を活性化すると細胞が死んでしまうようです。
神経変性疾患と癌なんかも逆相関があって、健康ってむずかしいなぁと思います。