へのへの先生仮免中

やっぱ教授になるまで仮免中で行きます(なれるのか)、神経系の研究がメインです

良さげな仕事・求人は求心(未遂)・高カロリー食はALSの進行を遅らせるようだ・Lafora病神経にGlycogenが溜まる病気・RTEL1はトリプレットリピートを校正する機能がある

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なんだろう、この妙に説得力のある(?)ディテール。
ちょっと切ない気分になりました、ねこによろしく。

うぎゃーもう、本当嫌やわ。
多摩川の河川敷に穴を掘って王様の耳はロバの耳、って叫ぶわ。
JRECでも読むわ、ふふふ
(このへんで我に返ってしまう悲しい私、リケ男(?)事情はもっと辛いのです)

卒業するS木君と焼肉食いに行って来ましたが、ちょっと嫌なことがあってグチグチってしまいました。
まぁ蛍光免疫染色のお話とかもした。焼肉万歳
あああ、愚痴をいう自分は一番嫌いだけど、もうやってらんないなぁ

そういえばもどう言えばもないですが、気分転換しないとね
サイエンスネタで、ALSの患者には高カロリー食の方が病状の進行を遅らせるらしい、ってお話がありました。
Lancet、一流紙ですな
面白い、アルツハイマーでは高カロリー食は発症危険性を高めるという報告が多く、ちょうど逆になります。
ALSは運動神経が死滅していく病気ですが、筋肉、脂肪なども落ちていきどんどん体重減少が起こります。
ALS患者では代謝機能に異常が現れるケースが多く、実は高脂血症、糖尿病傾向であることが、ALSの生存性の重要な要素であることが報告されています。
ALSモデルマウスもHigh calorie dietで生存性が上がるそうです。
ALS患者は食べ物を食べにくくなる、というのも要因として考えられるみたいですが、ALSの発症と代謝機能というのは深くリンクしているのかもしれません。
ALSの病因因子は凝集しやすい性質がありますが、脂質がいっぱいある状態では、凝集が起こりにくく、ALSが進行しにくい?まぁそんな仮説も立てられるのかもしれません。
モデル動物に色々食べさせてスクリーニングしたら面白いターゲット見つかるかも。

そういうネタにホウホウと頷いていると、似たような話題にぶつかるもので、ミオクローヌス癲癇を引き起こす先天性の病気の一つLafora disease(LD)という病気にいてGlycogenの蓄積が神経細胞死のキーとなるというニュースをつらつら読んでました。
Lafora diseaseはLaforinとmalinという遺伝子に変異がある劣性遺伝形式をとる遺伝病だそうです。
LaforinはGlucan phosphate、MalinはE3ユビキチンリガーゼでそのノックアウトによりGlycogen synthesisに異常、そして、患者さんにはLafore小体というGlycogenの集積した異常沈着物ができるとのこと。
まぁ実は神経細胞の栄養状態ってそんなにわかっていないです、自分でコレステロール作るの?エネルギーの源であるグリコーゲンどうなってるの?蛋白と違ってなかなかプローブがない。
全然読んでないのでなんですが、Human molecular geneticsに掲載された論文では、モデルマウスでLDのようにGlycogenが神経に蓄積することで、神経細胞死やシナプス異常がおこるとのこと。
また別の論文では、神経ではGlycogenの分解機能があり、Glycogenの恒常性を保つ機構が有りそうです。
こちらは栄養が溜まりすぎても駄目なお話、でも孤発性は無さそうだから、食事の影響ということではないか。
病気の話を面白いというのはいつも不謹慎だなぁと思うのですが、遺伝子機能を想像するのは好きなので、レアな病気はやはり魅力的です。
熱意が治療につながれば許されるんだけどな。

そういやぁ随分前に読んで忘れてましたがCell reportにトリプレットリピート病の治療ターゲットになりそうな話が載っていました。
トリプレット病は、遺伝子配列中に3塩基の繰り返し配列が子孫でドンドン増幅されていき、神経変性に至る病気で、色々な遺伝子にトリプレットが増幅されることが報告されています。
RTEL1というヘリケース活性をもつタンパク質は、トリプレット構造を認識して、校正する働きがある様です。
いつトリプレット病治療の話が出て来るんだろう、ワクワクって読んでいたら、硬派な分子論論文で、ほとんど治療がどうとか書いてありませんでした。漢や、まぁこういう論文も評価されないとあかん。
ということで、RTEL1が実際治療標的なのか、病気の原因となるのか?という所は謎なんですが、謎で残してくれるなら研究者がやることが残ってるということかなあ。