へのへの先生仮免中

やっぱ教授になるまで仮免中で行きます(なれるのか)、神経系の研究がメインです

懐かしい人達・科研費とか特許とか・愛と筋肉・パーキンソン病薬とRett症候群・アストロサイトのGABA蓄積はアルツハイマー発症に関連するかも

週末は先輩の昇進のお祝いがあり、懐かしい人にあって楽しかったです。
とんがってる後輩達がそのままとんがっていてくれるのは嬉しいことのように思います。
彼らはなかなか独特な思考をもつ奴らです。
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そうそうこんな感じ(?)
自分はあまりクリエイティブではなく、人の考えを色々トレースして選択肢を増やしていくしか能が無いので、論文を色々さらってみるとか、全く思考法が違う人とか、知識が僕より豊富な人とかと喋るのが糧となります。
糧となるというか純粋に楽しい。
まぁ、その考え方だと女の子ついてこないよ?とか後輩に助言したりしていて、僕に言われたくないよなぁとか、思ったり
一番成長していないのは私だったのかもしれませぬ。
結局変わってほしくない気持ちもあるので、彼らの考え方を受け入れてくれる人がいたらいいなぁと思うのです。
まぁ世の中、精神的HPはその時々で変わってしまいます。
今だったら笑い飛ばせるようなことで、喧嘩した人たちもいます。
そいつらの、ちょっと尖ってるというか、不器用な所が好きだったのになぁと今は思います。
そういうのが縁と言うものなのかもしれないですが、忍耐力とか鷹揚さとか、貯金できたらいいのにな、って時々思います。
言い訳めいてるな、うぬぬ。

科研費の使い方の講習会を受けて来ました(?)。
昔より柔軟になった印象ですが、罰則は厳しくなっています。
近年研究不正も多かったので、自然な流れではあります。
O氏のケースはどうなるのかなぁ、普通は研究費の返却が要求されるケースなんですが、なんとなく理研サイドにそこまで追い込む気概を感じません。
というか、もうSTAPにお金使って実験やる価値無いよなぁ。人もお金ももったいない。

特許、最終案という所で待ったがかかり、審議ということになりました。
というか、試案を作っても作っても誰も何も言わないから、どうしたもんかなぁって思ってたので良かった。
自分は視野は狭い人間なので、どちらかと言うと意見を言ってもらうほうが有難いのです。
少し勉強し直す暇も出来たので、色々チェックするかなぁ。
今の仕事関連で、他にアイデアが思いついたので、やってみてもいいかな、という気分にもなりました。
あんまりお手軽感をもっていたら怒られそうですが、論文は様式美としてのデータが要ったりしますが、特許はもう少しアイデア、に重点を置いてもいいかなと思うのです。
これやって何になるだろう?って思うことも多いんですが、特許出願出来るならいいんじゃないか、って視点が開けただけで、僕的には収穫。

昔は仕事をドンドンいろんな条件でやって、拡散していくという悪癖を繰り返して来ましたが、最近は条件をきめたらまずN数をとって、有意差が出るか検討するという方針でやっています。
今日もStudent検定やって有意差でてヤホウですよ。
論文何本かかいたらわかると思うんですが、有意差のあるデータを持っているって、その先に進むのにすごく有利になるし、自分の自信にもなるんですよね。
昔は同じ事やるの嫌いだったんですけど、今は*や**や***君のためなら死ねます。

さてサイエンスネタってあったっけ
あまりにキャッチーなコピーの論文なんでAbstだけ見てしまった論文
イエヤ、僕の筋肉はボロボロさ。
ナンノコッチャと読んでみれば、誰が呼んだか愛のホルモンと呼ばれる、オキシトシン、加齢とともに失われるんですが、このオキシトシンを老齢マウスに打ってみると、骨格筋の再性能に改善、どうも筋幹細胞の増加によるらしい。
オキシトシンは、良好な人間関係を築いていると産生が増加するらしく、また愛撫や法要、ちゃうわ法用、ええい抱擁、抱擁なんて単語使ったこと無いから出てこうへんわ、で、なんの話だっけ?
そうそうまぁそんなベタベタしたら、出て来るので、愛のホルモン。
うーんコピーはキャッチーだけど、恋人はサタンクロースって感じになっちゃうぜ
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程々ってことなのかな(何をや?)。
いかんいかんあふれるダークフォースに導かれそうになった

レット症候群のモデルマウスの症状が、パーキンソン病治療薬であるLevodopa(+補助薬のカルビドパ)で改善できるってのがニュースになっていた。
というか今までそういう論文無かったのか。
とおもったら無いこともない
モデルマウスのドパミン神経の発生が悪くなるという論文ですが。

症状的にはてんかんとかジストニーが出る辺り、なんとなくドパミン系のシグナルの関与が考えられる気もする。
レット症候群は女児にのみ起こる神経発達疾患で、ダウンシンドロームにつぐ頻度とのこと
詳しくはこちらのほうがわかりやすいかも
病因遺伝子の一つMECP2自体は遺伝子に結合して、タンパク質の発現を調節する因子で、その働きは広範囲に及ぶ。
研究者らはMECP2変異をもつモデルマウスにおいてドパミン産生が低下することを見出して、同様にドパミン欠乏の起こる病気であるパーキンソン病の第一選択薬であるLevodopaの効果を検討した所、症状の改善効果があったそうだ。
データはダウンロードできたので、ちょっと見てみたが、パーキンソン病モデルマウスにおけるレポドパほどの顕著な改善は見られない印象かなぁ。
論文の歴史的には、受け手のドパミン受容体を増やさないといかんのじゃないか。
もちろん広範囲な発達障害の一部を改善できるという事のベネフィットはあると思う。
レボドパ自体は、短期の安全性はあるものの、長期的にはドパミンシグナルの不安定化による、日内変動、不随意運動の誘発など副作用も出て来るので、実際幼児に使うメリットが有るかは疑問かなぁ。

Nature communicationsにGABA産生阻害により、ADでおこる長期記憶増強の低下、記憶の改善ができる、といった論文があった。
まぁ、AD患者脳のデータも持っているから、いいのかもしれないけど、この5XFADモデルマウスで出すデータって好きじゃないんだよなぁ。
免疫染色でGABA含量見るってあたりもすきじゃないけど、論文的にはGABA抗体って良く使われている。
とはいえValidationがほしいなぁ。GABAで吸収とかやって欲しいなぁ。ブツブツ
まぁアストロサイト特異なGABAのトランスポーターの増加とかも見ていたり、いくつかの方法でValidateは試みられている。
理屈がよくわからん系も多いけど好感はもてる。
GABA自体は抑制系の働きをもち、アルツハイマーではGABA系の亢進がおこっていて、持続的抑制(Tonic inhibitionというらしい)の増強による長期記憶が低下するというモデルはもともとあるみたい
神経でGABAが減ってるって論文もあって、今回活性化アストロサイトにおいて、過剰なGABA産生が有り、また神経細胞ではGABAーα5という受容体の発現が亢進しており相乗的効果によりTonic inhibitionが亢進しているというモデルを提唱しており、まぁ色々なことに説明がつくのかもしれない。
一方で、GABA阻害薬による、ADモデルマウスにおける長期記憶低下の改善効果が報告されているのだけど、もともと認知機能改善効果は報告されており、アストロサイト由来のGABAでなくてもこのへん説明つくんじゃない?等おもった。
一応Figure5でアストロ特異なGABAトランスポーターの阻害剤の効果とか見てるのか、うーんいいのかなそれなら。
阻害剤全部本当に効果持ってるのかValidateしろよとか、他人の論文では思える私。
まぁ前論文とかあるんだけどね
どっちかというと神経におけるα5ーGABA受容体の増加のほうが興味があるけど、論文内ではAD患者で増えているかは(多分)見ていないので、これから検証は必要かも