へのへの先生仮免中

やっぱ教授になるまで仮免中で行きます(なれるのか)、神経系の研究がメインです

雨は無情に・レストラン漫画・免疫共沈にふける(老ける?)・抗アミロイドβ受動免疫療法の安全性と抗体産生効果が確認された・ラットが立った-(真面目やで)・Sarm1は神経損傷の新たなターゲット

夜走ろうかなぁと外に出たら、雨。
あららぁ、そろそろ梅雨かな。
梅雨でもできる運動しないと。
バドミントンサークル無いかしら。

結構惰性で読んでいるつもりだったけど、最後のレストランという漫画、結構面白い
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原作尽きのコンシエルジュという作品がとても面白いのですが、一人で書いてる漫画も結構いけます。
まぁすごく良いかと言われると、うーん、説教臭いかなぁと思わんでも無いです。でも安心して読めるかな

最近必死で免疫共沈降実験をしているのだけど、IgGのバックグラウンドが激しい。
見たいのが50キロダルトン、IgGのバックまさにそこ。
ただ落ち着いて考えれば、ProteinA-HRPかNativeな構造しか認識しないIgG認識抗体を使えばよいのであった。リプローブすると構造が崩れるのか、バックは弱くなるし
一本くらいそんな物が落ちているか、来週探してみよう。

調べてみると最近色々出ているみたいだ
①ピアスのNative IgG認識抗体
動物種を選ばないのが使いやすそう。
ただサブタイプには癖があって、マウスIgG1を認識出来ないのは痛い。
結構IgG1のモノクロは多いからなぁ
Sigmaもだしてるな
③日本ジーンのアプタマーHRPは変わっててコンセプトが面白い
でも分解はされないのかな?(アプタマーは核酸構造です、角さんじゃないよ)
日本ジーン、やすいな、でも20回分か。
ちなみに日本ジーンいっつも思い出すのは、同期のT内さんに、日本ジーンから試薬を買うと言う話をしたら、彼女の笑いが止まらなくなって(゚ペ)?ってかおをしてたら、「もーニッポンジーンがニッポンジンにジーン商品をうってんだよ!」とかいって、ノリが悪いな-とばかりにはたかれた記憶があります。
オヤジめ。もう15年くらい前の話かー
そう言えば再来週久しぶりに会うのでその話もしてみようかな
しかし、Triton0.5%に加え、SDSを0.25%加えてもまた共沈される物達、深い愛を感じる。ドロドロ
というか共沈しない条件はなんやろ、SDSを増やして室温でインキュベートしてみるかなぁ。
メルカプト入れても良いけど、たぶんIP自体できん用になるしなぁ

ちょっと騙された気分になったニュース

って題名のニュース見たら、おう、アルツハイマー直ったのか!とちょっと誤解してしまった。
この治験はCAD106という抗原を用いて、患者自身にアミロイドβの抗体を作らせようという試みですな

近年(といっても遠い過去になりつつあるが・・・)動物実験モデルで、アミロイドβに対する抗体を投与、もしくはパッシブに抗体を作らせた場合、脳内のアミロイド沈着が大きく減少するという成果が発表されました。
現状ではその機構として仮説があげられており
○抗体に認識された事により、脳から末梢側にアミロイドβを引き抜き脳内量を減らすという説(引き抜き仮説)
ミクログリア等が抗体に認識されたアミロイドβをぱくぱく食べていく、貪食仮説
アミロイドβの重合を抑制し、そのことによりクリアランスを高めるという仮説
ぐらいがあり、実際にはまだ完全に決着は付いていないです。
まあ僕は重合抑制派、だって横で見てたしなぁ
でもミクログリアも少しはあるんじゃないかな、シンク仮説うーんどうかなでも捨てきれない所もある(日和見

この成果を発表したELANが中心となって、より凝集性の高いアミロイドβを抗原とした治験により、臨床応用が可能か検討が進められましたが、かなり顕著な髄膜脳炎が引き起こされたため、途中で中止となりました。
いまでもその説が有利かわからないですが、アジュバンド(免疫の活性化剤)の選択が悪く、過剰な自己免疫反応が起こってしまったと言われています。
ただアミロイドβ自体の蓄積はコンセプト通り減少していたことがわかっており、治療原理自体は支持される部分がありました
(ちょっとぼかした言い方ですが、アミロイド仮説が正しいかという大命題に関わるですよ)
その後ヒト化したアミロイドβ抗体bapineuzumab )を用いた治験が進みましたが、これも2008年、患者群、特にAPOE4というアルツハイマー病リスクアレルをもつ患者に対し、血管浮腫や脳内浮腫が起こることが報告されています。認知機能についても効果は有意では無いようです。
この副作用については、仮説としては、脳内、血管に強く凝集していたアミロイドβが急になくなることにより、弱くなった血管壁等から出血が起こりやすくなるためではないかとのがあります。
そういったことから、よりマイルドに抗体産生を起こさせるような療法が有望なのでは無いかと考えられています
超前置き長いんですが
まぁいい、だれもついてこれなくても良いんだ・・・一人には慣れているし。
どうせ知ってるヒトしか読まないさ

えーと何の話だっけ?ああ、CAD106うーんもう力尽きたな。明日にしようかな。
CAD106というのは凝集したアミロイドβを打ち込むと言うやや激しい状態を避け(だって病因物質ですからねぇ)、アミロイドβのN末端部分を繰り返してくっつけた抗原を使いました。
狙いとしては抗原自体はほぼ無害で、また凝集状態を模倣(N末端が近距離にウジャウジャ?)することにより、より凝集性の高いアミロイドβ(オリゴマーとか)に対する抗体を産生するようなデザイン(だったと思います、結構うろ覚えで書いてるんですが大丈夫かへのへの、一応このブログフィクションって書いておこうかな)

さて、まぁ本題としては、じつは認知症が治った!と言うニュースではなく、患者さんに投与して、重篤な副作用もでず,安全性が確認され、また抗体をちゃんと作っているよというコンセプト確認ができたということ
この手の病気は臨床の第II相は安全性やコンセプトの確認が主要な目標になるので、確かに目標は達成されたので、Trialが成功というのは間違いではない。
まぁ実際認知症の症状が治るか!といいうのはアミロイドβ仮説の根幹に関わる大きな問題なので注目されるところだが、Winblad博士の次の論文をお待ち下さい(つまり第III相ね)ということかな

つかれたー
そう言えばクララが立った-くらいの癒しビデオがあったような
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わははーしあわせはー歩いてこないーだーから歩いて行くんだよ-♪
なんか真面目な研究でサイエンスにのった論文なんだけど、演者のフランスなまり(多分)、と二足歩行するラットの一生懸命さ、それを周りで支える研究者(ガンバレーとかいってるけど良いのか?)
ここから真面目にかたれば、これはすごく意味のある研究
シビアな脊髄損傷をうけたラットにたいし、損傷部にモノアミンなどの神経伝達物質を投与し、さらに電極で電気刺激を与えることにより、局所の神経を活性化させ、また、ロボット化したサポーターに身を包んだラットに二足歩行を機械的にさせ(負荷はかからない)、運動行動をシュミレートさせていると、脳がちゃんと動きを認識して神経をつなげて新たなネットワークを作ろうとしてくれるわけ。
まぁクララが立った-というシチュエーション(椅子に座ってないで歩きやがれとピーターの)
良いんだけど、齧歯類の神経はつながりやすいので、モデルとしてどうかなぁと言うことは昔から言われているはず。せきそんに効きそうというターゲットは多々あれど、いまだ晴朗なれど波高し、ん?まぁヒトで再現できないですよ
人間で試す前に、よりヒトに近いモデルで試す必要が有るだろうな-

サイエンスに神経再生で大きな論文
これは前々からこんなの有るのかな-と思っていた分子が見つかったという話
障害をうけて断線した神経細胞の軸索、しゅくしゅくと縮退(Wallerian degenerationと言う)していく、この過程は神経再生において大きな障害になっている(伸ばしてもう一度つなげたいので)。
さてWallerian degenerationの言葉の元になった変異があって、この変異があるとAxonの縮退は起こらないことから、なんらかの縮退を促す機構があることが考えられてきた。
筆者らはショウジョウバエを用いたスクリーニングにより、Toll receptor adaptorであるdSarmを発見、またノックアウトマウスでは神経障害によってWallerian degenerationが起こらないことを示している。
ちょっと本文見切れてないので、分子機構がどれだけわかったか不明だが、これまでAxonをどう伸ばすか?ということを、神経損傷や、ALSなどの末梢神経系の病気では治療ストラテジーとして考えていたのだが、Axonを守るというストラテジーも考えられ、かなり枠が広がった印象がある。
このパスウエイの上流、下流も注目していくべきだろう。
脊髄損傷もそうだが、ALS等への関与も面白い所だと思う。
思うけどもう眠いの。お休みなさい・・・