へのへの先生仮免中

やっぱ教授になるまで仮免中で行きます(なれるのか)、神経系の研究がメインです

精製抗体を作るほうが安いかも・MDPIでの誘い、一人ではやりたくない:ApoE2はガンマセクレターゼのAPP切断を抑制する?やや腑に落ちない・・・

頭痛いなぁ。

 

コスモ・バイオで精製抗体を作ったけど、なかなかいい抗体であった。

10万円で作れると、もう自分でつくろうとは思わんな。

色々昔できなかったことが、簡単にできるようになってきたけど、そういう世界は資金力がある人がつよい、ということかもしれない。

 

MDPIからゲストエディターやらない?というお誘いが来た。

まぁ半年に一回くらい来てる気がする

一回くらい経験でやってみてもいいかなぁという自分もいるが、うーん後輩でも巻き込めないかなぁ、一人でやるのめんどくさい。

二本タダで出せて、10本論文集めたらもう1本ただになるらしい。

10本は無理じゃて

自分もレビューくらいなら書いてもいいけど、まだ本気論文をMDPIで出すのは躊躇するなぁ、まだ残っているなけなしの掃いて捨てるようなプライドではあるが。

あの査読のゆるさを見ると、どうもね。

 

NeuronにApoEがガンマセクレターゼ活性を阻害する、という論文がでてたので、うそだろ、とか思って読んだ。

www.cell.com

結構クサそうと思って読んでたんだけど、それなりにデータの整合性はあって文句つけにくいわ、この論文。

固定観念、概念的には受け付けないところがあるんだけど、まぁそれに引きずられるのも悪い癖か。

基本ApoEはグリア細胞から発現されると言われているが、神経細胞にもある程度発現するとのこと。

神経細胞発現性のApoEのC末端部分におそらくAPPとガンマセクレターゼと結合するサイトが有り、そのサイトが露出するApoE2が非常に強くガンマセクレターゼ活性を抑制し、Aβ産生が抑制される。

Notch、APLIP1などの他のガンマセクレターゼ基質には影響しない。

マウスのApoEをノックダウンすると、Aβは増加する。

APoEのC末端部分をウイルスで神経に発現させると、モデルマウス脳のアミロイド沈着が低下する。

こんなところか

整合性はあるんだけど、手技的には一過性発現が多くて、アーテフィシアル。

僕が同じデータで出したらはねられる自信があるな

vivoの結果は筆者らのvitroのデータを反映してるかについて、結論が出ないような玉虫色の解析をしているように思った。

動物のAPP-CTFを見れば、一目瞭然な気がするのだが、vivoは筆者の言うのと別の系が動いていても説明できる気がするな。

最大の疑問点は多分細胞質にあるApoEは一体どこからAPPやγセクレターゼと結合するの?というところ。

グラフィカルアブストラクト見ると細胞外から相互作用しているようにみえるけど、筆者らの実験系から真面目に考えると、細胞質から結合しないとおかしいんじゃないか。

そして細胞質から結合していると考えると、APP特異性を考えるのが難しくなる。

なぜならAPLP1とAPPはかなり似た細胞質ドメインを持っているのだから。

細胞質側からγセクレターゼやAPPを切断を制御すると言われているタンパク質は無いではないが、GSAPとか他のグループが再現を取れないものも多い。

Lumenから相互作用してもいいのかもしれないけど、アストロサイト由来の外来性ApoEは機能しないらしいしなぁ。

データはまぁ揃ってるんだけど、なんか理屈にガッチリはまらず、腑に落ちない所も多い。

でも神経細胞のApoE機能として、なんらかのAβ産生系への影響はありそうに思った。

筆者の思ってるような機構じゃないんじゃないかな