へのへの先生仮免中

やっぱ教授になるまで仮免中で行きます(なれるのか)、神経系の研究がメインです

そのお金は別の所に使いたい・まとめるために小さく・可溶性NRG1による脱髄性シャーコットマリーツース病モデルの治療

O氏の実験再現性に使われたお金が700万円とか聞きました。
仕方ない所もあるけど、それだけお金あったら一つどころでない論文がかける(多分)とおもうんですが。
残金が一瞬でわかる決済なんですが、みるみる減って行ってるのをみると、まぁ思う所もあります。
といっても一人で出来ることは限られているから、ヒトを雇えるような規模でもないと、今の額でも十分ではあります。

まぁ出来ない出来ない、と人のせいにしていてはいけない。
高いところを目指すと、まだまだ俺達の戦いはこれからだぜ!って言いたくなるんですが、いい加減オチを付けるって能力を付けないといけない。
ついボスと話すと、まだ出来るって風に言っちゃいがちだけど、自分でケリを付けないと。
実験は続けるけど、すこしデータを小さくまとめたバージョンを作ることにして、Introductionの骨格を書き換え始めました。
かなりまじめに、すべての現象や、定説を丁寧に説明していたんですが、あまり関係のないところを軽く流して、しかしわかっていないところがある!って問題提起を文頭近くに持ってくるとかそんな感じです。
設計図はすぐかけたんですが、文章にするのは前書いたものに引っ張られる感があり、難しい。
なんとか来月前半くらいには何とかしたい、何時でも出せる状況にするのだ、無駄になるかもしれないけど。

なんかネタあったけど、なんだっけ。
まぁいいやサイエンスネタでごまかそう。
Nature medicineを見ていたらまたNeuregulin1論文がでておりました。
流行りなのかなぁ。
可溶性NRG1は脱髄型CMT病の治療効果がある?という趣旨の論文です。
脱髄型CMT(シャルコーマリーツース病)の病因としてPMP22のDuplicationがあり、PMP22のTGマウスは末梢神経の脱髄症状・神経伝達の低下・遅延(かなぁ?)を示し、CMTのモデルとなることが知られている。
直接下流はMEK-ERK1/2なんですが、実は親シグナルはAKT-PIK3だとわかったらというのがメインリザルトの一つで、もうひとつは違う経路でAKT-PI3Kを活性化する可溶性NRG1投与で回復したというお話のようです。
NRG1がCMTの原因というわけではないようですが、治療ターゲットにはなる。

NRG1はErbB4と結合して、細胞間シグナルを伝えるタンパク質で、特に髄鞘形成に影響することが知られています。
末梢では髄鞘の元となるシュワン細胞の分化を制御。
1回膜貫通タンパク質で、APPを切断することをしられているα、βセクレターゼにより切断を受けます。
そのときに膜貫通領域から切り離された、可溶性NRG1というのが出来るのですが、これがParacrine(分泌性)のシグナルとなるっていう論文は大体一二年前のトピック。とくにBACE1活性が重要(発生時には?)
元ネタこれだっけ、もう少し大きな論文だった気も。
知らなかったんですが、心血管調節因子でもあるため、可溶性NRG1は治験が進んでいるようです。
心筋疾患モデルで有効みたい。この場合パートナーはErbB2
神経断裂時にも有効ではないかと考えられており、なかなか面白いターゲットみたいですね。