へのへの先生仮免中

やっぱ教授になるまで仮免中で行きます(なれるのか)、神経系の研究がメインです

ESLで離婚の勉強?・Junp-inでバリバリ発現・APOE抗体投与でアルツハイマー病モデルマウスで治療効果か?

続くかわかりませんが、英語の勉強を再開し始めています。
English as a second language podcastは時間も適当で、ウォーミングアップには良い感じです。
昨日はいきなり離婚調停から入りました。
そんな英単語使うことあるんでしょうか?

DNAのクローニングは好きです。遺伝子からデザインして発現まで。まるで我が子のようなもんでしょうか
しかし最近のクローニング技術は進歩しましたね。
むかしは一日頭を捻って制限酵素やうまい変異を考えて、ライゲーションに一ヶ月(コラコラ)かかっていたものですが、最近はTA、またはTOPOクローンでドンって感じでPCRをかけた翌日にはクローンまでできています。
さらにGatewayを使えばドン、って感じで、光ったり、大腸菌に発現させたり自由し放題。
感心したのはJunp-inという方法。(Invitrogenのステマではありませんが)
初期費用はそれなりに掛かりますが、ゲノムに組み込む点安定発現系がスパスパできます
イメージ 1
恒常発現系が出来ないと思っていたCOS細胞でも出来ましたし、いい方法です。

この前SFN2012という学会で発表されていたらしい、APOE抗体をADモデルマウスに投与することにより、アミロイド沈着が少なくなるという記事がJEMに載ってました。意味わからん。
APOE(ApolipoproteinE)は脳内でコレステロール代謝を担うリポタンパク質であり、その遺伝子型のE4は最強のアルツハイマー発症危険因子です。
脳内のアミロイドベータタンパク質が凝集して毒性を発揮するというアミロイド仮説が有力視される中で、APOEというのはどういった位置を占めているのかは注目されています。
今回Washington大学のグループはAPOEがアミロイドベータと結合し、その凝集体である老人斑に存在する事に着目して、APOEを引っ掛けてAβを釣ろう?的な考えで抗体療法に至ったらしいです。
なんか良い抗体出来たから打ってみたくなっただけじゃなかろうな。
できたAPOE抗体を毎週一回14週にわたって静注すると、脳のアミロイド凝集が驚くほどヘリ、グリア細胞の活性化の指標である炎症反応因子産生も抑制されます。

さてアイデアは面白いですし、半分くらいは信じているのですが、あえて疑わしいなぁと思うところを挙げると、コントロール投与がPBSなんですよね。
これが普通なのかもしれませんが、この論文では投与した抗体がAPOEをターゲットとすることが本当に治療効果を生むのかというところの根拠に乏しい気がします。
なぜなら脳内のAPOE、コレステロール下がらないのに、間接的ターゲットであるAβだけ下がるというのは虫が良過ぎないか?と思ったもので。
最近はイムノグロブリン投与でアルツハイマー治療というのも治験に上っていて、いい結果が出ているみたいですし、乱暴だけどある種の抗体打っていたら別にターゲットがなんでも治療効果出るんじゃないかしらと疑ってしまいます。APOEに近い抗体とかでコントロール動物を作って欲しかった気もします。
まぁしかし、治療の観点としてAβに結合する因子を探すというのはもう一度フォーカスを当ててもいい分野かもしれません。