へのへの先生仮免中

やっぱ教授になるまで仮免中で行きます(なれるのか)、神経系の研究がメインです

歴史とアニメろ・10時を超えると手が震えます・Notchシグナルと肥満ー糖尿病

超どうでもいいんですけど猫ネタには弱いです

最近録画して歴史秘話ヒストリアを見るようになりました。
細かいトリビアが、好奇心をくすぐります。
与謝蕪村はなかなかに良かった、晩成晩婚やったし。人生まだまだやな。
ダ・ビンチというよりは、ミケランジェロみたいな印象。
実は小林一茶の方が好きな句は多いけど、一茶の晩年のエピソードの強烈さとか聞くとちょっと素直に読めなくなった。
作者の背景とか知ることは、よみが深くなる場合もあるけれど、先入観で素直に読めなくなる場合もある。
やっぱりS河内さんのやったことはあかんことやね

Openingに惹かれて、Kalafinaのベストとか買ってしもうた。
今はなき河井英里シャ・リオンとか思い出します
アニメロがドンドン溜まっていく・・・Heavenly blueはなかなかいい曲だなぁ。

先週遊びまわったのが祟り、今週は実験が辛いです。
サンプルを消化しとかんと忘れるからなぁ。今週頑張って、来週前半は論文の校正に費やす予定です。
だんだん何を目指して校正しているのかわからんようになりました。

サイエンスネタ、さて。
ずっと片目でチラチラ眺めていた、Notchシグナルと肥満のお話でもしますか
肥満とは余計なエネルギーを脂肪に変えて、脂肪組織に貯めこむことで起こるのですが、その脂肪細胞にはおもに白色脂肪細胞、褐色脂肪細胞の二種があることが知られています。
この2つは機能がことなり、白色は貯蔵に使われるのに対して、ミトコンドリアの多い褐色の方は燃焼に関わっています。
そのため褐色脂肪細胞を如何に活性化するか、というのが肥満治療の注目点の一つなのですが、じつは白色脂肪細胞組織(WAT)のなかにも、褐色脂肪細胞のような機能を持つものがあるとのことで、そういう細胞はベージュ細胞と呼ばれています。
そうすると治療戦略として、WATのなかのBeige細胞を増やしていけばいいということになり、白色とBeigeの分化をわける分水嶺のシグナルを発するのがNotchシグナルであることが示されています。
変異によりNotchのシグナルの低下が起こるマウスではBeige細胞の分化が進み、脂肪の燃焼が増加する。
そのため、高脂肪食を与えても太りにくく、耐糖性、インシュリン感受性が上がるようです。
Notchの切断を制御するγセクレターゼ阻害剤でも同様の効果(うーむ)ということで、Notch阻害新たな肥満のターゲット、ってところです。
いや、実際Notchシグナルは様々な臓器の分化を司るため、脂肪細胞の分化にも関わってるんだろうなぁ、ニンニンというくらいには肯定的、多分前半はRigid。
似たような方向性の文献はいくつかある

後半のγセクレターゼ阻害剤による肥満の減少は、Notchが消化管細胞の分化にも関わっていて、その阻害がつよい消化系の副作用として顕れるため、どれだけ脂肪細胞の寄与があるかわからないなぁと思いました。
わりと有名な話のはずですが、一応Discussionで触れているような触れていないようなずるい書き方をしているので、ちょっと悪印象です。
どうもデジャブがあるなぁっておもったら、昔肝臓のNotchの論文読んだわ
当時の日記狂ってるので、当該箇所だけ抜き出してみますか。
本文あんまり読んでないのですが、お話は面白くて、普段インシュリンシグナルは血糖値が高い時、筋肉で消費させ、また肝臓では脂肪として蓄積することにより血糖値を減らそうとします。
一方で糖尿病などにかかるとインシュリンシグナルに対し耐性となってしまい、糖の分解が起こりにくくなる
しかし肝臓では脂肪を作り続けて脂肪肝になってしまう、おいまて、インシュリンシグナル耐性できるなら、脂肪もできなくなるんやないかい、ってのが矛盾でその分子機構は注目されていたとか。
そこで出てきたのが僕らのNotch(どこにでも出てくるなぁ)、糖尿病モデルの肝臓ではNotchシグナルが活発化しており、NICD(Notchが切断された細胞内部分で、核に移行するドメイン)がダカダカ出てくる。(Notchは受容体で、活性化にリガンドが必要だけど、今回の論文ではそこまでわかっていない。)
そうするとNICDが、Rbpjという転写因子を活性化、するとそこからmTORC1を中心とするという転写複合体を安定化する何かが発現し、その転写複合体がさらに脂質合成を進める酵素の発現を促すらしい。
普段はインシュリンシグナルがAKTというキナーゼによるリン酸化によるmTORCを安定化するのだけど、それをNotchシグナルが代替するような形となる。まぁそう読めた
ということですがおわかり?私はわからない。
これ本当に私が書いたのか、く、み右手が疼く・・・意識が・・・
まぁ抑制系あるのにそれを無視してなんで病気のサイクルがくるくる回るかって話かな。
インシュリンからAktのコンボっていう正規の制御系があるのはわかってたけど、病気の時、裏ではNotchが暗躍、あわれ肝臓細胞は操られ、脂肪産生を止めるべき時に脂肪を作り続けるのであった。

総合すると、実際の所Notchがエネルギー代謝・貯蔵の制御に深く関わっており、そのシグナルの乱れが悪循環により、肥満、糖尿病等の疾患を引き起こす、もしくは悪くするというフェーズがあるのは確かだろうと思いました。
先ほど書いたように単純なNotchシグナルの阻害は重篤な副作用を引き起こす事が知られているので、その上流、下流に脂肪組織選択性をもたせるような工夫は必要なのかもしれません。
色々な論文を読んだ印象では、Presenilinの家族性アルツハイマー病患者(特に強い変異)ではNotch切断は落ちてそうな感じです。
保有者は太りにくいとかあるんだろうか、それはADのリスクとは矛盾している気もする
そしてFADの変異をつかったモデルマウスは、じつは肥満しないモデルマウスになってたりせんやろか。
良いモデル動物を作るってのは難しいものだなぁ。