へのへの先生仮免中

やっぱ教授になるまで仮免中で行きます(なれるのか)、神経系の研究がメインです

気分はまだアウェイ・正しくはないが反論はしたい・具体的に書くと世界が狭まる・グフな乗車・またGSAPか!・αSynucleinはモノマーが毒性を持つ?・ABCA7の機能欠失変異とADリスク

なんかまだ慣れてないのか、気持ちと体と頭の働きがバラバラな気がする、効率的でない。
実験も始めてはいるのだけど、アウェイ感は抜け切れず、あれを作ったらあれが無くてそれをつくるとこれがなかったから買う、って感じのお使いタスクが続く感じで遅々として進まず。
弟子も付き、これやってーあれやってー最終目的はここやで-って話は始めているが、自分がここでできていない実験を支持するむず痒さといったらない、まぁ先生ってみんなそんなもんだろうけど。

僕の部屋もコーヒーメーカーを入れ、大分落ち着いてきたけど、一人はどうも落ち着かない部分もある。
最後に入れたいのがホワイトボードである。落書き大好き。

元の職場の残務処理でやってないことがあり、つい僕は悪くない!ってメール文面を半分くらい書いて、ハット正気に戻ってサクサクけして平謝りした。
まぁついつい嫌いな人に対するとヤリガチだけど、悪いことは悪いのだ。
どうせ間に入ってる人に負担がかかるだけだしなぁ。
母親が隣人に庭の木を切れといわれてキレたのを思い出す。
どう考えてもいらん木だったから、切れば?って言ったらもっとキレた。
理屈じゃないのだ、それがわからんわけでもない。
そういえば認知症学会出るつもりだったのに、抄録出すの忘れちゃった・・・

研究費の願書、書いてるうちにここが気に入らない!って所を直し始めたら、なにか変に理屈っぽくなってしまって、うーんこんな限定的な仕事をしてもしょうがないって気分になってきた。
不思議なもので、条件を突き詰めて、具体的にすればするほど、この結果出て言えることって少ないよなぁってことになり、もっと実験をしなければイカンと、ついには動物実験をやる事になってしまう。
いや、まぁそこまで目指すべきなんだろうけど、評価する人間にとっては、この一年間の研究費とってそこまで出来るの?って気はするかもしれない。
もう一枚夢をもってすすめているプロジェクトについても書きたいから、こちらは早いうちにあげてしまいたいものだ。

とうとうデミ子が二週間後にやってくることになった、赤にしたら三倍早いんだろうか、とおもいながら青色にした私はグフ大好きっ子です。
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ホタルを見に行こうかなぁ。

サイエンスネタネタ。
なんかあったきはする。
まぁどうでもいいんだが、アルツハイマー病病因因子、アミロイドβの産生酵素の一つγセクレターゼはアルツハイマー病発症のキーとなる酵素だが、γセクレターゼとAβ前駆体タンパク質(APP)の双方に結合するGSAPという小分子タンパク質断片が報告されている。
今でも私その元論文はひどい論文だなぁと思ってますけど、とにかく後論文が出るは出るんだけどみんなひどい論文ばかりでどうにも。
ふーんすごーい(棒)
GSAP風に乗ってる奴らの赦し難いところは、Natureの論文の結果(Aβ産生が影響されるか)をまるで再現できるか検討せず(多分再現できないんだが)、GSAPの代謝を制御してるよーだからAbe-taに関係するかもねみたいななんちゃって結果で締めやがるところである。
とにかくこのタンパク質をやる奴らの、ウエスタンの切り刻み方が大っ嫌い、スレっすれッで切りやがってなんか隠してるんじゃまいか、おまけに前論文と言ってることちゃうわ。はぁはぁ

久しぶりにアルツハイマー病大御所セルコー博士のラボの論文だなぁとおもったら、パーキンソン病論文だった。
こんがらがらがる、ええいこんがらがるなぁとおもったんだけど、Amyloidβは脳内で凝集・蓄積して老人斑を形成する。
αSyucleinもLewy小体やLewy neuriteといった凝集構造物を脳内で形成するので、凝集が起こるような状態が神経変性疾患を作ると思いがちではある。
ところが、病気の初期にはそういうガチガチに固まったものというのはあまり存在せず、Aβ、もしくはαSynucleinが数個よりあつまった可溶性のオリゴマーを形成し、神経の機能を落としているのだと信じられている。
実際アルツハイマー病でオリゴマーが悪さをする、というのを否定する人というのはあまりいない状態ではある(どのようなものをオリゴマーと呼ぶか、その定義については諸説あるが)
ところがαSynucleinもしかりなのかとおもっていたら、実は定常状態ではテトラマーを形成しているのだが、αSYnucleinに変異を持っているような患者さんからFreshな生検をとると、テトラマー形成が低下して、単量体が多くなるという、なんとなく今までの印象と反対の表現型を持っているらしい。
おそらくモノマー自体はすごく不自然な立体構造(unfolded)なので神経毒性が発揮されるのでは、ということであった。
まぁ面白いし、膨大なデータ量で老舗の仕事やなぁと思いながらちら見してます。
微妙な所攻めるな-と思ったのはちょっと内緒だ、化学てき結合などのワイルドな系を使ってるしなぁ
ちらっと、もっと凝集進んで、可溶性に出てこないからテトラマー減ってるんやない?とか思ったけど、まぁその辺はちゃんと埋めてるだろうな、老舗だし。
この風に乗れってわけじゃないんだろうけど、他にもA53Eという変異で凝集自体は減るんだって論文も出ていたりして、この辺もあついDebateがなされそうだ、今後。

少し前の話だがNature geneticsに新しいADのGWAS解析の報告があり、昔からリスクとしての報告があったABCA7という遺伝子のアミノ酸変異が見つかっているみたい。
変異で機能が失われるような表記があるので、ABCA7の機能が正常な神経の生存性に必須ということになるかも。
ただ、たしかこのリスクは人種差があった気がする。
ああ、アフリカ系アメリカ人に高い相関があるのね。他の人種でもリスクになるみたいだから、研究を進める価値はあるかなぁ
コレステロール系はなかなか手が出づらい(敵が多い)が。

コレステロールといえば、もう一つADリスクファクターであるPICALMもコレステロール代謝に関係するらしい。
まぁでも、うん、そうだね、と流してしまった。
PICALMは小胞輸送系を制御するのだが、まぁそれならコレストロールの取り込みも少しくらい影響するかと思う。
やはりもう一歩すすめるには、コレステロールとPICALMによるADリスクのダイレクトリンクを示すかなにかしないと難しいかもしれない(そこまでドラスティックな危険因子って多分無いんだろうけど)。
現象としてはそういうこともあるんやな、とは思う、まぁコレステロール溜め込みに表現型が向くのであれば仮説としては悪くないのかも。