へのへの先生仮免中

やっぱ教授になるまで仮免中で行きます(なれるのか)、神経系の研究がメインです

GSAPふたたび(うーん)

おお、かなりブログ書く習慣がなくなってきた。
あまりネタが思いつかないまである、というかネタをためても授業で消費している感
まぁ久しぶりに書こうと思ったのがGSAPというタンパク質の論文をPNASで読んだから。
半年強くらいこのタンパク質の実験に(無駄に)費やされたので負のオーラーで読む
だってこのラボの検証はイミフなんだよ・・・
まぁなかなか斜め上にええと、まぁなんだ、やはり意味がわからん論文ではあった。
PNASも推薦制度が無くなって変な論文は減ってきたのらしいが、この論文が通るのは真になぞやなぁ。
昔Natureに掲載された論文の続き。
アルツハイマー病(AD)における病態の一つ老人斑は、アミロイドβ(Aβ)が凝集してできるため、Aβの産生機構は深くADに関与していると考えられている。
γセクレターゼはAβの最終産生に関わる酵素であり、発症機構への関与の重さからも、治療ターゲットと考えられているが、Notchなどの生理機能に関わる基質も切断するため、Aβ産生の基質であるAPPとの切り分けがどのように行われるかが重要である。
Natureの論文では、まぁ僕も嫌な思い出はすぐ忘れる様になったので記憶が曖昧だが、APPとγセクレターゼ双方に結合して、親和性を担保しているんだーって論調だったかなぁ、これもなかなか強引だった印象。

論文に関してはGSAPのKO細胞(前回から9年たっているのにマウスじゃ無いのかYO)を作っているのだが、なぜか発現の検証はmRNA、あんたら抗体持ってたやろ・・・
どーせ内因性でははつげんがみえないんだろうなぁ、とか邪推するわ
ノックアウトでAβ低下、発現で回復(うーん)
ノックアウトしてこの程度なら、ここはあんまり治療ターゲットじゃ無いんじゃ無いですかね、完全阻害しても20%も減らないということ?
まぁ、まぁ良かろうとはおもったが、内因性だろうが、外因性だろうがGSAPがAPPやγセクレターゼ複合体に結合しているという肝心のデータが何一つ無いのが驚きではあった
え?ええんかそれで、Vitroの実験中にGSAPが入ってない可能性あるぞ。
元論文のNatureに記載されているとのニュアンスなんだろうけど、なんだかなぁ。
なんかγセクレターゼの構造をゆがめているんだとか言う訳のわからんスキームズが現れる、APP結合どこ行った?自分らのNature論文の否定論文なのか?これは。
いったいかれらはGSAPがγセクレターゼのどこに結合すると考えてるのかなぁ、スキーム図でGSAPだけ宙に浮いてるんですけど。
彼らが真にやるべきは、通常・ADで一体どの程度の割合のγセクレターゼにGSAPが結合していて、今回の結果も妥当なのか、そしてそれはどこの部分との結合なのか?とか示すことじゃないだろうか
著者じゃ無くて、レビューした人間が猛省するべきだと思った、この論文は
さすがにこのデータ量であのスキームは無いわ。
基本的なところをちゃんと埋めずによくわからん仮説に乗ってる印象、まぁGSAPはさすがにもうやる気せんな。