へのへの先生仮免中

やっぱ教授になるまで仮免中で行きます(なれるのか)、神経系の研究がメインです

そろそろ狩るか・漬け物の日々・CSFに放出される速度は神経変性疾患を表す?・アミロイドモデルマウスの海馬は可溶性Aβにより活性化される

おじいさんは山へシヴァ狩りに
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っていう古いコピペを久しぶりに見たら、笑いが止まらなくなってしまった。
つかれてるのかな、俺。
ちなみにリヴァイアサンは川へ洗濯に行くそうです。

美袋という町が実家ですが、美味しい味噌を造る工場があります
まるみ味噌
実家に帰ったとき、ひしお麹というのを買いました
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醤油を入れて発酵させると美味しい漬け物の元ができまする
一週間発酵させて、近くの八百屋でざっくり買ったミョウガを漬け込むとバリウマです。
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あしたはキュウリを買って漬けるぜ
600でした。なんの数字?
良いんです。個人的な感傷です。
うれしいような、もう忘れたいような

JCIみてたらなかなか面白い記事に出会いました。

Cerebrospinal fluid–based kinetic biomarkers of axonal transport in monitoring neurodegeneration

CSFにでてくるある神経特異的蛋白質(キャリアー)は軸索を運ばれ、神経末端から放出されます。
つまりCSFにキャリアーが出てくる時間は、タンパク合成から軸索を移動する時間を示します。
多くの神経変性疾患で軸索輸送に異常が見られると考えられており、こういった移動速度を測定することが出来れば神経変性疾患のマーカーとなり得るそうです
最近CSFは流行ですね

重水をパルス(短期間)で与えると、脳に到達して、神経特異的に発現する蛋白にH2同位体が組み込まれる事になります(もちろん他の細胞でも重水を含む蛋白質は出来ますが、今回のお題には関係無い)。
その重水素を含む蛋白質が核からCSFに出てくるまでには、アクソンという長い線路を移動することが必要になります。
この研究グループは幾つかCSFに出てくるキャリアーを同定して、それらの重水を含むモノがどういったタイムコースで出てくるかを観測し、ノコダゾールなど、神経のレールを造るTubulinの重合を不安定にするような薬剤により、これらのキャリアーのCSFに出てくる速度が遅れることを見出しています
また薬剤誘発性パーキンソニズム、ALSなどのモデルでキャリアの運搬速度が遅くなることがわかりました。
最後に実際のPD患者でもこの輸送は悪くなることを示しています。これらの結果は神経変性疾患で軸索輸送に異常が出ている可能性を示唆しており、創薬ターゲット、診断マーカーとして考えられることを示しています。
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そう言えば海馬を二光子顕微鏡で観測して、アルツハイマー病モデルマウスで海馬の神経活動はどうなっているかダイレクトに観察するって論文を読んだような
PNAS
まぁこれも迫力のある研究
今までアルツハイマー病である種の神経の活性化が起こっているのではないか?と考えられていまして、最近抗てんかん剤の一種であるLevertiracetamの低濃度投与で患者、モデルマウスの認知機能に改善が見られるとの報告もあります。
一方で二光子顕微鏡という、マウスの頭蓋をガラス張りのモノにして、脳内の神経の活性化を生きたまま観察できるという方法で観察すると、脳の皮質ではアミロイド凝集体に近い物では神経の活性化が多く観察されたものの、活性が抑制されている神経もあり、一様な結果は得られませんでした。
実際には認知記憶機能は海馬で司られているのですが、海馬は脳の深層に存在するため、表面しか観測できない二光子顕微鏡の限界からこれまで観測されていませんでした。
この検討では脳の一部を切り取る事により、海馬を直接見ることを可能にしています
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その結果ADモデルマウスの海馬では、非常に初期(アミロイドの凝集が観察される前)から神経の活性化が起こっていることがわかりました。
どうもアミロイドβ単体の投与によっても活性化が起こるようで、可溶性のアミロイドβが増加すると神経の活性化がおこる事がAD発症機構の引き金になっているのかもしれません。
皮質との違いは良くわかりませんが、神経の種類とか構造が違うんですかね。
てんかん薬というのは、初期のアルツハイマー病の治療に有効で有る可能性があります。