へのへの先生仮免中

やっぱ教授になるまで仮免中で行きます(なれるのか)、神経系の研究がメインです

頭が重い・Rhomboid!Rhomboid!でERADのドラ3・ドロソフィラNephrinホモログはアルツハイマー病関連酵素γセクレターゼの活性を調節?

頭痛・頭痛。やれやれ

大分へこたれるくらいに暑くなりましたな。
やはり日本は湿気が半端ないです。

ちょっと毎日淡々と過ごすようになってしまっていけません。
一か月1Figureを目標にすれば、一年で論文が出せるはずなんですが。

旧友に会うような気持になる分子がたまにあります。
学生のころに論文で読んだとか、研究したくて一か月くらいその論文ばっかり読んだりとかいうかんじ
さて久しぶりにMolecular cellに手が伸びました
ぼくはRIP(Regulated intramembrane proteolysis)という現象を研究していました。
細胞を色々な区画で区切っている細胞膜は、脂質で形成されていますが、親油性環境には水は入っていけません。タンパク質の切断には水を利用(加水分解)が必要であり、膜に埋まっているタンパク質を切断するためには、細胞膜に穴をあけるか、膜画分ごと分解することが必要になります。
前者がRIPで、後者はオートファジーという現象となります。
RIPはいまだにわかっていないことが多い現象ですが、多回膜貫通タンパク質により膜に親水性環境ができるというのが最近のコンセンサスです。
さて話が長くなりましたが、そういったRIPを制御する酵素の一つにRhomboid familyというのがあります。
この酵素は非常に種間で保存されているのですが、基質、生理的機能についてはわかっていないことが多いです。
今回Rhomboid familyの一つRHBDL4がユビキチン化した基質を特異的に認識して、プロテアソームと共役することにより膜たんぱく質を分解する機能を持つことがわかりました。
たんぱく質がアブノーマルにたまると、細胞にはストレスがかかるのですが、そういったタンパク質を処理する機構ERAD(ER associated degradation)の一端を担うようです
イメージ 1
RhomboiidはRIPを担う酵素の中では単純で、構造もある程度明らかになっています。
むかしショウジョウバエで同定されたとき、生理的機能をやってみたくて、クローニンング目指したものです・・・
しかしクローニングが下手なんだな、これが・・・
実は!とか後から何でも言えますが、ERAD関与は有りだろうと思ってたりしてました。
だって膜たんぱく質たまっちゃうしね、除去機構必要だろうと
まぁでもRhomboidたくさん種類有るので、うまくいってもこんな結果出たりしなかったでしょうね
Rhomboid関連はミトコンドリア再構成に必要とかEGF切断しているとかかなり多機能です。
かなりまだまだそそるところの多い酵素です。

あとDevelopmental cellのHibrisというNephrinショウジョウバエホモログがγセクレターゼ(アルツハイマー病発症に重要な酵素)活性を調節しているというはなしも、なかなか見どころはありました(偉そうだけどDevelopmental cellのせくれたーぜ関連論文はひどい奴が多いのですよ)
Nephrinは哺乳類では腎糸球体の濾過能力にかかわるタンパク質です。
どうもγセクレターゼと結合して、その成熟にかかわるようなデータ、そしてキーはやはりNotch
(この辺のデーターはやや怪しげとも見えるんだが)
色々な臓器において特異的にガンマセクレターゼ機能を調節している様なタンパク質は有りそうな感じです。
副作用等考える上でもそういった末梢におけるγセクレターゼ調節というところは、もっと研究されるべきかもしれません。