へのへの先生仮免中

やっぱ教授になるまで仮免中で行きます(なれるのか)、神経系の研究がメインです

三度投稿・多発性硬化症の病因遺伝子としてLXRαに変異が同定された・ADで免疫を賦活化するほうが良い場合もある

とうとう論文が再投稿されたのでした。
なんか投稿規定読むのが苦手で、最後の最後で随分手間取ってしまった。
雑誌ごとにフォーマットカエルのやめてほしいわ。

なんか頭が今ひとつ回らないようなもどかしさが有る。
自分なりのテーマを見つけて、そこに集中しないといけない。
どうにも気が散りやすいのが欠点なんだろう。
あんまり一人でいるものではないなと思う、段々考えていることが平坦になってきている。
最後のAIはおしゃれな会話ができ、対人関係無敗のチャットソフトやな、欲しい。

サイエンスネタ的に久しぶりに面白いなと思ったのが、多発性硬化症(MS)の病因遺伝子がわかったというニュース。
Neuronやね、多発性硬化症は自分の神経細胞を攻撃してしまう自己免疫疾患であり、これまでにもリスクファクター的な遺伝子は報告されていたけれど、今回変異を持つ家系があった、というのが新しい。
これがまぁ、有名な遺伝子にあったのでした、核内受容体LXRα、そそるなぁ。
なんでそそるかといえば、この核内受容体は長らくアルツハイマー創薬標的としても注目されているから。
アルツハイマー病でも神経炎症の作用は非常に注目されており、LXRアゴニスト処理により、モデルマウス等の改善効果がある、という論文も多い
ただし、この核内受容体はOxysterolをアゴニストとして、脂質代謝に関わるため、広範の臓器に影響がでてしまうというデメリットも持つ。
まぁ今回の報告はLXRαの失活が異常な炎症反応を招き、神経変性(に近い症状)を誘導する、ってことを示唆していると言え、他の神経変性疾患の鍵となる現象なのかもしれない。

さて炎症は複雑な作用である、そういえば皆働く細胞は読んだか?あれは免疫を学ぶには良い漫画である。
なにを言いたいのかよくわからぬ、眠い。
炎症反応が途切れることもADの側面かもしれない、そんな話がPNASに。
ADモデルや患者では、インターロイキン33のシグナルの低下が起こっているそうな、IL33をさらに減らせば認知機能が悪くなり、Injectionすると、良くなる。
インターロイキンと一口に言っても、作用はそれぞれで、IL33はアラーミンとよばれるカテゴリーに属し、免疫系細胞が創傷部・感染部に運ばれてくるのに関与しているとのこと、MBLのサイトをみたらざっくりはわかる。
つまりPNASの論文の場合、免疫を賦活化するのである、さてややこしい。
脳内にIL33が多いってのが鍵なんではあろう。
一方で気管支喘息その他に大きく関わってそうな因子なので、使い勝手の良い創薬ターゲットとはならないかもしれない。