へのへの先生仮免中

やっぱ教授になるまで仮免中で行きます(なれるのか)、神経系の研究がメインです

RNA modificationしますか?・人員は補給されました猫の手より頼りになります?・勉強なんて気楽に楽しむものさと授業で言えますか?

義理と人情?であまり興味のなかったRNA修飾の論文を何本か読んだら、なかなか面白い分野で色々アイデアを考えたりした。

ゆうて新しい分野に乗り出すにはかなり頭が固くなっている気はするな。

あとすっごくファジーな領域な気がした

個別の増減を見るのではなく、ある程度群体のmRNAを見ていかないと現象に結びつけるのはつらそうだ。

何が新しいのか、そこの把握ができないのが新参の欠点。

年寄研究者としては、自分がやってる分子や手法に引っかかるように考えるしかない。

そこで引っかかってこないようなところはもう切り捨てないと、時間とコストのやりくりが難しくなる・・・

 

めでたく?もうひとり弟子が増える事になり、色々卒業まで何できるかなぁと考える。

ちょっと落ち着きがなさそうだが、まぁ僕が研究はじめたときなんてかなりひどかったから、それよりマシなんだから落ち着けよと言っておいた。

最初に書いたProgress reportなんか出てきたら、まぁ穴に入って10年くらいこもるな。

人数は正直もっとほしいけど、ほしいならもっと良い資金稼ぎをせねばならん。

 

同僚の先生と話していて、むしろ今の学生は先生方が脅しすぎて、勉強に対して萎縮しているんじゃないかなぁという話題が出てきた。

ああ、それはなるほどそうかもなぁと思って、ちょっと反省した。

キミらならできるってもうちょっとプロモートするやり方のほうがいいだろうし、そのほうが楽しい授業ができそうだ。

ただ、僕が教え始めるときにはもう入学して3年(それ以上もいるわけだが)、なんか勉強なんてできないだろ、って斜に構えた学生は強固に勉強が嫌いになっていて、なかなか手ごわい。

理系の人間は勉強が好きだと、人生楽しいんだけどな。

とあまり勉強が好きでない私がいってもだめか。

 

 

論文を読むアプリは?

論文を読むのにはPDFViewerを使うのだが、CellとかSupplementaryの多い雑誌になると、2つ同時に開いて切り替え等、ちょっと面倒である。

図などが文章と近いところにない場合もあり、何回も行きつ戻りつするので、こういう場合は上で印刷するほうが読みやすかったりもする

しかし、一回しか読まない論文も多く、印刷する無駄は感じる。

iPAD proくらい広い画面をもつガジェットを持っていると、Liquid textが結構特徴的で使いやすい。癖があるけど。

最近Windows版もでたので使ってみる、基本的にはTouchパネルを前提にしているのでデスクトップでは使いにくいところもあるけど、やはり論文読みにはかなり良いソフトウエアである。

www.microsoft.com

使い方としては

  • SupplementaryのFigureを切り貼りして、本文のファイルの記述の横のキャンバス等において、文章を参照しながら見ることが可能。
  • コメントをつくって、本文とつなげると、ワンタッチで移動することが可能
  • Cloud fileと関連付けることができ、Box.net、Evernote、Onedrive等のファイルをプログラム上で開くことが可能、つまり、PCが変わっても同じファイルをみて編集することができる

www.youtube.com

使い方はこちらがわかりやすかった。

 

 

査読者は査読に悩むか・新しいEIF2aキナーゼMARK2は神経変性疾患のキーレギュレーターなのか?

うーん、論文の査読はもうちょっと穏やかにやろうと思った。

いまやってる論文の筆頭著者が査読に対してえらく攻撃的で、げんなりしてしまった。

まぁそこまで的外れなことは言ってなかったと思うけど、Discussionがデータに対して過剰じゃね?という指摘が琴線に触れてしまったらしい。

データに対する考察があれば、好きなことを書いてもいいっちゃいい。

別に査読者は編集者じゃない事を忘れてはいけない。

でも引用数が100超えてるしなぁ、このデータでここまで書く著者はちょっとなぁ。

レビュアーに攻撃的に出て良いことってあるのかな。

 

MARK2というEIF2aの新しいキナーゼの話をつらつら読んでいた。

journals.plos.org

細胞というのは色々なストレス下でタンパク質合成を停止して、細胞活動の負荷を減らすことによりストレスを乗り切る、もしくは細胞死を起こして細胞を切り捨てようとする。

これは翻訳開始のキーレギュレーターであるEIF2aがリン酸化されることによる不活化がキーとなっている。

このEIF2aをリン酸化するキナーゼはこれまでに4種類知られている

  • PERK:未成熟のUnfolded proteinの小胞体への蓄積により活性化される(いわゆるER stress)
  • GCN2:アミノ酸不足や紫外線不足で活性化される
  • PKR:ウイルス感染などにより活性化される。ちなみに哺乳類などで、長いdsRNA(ウイルスもこの構造を持つ場合がある)を細胞に導入すると細胞死が起こるのはこのメカニズムで、この影響を回避するためにsiRNA(21merのdsRNA)が開発されたのがRNA interferenceの端緒である
  • HRI:ヘム鉄の欠乏により活性化される。

今回は5番目の因子としてMARK2が同定されたということらしい。

おお、なんか太陽系9番目の惑星(冥王星は欠番になっちゃたしなぁ)が見つかったくらいの感覚。

ほんまかいなとは思ったが、もうちょい細胞死への因果関係などがあるとNatureでもよさそうだけど、まぁ足りなかったか?

MARK2は多くの神経変性疾患で活性化されており、タウのリン酸化に関わるという論文も見つけた。

https://pubs.acs.org/doi/10.1021/bi401266n

どちらかというとMIsfoldingタンパク質が存在すると活性化される酵素、ということみたい。

MIsfolding→HSP90の活性化→PKCδ活性化→MARK2活性化というながれ

PERKとの違いはERでなく、細胞質でのタンパク質凝集シグナルの関与という棲み分けなのかな。

今回は家族性ALSの一つSOD1変異体、これがMIsfoldingな状態を取りやすいのだが、その状態を感知する事により、EIF2aの不活化につながり、神経細胞死につながる(と考えている)ようだ。

スキッとしてて面白い論文だった。

個人的にはNatureとかでも良さそうな気がするけど、生理的重要性はいまいち示せてないのかも。

大腸菌使いはコストを考えてみる・謎のTransfection試薬がEbayで

大腸菌培養に使う試薬が結構高いので代用できるかと調べてみた。

ブランドはDIFCOなんだが、

Yeast extract(500g):18000円

 →ナカライ:11000円

 →Wako (Solabia Biokar Diagnostics):8000

 →極東製薬工業:7000円

Tryptone(500g):13000円

 →ナカライ:8500円

 →Wako:9000円

Agar Bactro:31500円

 →ナカライ:10000

 →伊那食品工業培地用寒天:7800円

 →林純薬:7000円

大腸菌はちょっと組成が変でも増えると思うんだよね。

うまくやると全部で30000円くらいは節約できそう。

Amazonで買えないかと思ったけど、試薬と名前が付くと全部代理店経由じゃないと買えない。

オウムXX教め。

 

まぁこの時期になると試薬を買うお金は無くなって、いろいろ謎の手段で購入できないか考えてしまう。

冗談でEbayでTransfectionと探したら、謎のGeneexpressoMaxという試薬が絶賛発売中であった。

安いけど、怪しいよなぁ。

韓国の企業とかを駆使すると、ある程度買えそうなものはあったりするけど、いかんせん税関書類がありそうでめんどい。

 

 

 

 

 

 

日記をたまには

最近、読む漫画もなくなってきて、Lineに手を出している。

ザ・ボクサーがかなり面白い。

https://manga.line.me/product/periodic?id=Z0000747

天才って見たことあるけど、理解できないそこの見えない怖さがある。

天才自身も才能を持て余すことがあるのかもしれんなぁとページを捲る手がとまらなかった。つまり課金。

嫌味をいえばはじめの一歩よりサクサクストーリーが進むから、痛快。

 

いろいろアプリで漫画を読むようになった。

韓国ロマンス漫画は(日本作家でもそうか)序盤が全部交通事故で異世界へ転生というお決まりがあって、まぁ雑雑雑

けど、結構中盤まではワクワクして読めておもしろい、ドラマチックな展開は日本の作家よりうまい気がする。

ただ中盤から終盤にかけて、なんかカップルがまとまってからの話からだるくなって読まなくなった話が多い、まぁWeb漫画ってそんなものなのかもしれん。

最近はこれがお気に入り、展開が読めない。

piccoma.com

 

修論も終わり、一年が過ぎたなぁという所まで来た。

弟子はよく頑張ったとおもう。

修論聞いていると、なんか他の先生方の研究に比べて私はどうなんだろう、そんな悩みにはくれる。

やってることが面白くないとは思わないけど、わざわざ遠回りをしている、そんなストラテジーがいかん、生き物を使わない研究者はあかん。

そんなことを思いながら、別に困らせてやろうと思っているわけでもないのだけど、割と質問魔で疑問に思ったことは聞かずにはいられない。

お前の研究なんとかしろよとか思われてそうだなぁ。

 

勉強しようと口に出すばっかりなので、とにかく問題集を1つ片付けようと思う。

実務は難しいけど、それなりに方向性は見えてきた、のか。

これまでに試験に出てきてないようなところを埋められるかだなぁ。

屍ではないが、超えていかれた・副査をやります・昔の日記はそれでも若かった。

色々苦しんでる、うむむ。

人生は試されるのだ

 

まぁ毎回単位の出し方には悩むところがある。

年々改善して、成績自体は上がるんだけど、中々再試験組が減らない、この無力感。

再々試験をむしろ難しくして、補講で知識を補う形にしたら、まぁなかなか見られる答案を書いてきたので、今年も落単自体は少ないという結果に。

 

チョロいと思われていそうな気もする、学生のモチベーションに任せ厳しくした方が大学らしいのだろうが。

何だかんだ方向性を持たせれば勉強してくる学生もいるから、どうも見捨てられん。

 

この時期になると修士の副査という仕事もやってくる。

良く知らなかったことがわかったりして、結構好きだけど、なかなか優しくない所がばれて、年々減ってきている。

博士後期の副査も自分の研究室以外があまりいなくなってきた。

なかなか博士まで取ろうという学生は地方大では得難い存在である。

来年は二人博士課程後期を抱えるという(最後の?)幸せを甘受するのだ。

 

シカゴ日記の面白い所だけ抜き出してリバイバルしようかなぁと読んでみたけど、なんか最後の方はなかなかに気持ち悪いのりで、そっ閉じ。

大人になったとも思わんけど、若さはあったんだろう、気性の浮き沈みが激しすぎる。

ゆうて、二週回って、愛は素晴らしく、努力は美しいと思うようになった、中二病か。

はるか遠くに輝くものになりつつあるんだろうか。

単位を取りたくば俺を乗り越えていけ・そのスライド道交法違反です・面白いと思っている分野は面白く語ってほしい・Frontierの査読をするという事

僕の科目は実は簡単な方だと思うんだけどな。

再試験まで終わったが、なかなかの人数残る。 

これくらいは残しても良いのだろうけど。

補講を聞いて科目が好きになりました、って言ってもらった事があって、まぁなかなかそういうことはないってわかっているんだけど、補講はやることにした。

基本教科に興味がない子たちなんだろうとはもちろん思うが、砂浜にダイアモンドだってたまにあるのを知っている。

くだらないと言って、砂浜を見ることをやめることができるだろうか?

目に見える不真面目さも、もし、その教科を面白く見せることが出来たら変えることもできるんじゃないだろうか。

と、一応思う事にしている。

きれいごとはいつだって美しくて愛せる、そうでないものはまぁ苦笑いして終わり。

わからない人にどう教えるのか?というのを考えると、結構その後の授業改善にも活きる考え方が出てきたりする所もある。

なんだかんだ、わかりません(涙)、わかりそう(?)、わかった!という顔をみるのはなかなか楽しいことである。

 

弟子の修論がだいぶ大詰めに近づいてきた。

僕もそうだったけど、追い込むほど、なぜか使えるデータが絞り出されてくる。

まぁいつもは失敗したらもう一回!って考えてるけど、その余裕がいかんのだろう。

ひとは鍛えたら本当に成長するなぁ、とおもうくらい、大したDiscussionを持ってきて感動した、ワシが育てた(涙)

僕は先輩に頭はたかれたけど。

修論コピーアンドペースト(Cntl+C,Ctrl+V)を覚えた悪い私がいる。

僕は超頭悪かったからなぁ、研究の強運だけで生きてきたわ。

修論のおかげでかなり論文の構成が見えてきたのでサクサク(?)書き始めた。

あんまりプレゼンテーションマスターでもないけど、今日は何を指導したかなぁ。

  • データは話す内容にそって上から下に、左から右に置くようにすること
  • フォントはできるだけ大きく、しかし、スライドの中で変化をつけないこと。
  • 系のValidationとなるデータを先に話して、キーとなる結果はできるだけ最後に
  • キーとなる結果を用い、次のスライドにつながりやすくなる疑問の投げかけ等すること、これは話し手にとってもリズムが取れるやり方である。
  • まったく話題が変わる時、時間が許せば小括を入れること
  • スライドの中に長い文章をいれないこと(見ている人が文字だけを追うようになり、話されている内容に集中できなくなる)
  • 文書を入れるなら、強調したい文字の色を変えるなど、特に把握させたい情報のメリハリをつけること、なんにでも色を付ければいいというものでもない

まぁ字で書くとちょっとうざいな。

 

博士課程後期の方の弟子の卒業後にやりたいこと、という分野の話を聞いてるのだけど、すぐ網羅的な解析をして~候補を同定して~ていう表現が出てきて、うーん。

僕も網羅的な解析は好きだ、やると科研費にも書いている。

ただやるんだったらこりっこりに、ああ、このアイデア、もしくは技術は面白いですねといわせないと。

妥当性があるかわからないから患者サンプルを使ってどうの、とか、新しければ治療法につながらなくても良いとか、そんな気持ちで研究ってするものかなぁ

病気に関与しているという信念→治療(の糸口)に結び付けてみせるという執念、それが研究じゃないのかなぁ

世の中にはそれこそ絨毯爆撃のような研究もあるのは知っているし、それで出てくるデータもある。

でもなんか自分の弟子がそういう、あんまり頭使ってない話を持ってくると、ぴんしゃん突っぱねてしまう所はある、古い人間なのかなぁ。

もっともっと分子論から勉強してよ、と偉そうなことを言ったりした。

あんまり突っぱねているのも何なので、分野の論文を1つ読むことにした。

よんでたらちょっと面白く思った自分もいる

俺だったら、まず独自のツールを作る所から始めるけどなぁ

1つ2つアイデアはでてきたけど、教えるくらいなら自分でやるなー

 

Frontierという雑誌社の査読をしている。

ちゃんと査読お願い、10日で返してねという、

死ねやといいたくなる査読者搾取システムである

透明性を高めるとかなんかで、めんどくさいシステム。

あと自分の名前が査読者として乗るのは気が重い。

上で話題にしたような、ちょっと頭を使っていないけどやってみましたー系の論文で、めちゃくちゃ嫌いなので投げたい・・・