へのへの先生仮免中

やっぱ教授になるまで仮免中で行きます(なれるのか)、神経系の研究がメインです

韮か菫かみたいな話・学生が書く季節・記憶の固定は一方通行ではない(でいいのか)・EPSはもっと万能幹細胞

歩きながら読んでいて、思わず吹き出してしまった
よく水仙が間違われて、食中毒の原因になるのは有名。

科研費が決まると次は学振の季節である。
学生たちが論文を投稿しーの、書類をかきーのと忙しい。
昔は、というか今でもそういう傾向があるんだけど、書類書くのが大嫌いでいけなかったけど、要はノウハウの習得なのかなと思う。
自分が学生の頃に描いたものはひどいものだろうけど、最近の学生はハウツー本やこんなサイトのおかげか、まとまった書類をかけるらしい。
違いをつけるのはやはり業績、論文は出したいところ。
色々な引出しを考えて、学生に実験をやってもらわねばならないなぁと思うのであった。

論文を読んでると何でもやりたくなってしまってどうもいけない。
実際のところ、得意分野で業績あげながら、野心的なところ一つ挑戦するくらいが関の山なのが現実的なんだろう。
是非やってみたかったので幹細胞の分化系の実験を、奨励金の計画の中に入れてみたけど、どうも軽い、軽い、軽い。吹けば飛ぶんじゃないか、畜生。
このテーマを明らかにするには絶対これやらないとダメなんだ、という覚悟が足りん気がする。
肝心なのは技術じゃなくてテーマなんだけど、どうもその辺の認識がどうも悪い気がする。
わたしゃ軽いアスペルガーなんじゃないか、ああ、かくて余の世はわかりにくく渡りにくいのである。
まぁなんでも知るということは実は面白くて、仮説を立て、その後の展開を予測するのは本能のようなものである。

サイエンス話、またT教授がサイエンスに記憶のお話を載せている。衰えをしりませぬな。
字面だけ見ると、まぁそりゃそうなんじゃね?とか思ってしまった私は、脳科学者としてはアマチュア
かなり大雑把に解釈すると、まず前提として、海馬が記憶をつかさどるが、それは大脳皮質に転送されて、記憶が固定化される、という、いわば一方通行な流れで起こると考えられていた。
ところが、どうも記憶をつかさどる海馬、、大脳皮質、偏桃体の三つの部位(少なくとも)のエングラム細胞が実は早い段階でどれも活性化しており、海馬のエングラム細胞は大脳皮質におけるエングラム細胞の活性化(成熟)を促進し、そののち不活性化されるという切り替えが重要との事。
旧来の考えかたとの違いとしては、一方通行的にシグナルが伝わるのではなく、部位ごとの細胞の相互作用が影響するとの事。
だと思うのであった!

さて、この論文は読んでみたい。
ちょっとSTAP細胞を思い出すけど、化学的環境の調整により、今までになかった性質を持つ幹細胞ができたとか。
万能幹細胞はうまく機能するとマウスの胚に打ち込むと胚に広がっていき、それぞれの臓器などに分化していく(pluripotent)
移植のため、臓器を作らせるためには便利な手法なのだが、じつは分化環境としてはそれでは不十分で、胚以外の組織、胎盤などにも広がる能力がある幹細胞(Totipotent cell)というものが望ましいらしい。
一方でその分化(胚なのか、胚以外なのか)というCheckpointはかなりの早期に起こる現象で、これまでのStemcellではTotipotentな細胞は得られていなかった。
今回Totipotentな性質を持つ細胞を化学的環境下で作成することに成功したとの事。
具体例がないとわからないけど、よくノックアウトで思った通りの表現型が出ないとき、じつは胎盤等の細胞から補給されていたためであった?みたいな説明がつくのだろうか?