へのへの先生仮免中

やっぱ教授になるまで仮免中で行きます(なれるのか)、神経系の研究がメインです

体調が悪いのはなぜだ・ファンタジーの旗手たち・共局在PCCで比較できる?

正月休んでリフレッシュとか言ってたら、気が緩んだのかこの一週間あまり調子が良くなかった。
謎の腹痛
低気圧が来ては頭痛に悩まされ、今日は喉が痛いやらぎっくり腰がでるやら。
まぁ休み過ぎも良くないですね。
自分で思ってることとやってることが一致してないことがあったので、そのせいかもしれません。

パラパラとめくった程度ですが、童話作家で、「精霊の護り人」とか「獣の奏者」などを書いた上橋菜穂子さんの随筆とか面白そうだったので母に送りました
「物語ること、生きること」
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この人のお話は、どうも文章が苦手で長らく読んでなかったのですが、アメリカで配信されてたアニメをみたら、えらく面白かったです。ファンというと怒られそうやな。
たしか民俗学を研究されていて、異世界のディテールが細かいのが特徴です。
なかなか一筋縄ではいかないストーリー展開が持ち味でしょうか。
色々勉強したことってのは無駄になるばかりじゃないなと思います。
科学を勉強して作家になったヒトも居ますから、物語も書いてみたいものです。

手を出しかねて迷ってるのですが、もう一人、日本人作家でファンタジーのうまい人を上げれば荻原規子を上げたいのですが(あさのあつこじゃないなぁ)、彼女が紫の上の視点で源氏物語をかいている、紫の結びという本が面白そうで、一ヶ月くらい買うか迷ってます。
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源氏がなぁ、今いたら捕まりそうだよなぁ・・・

さて共局在第二夜、もうやめよかなぁ。
昨日2つの蛍光強度について散布図を書いて、相関するのか視覚的に観察する方法をかきましたが、細胞内のシグナルの変化により、この共局在が大きく変化する様子を観察することができます
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さて上段の蛍光画像は、Oregon-redという色素と結合したIgAと、Alexa488(緑蛍光)を結合したトランスフェリンをふりかけたMDCK細胞をしめしたものです、2つ同じ写真があるのはうまく視点をずらせば三次元的に見えるってあれです、僕出来たこと無いんだけど。二次元の人間なんや(なんか意味が違うけどあってる)
さてAの写真でわかるように、IgAとTransferinあまり局在一致しないですが、Scattered plot(B)をかいても、相関ありそうにないず図になってます。これはIgAとTfはエンドサイトーシス後、独立したエンドソームに輸送される事を示しています。
ところが同じ細胞でもBreferdineAという試薬を加えたものを比べますと、脅威の一致になります(C)。
このからくりはBFAという試薬は色々な小胞輸送を阻害するんですが、エンドソームの場合(色々種類あるんですが)凝集、融合してしまうためIgAとTransferinが共局在するということになります。

さて昨日2つの蛍光強度のCorrelationをどうやって出すかというのをやりましたが、一致の指標としてはピアソンの積率相関係数(Pearson's correlation coefficient:PCC)という数値をよく使えます。
なにそれ食えるの?
数学・統計といえば思い出します(思い出すなよ)、かって大学院入試のみぎり、数学の過去問をもって同期のTさんが「ヘノ君ときかたわかる~?」と持ってきたもんで、若い私は笑って(心で泣いて)、頑張ってときました。
次の日「S木くんに聞いたら、への君間違ってたよ~」とのたもうたものでした、数学なんて何の役に立つんだ。
ちなみにS木君、とTさん付き合うことになったのでした。
そうヘノヘノ、そばにいる人を引き立てる男!
自分で言ってて悲しくなってきた・・・もう寝よう


何の話だっけ、そうPCCね。
赤蛍光(R)と緑蛍光(G)の場合次の式で表されます
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う、蕁麻疹が。M下ー助けてー
まぁ式の意味までわからずとも、プラグインをうごかせばPCCは出すことができます。
この場合Riは各ピクセルの蛍光強度、上線RはR蛍光の全体の平均値となります。
感覚的にはRが強いPixelにGは同様に強いのか、回帰的にその相関を求めてる用な感じ。
完全一致なら1になるし、逆相関すると-1になります。
で、昨日、Mergeを比べたらだめな場合がある話が出てきたんですが、PCCを求める場合、それぞれの画像で、Piexelの蛍光を全体の平均値で引いた値と比べるので、GとRの蛍光強度がかなり違っても比較することが可能です。PCCの絶対値、もしくは平方はGとRにどのくらい相関があるか?というお話になります。
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昨日の図でいけばDは正の相関で、PCC(=0.944)の平方は約0.89となり、89%の相関がある(であってるか?)ことになります。
Hに関しては負の相関にも見えますが、Pixelのバラエティは広い、つまり、赤と緑が排他的(負の相関)にあるわけでもないわけです。
PCC(=-0.045)で平方は0.002となり、2%の相関しか無い、共局在でも排他的でも無くランダムといえる。

さてこのレビューの著者達はエンドサイトーシスパスウェイにいろいろな経路があることを研究しています。
いろいろな性質をもったエンドソームができてきて、最終的にはLysosomeになったり、膜に戻ったりといった輸送経路を制御します。
それぞれのエンドソームを特徴づけるのはRabといわれるタンパク質で、どの種類のRabが局在しているかでEndosomeの種類わけができます。
さてでは次の図でRab10とRab11それぞれが存在する小胞内にトランスフェリンが局在するかPCCで算出されています
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このようにRab10とは比較的高い相関を示します。
Rab11(Recycling endosomemarker:Endosomeから膜に帰っていく経路)、Rab10はSorting endosomeといって、エンドサイトーシスされた物質が待機して運搬を待つような待機場所だとでも思ってください。本当はMDCKって細胞に極性があって話は複雑なんですが、勘弁して。
Dは使っている系でRab10とRab11ちゃんと区別されているんだよっていう、確かめ算的な(ポジティブコントロール)ですね。
そしてかれらが実際見たいのはEで、Rab10に変異(Q68L)が入るとRab11と同じような局在になってしまうというところになります。
IgAはRab11と高い相関を示し、Rab10とはそうでもないですが、Q68L変異はRab11と同じような相関値、つまりRab11の方に局在を写した可能性が出て来るわけです(直接Rab11と比べないのは使える試薬の関係でしょう)
まぁこのように、PCCをつかって(有意差まで出してないけど)、2つのタンパク質の局在の程度を表す数値を算出し、グラフ化までできました。
ちなみに、かれらは、絶対ポジコン、ネガコンが必要という立場で、FでみせてるのはTfーTfと同じラベルを使ったものを比べれば当然PCC(は1に近くなるわけですが、一方の図を90度回転させてPCを出せば全く相関しなくなるわけで、そんなものをネガコンにしておりました。PCC算出の正当性を示すためのネガコンかと思います。

誰がためにこんな物書いているのか、まぁ一人で読むのつまらないんですよ、勘弁して。
さて実は今回は大体細胞がみんな同じ挙動を示すものについて比べたので簡単なんですが、じつは本当は細胞1個ごとに比べたほうが良い。
そんな話になるんじゃないかなぁとおもいます、まだまだ先は長い。