へのへの先生仮免中

やっぱ教授になるまで仮免中で行きます(なれるのか)、神経系の研究がメインです

猫をかぶる業務・ウツというか精神疾患の発症原因(の一部)の解明~人はみな一人では生きていけないものだから


イメージ 2
どうやって撮った(作った)の?これ
そんな二日間を送りました。ヤボ用の業務。
ブログも中断しておりました。
寝るわけにもいかんし、ずっと真面目な顔をしていたですよ。
けっこう精神力がバシバシ減りましたわ
でも人の顔をのんびり見ているのも案外おもしろいもんです。

イメージ 1
馬耳東風といえど、馬鹿にされたら、馬の耳にも三度、そんなことわざはないか。
ちょっと笑いました。

そういえばうつ病の発症メカニズムがわかった!ってタイトルのネット記事がバンバン出てます。
またまた野心的なタイトルつけるな-っておもったら、どうしてどうして、日本発のScienceにのった立派な研究。
澤明先生がラストオーサーですな、この分野では有名な先生です。
DISC1という統合失調症関連遺伝の研究で有名ですね。
ただ、研究は素晴らしいのですが、先に書いておくと、全部のうつ病がこのモデルで解明されたという話でもないので、ネットのタイトルはかなり誤解を生むものであると言えるでしょう。
むしろうつ病を含む複合的な精神病(どちらかと言えば統合失調症ライク)の話とおもって頂いていいとおもいます。
もちろんこれからの研究で他のうつ病発症にも関わっているという話になる可能性があると思いますが。
マイナビニュースが、一番詳しい記事となっています。
たまにクドいのだけど、学術的ですな、マイナビ

これはDISC1の変異を持つマウス(精神的症状が出やすくなるモデルということでしょう)を、思春期(成長期)に他のマウスから隔離して一匹飼いすると、大人になって非常に社交行動や認知機能の低下をきたしてしまうという現象があります。
この前DISC1の研究の話聞いた時、まさにこれと同じ研究をしたらいいんじゃないかと質問しようと席をたって時間切れ。預言者になりそこねた
この現象自体は昔から普通のマウスでも症状が観察されていた研究法です。
最近よんだ話しでは、髄鞘形成(神経を包む絶縁体)が悪くなるという話だったか。
とにかくマウス、社会性の高い動物で、まうすはいっぴきではいきていけないものだから~♪って歌いたくなりますた

研究グループはストレスにより産生されるコルチコイドというホルモンがこの現象に関わっており、染色体の構造を変えてしまうことにより、ドーパミン神経の感受性が変わってしまう、という機構があることを明らかにしたようです。
ドーパミン産生神経は、精神行動に深く関わる因子ですので、色々な話が点が線でつながる、謎は全て解けた!
イメージ 3
とか言いたくなってもまぁ、無理は無いのかな。
でもどっちかっていったら統合失調症の話だとおもうんだけどな
この症状グルココルチコイドの拮抗薬で改善するらしいので、治療として有効では?ってまとめです。
この現象、思春期に異常が起こると、大人になってから他のマウスと混ぜても治らない不可逆性があるので、ウツを発症してから飲んでもうまくいかんかな?
大人になって同じような発症機構を経るのだったら予防効果とかありそうですね。多分違うと予想するけど。
先に書いた髄鞘形成も悪くなってるんじゃないかなぁ?論文まだちゃんと読んでないからチェックしとかなきゃ。