アメリカから帰る空港で論文の査読が、Major revisionで帰ってきた。
これが現実というものである、さらば楽しき学会よ。
とは言っても、最近見たことがないくらい好意的なコメントが揃っていて、下手すると10年ものの仕事で、認知症学会でポスター出してもまるで人が来ないような時代があったから、涙が出そうになった。
まぁMajor revisionだからやることはめっぽう多い
多いけど無理なものはあまりないのは救い、動物やれとか書いてないし。
3ヶ月あれば確実にできるんだけどなぁ。
学生の卒業と計って、やや迷ったけど、3ヶ月でできることは1ヶ月でもできるということになり(そうか?)押し切ってみることに。
喉が痛いとかフラグは立ちつつあるが(死にそう)、なんとか年末まで持てばいいや。
ポスターは最終日だと、結構主だった人は帰ったりで、閑散とした中で過ごした。
とは言っても話した人たちは面白いと言ってくれたので、そこには救いを求めるか。
弟子は日本の学会よりよっぽど人が来てくれたと、ホクホクしていた。
良きかな。
最終日はみんなで飲む予定だったのだけど、朝4時起きが必要だったりで、結局断ってしまったりした。
せっかく誘ってくれたのになぁと思って、こういう堪え性のないところが駄目なんだウジウジ、みたいな気持ちになって、まぁ実際ウジウジしていた。
年を取って、結構迷わなくなったけど、ウジウジ後悔するのはもう天性でどうにもならないなぁ。
雑感的に、RNASeqとかやるのはいいんだけど、なんだろう、俺たちの戦いはこれからだ的な話が多かった。
ちょっとこの波には乗り切れんなぁと時代の波からの遅れは感じたけど、小気味よさは感じない所もある。
網羅的な解析って情報が多過ぎて、ぱっと見の理解ができづらく、発表を曖昧なものにしてしまう弊害もあるかもしれない。
ポスターとかミニシンポジウムってそんなものかもしれんけど。
まぁいうて、iPSだら、次世代シーケンスだら、動物モデルだらで圧倒されて、俺は三流研究者だ、とショボショボしてたのも事実。
でもまぁ、論文は引っかかってちょっと元気出てきた。
Mol cellにこんな論文が出ていて、ちょっとガックリしてしまった。
The γ-secretase substrate proteome and its role in cell signaling regulation
これはなー構想はあったんだよーほんとよ。
少しずつ系は組み上げていたんだけど。
まぁこんなビッグラボのやろうとしていることが、先にできてたりはしなかったんだろうけど、気落ちはしてしまった。
こういうところがアマチュアなんだよなぁ。
異種の細胞は、様々な情報交換をするが、その一つに、膜タンパク質を介した情報伝達、Regulated intramembrane proteolysis(RIP)が関与することが知られている。
多くは膜タンパク質の細胞間での会合を契機に、RIPが促進していきシグナル伝達に至る。
RIPは当該部位の環境変化について、細胞の機能変化を誘導すると考えられる。
例えば神経機能異常?→グリア細胞機能が変化する等か。
RIPの最終段階の実行酵素にはγセクレターゼがある場合が多く、アルツハイマー病ではγセクレターゼの活性低下があると考えられている。
こういった変化が病態依存的なミクログリア(DAM)の運命を決定している可能性というのはあるんだろうなとは思っていたが、実際に新しく見つかった基質にはDAM形成に関わるものもありそうだった。
まぁDAMにつなげる系を持っていなかったし、なかなか実現性の高い案をかけなかったんだから、しょうがないんだけど、まぁ、はぁがっかり。
面白そうだから読んではみるけど。