へのへの先生仮免中

やっぱ教授になるまで仮免中で行きます(なれるのか)、神経系の研究がメインです

冬が来ても忘れない、そんなAKR47・細胞周期とゲノム改変と・Cas9で特異的RNAを切断する方法

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去る季節 待てよと凍る 紅葉かな
 さらばさらばと 手をふりしずむ

天気が良かったので公苑でご飯をたべてビタミンDを作ろうと思ったのですが、びゅおうびゅおうと風の吹きにける。
とてもひなたぼっこの気分じゃねぇ。
おたまじゃくしはどうなったと見に行きましたが、それどころじゃなく、池が凍っておりました。
やっぱ寒いのか。
去る季節を惜しむかのように、紅葉も凍りづけになるのであった。
冒頭の句はお昼なので少しずつ氷は溶けて、沈んだりするのですが、それが最後にサヨナラと手を降っているようであったことよって感じに詠めているでしょうか。
まぁ寒くて実際、沈むまで待ったりできないですけどね、そこは昔の歌人も実際見たものを読んでる訳じゃないはずだし。
陽成院は、ぜったい筑波山まで行ってないって、あ、男女川って面白い名前だから恋唄に読んでみよって位の話しであるのだ。
久しぶりに詩人な気分になったのはわけがあって、昨日はヒストリアで赤穂浪士の大高源吾特集出会ったからでもある。
実は俳句で結構有名な人だったそうな。
背景を知るとしみじみよく感じる場合もあって、大高源吾と親友の掛け合いなど、多分ここだけ取り出してもわけが分からないけど、討ち入りを胸に秘めたやり取りだと思うと、背後の思いが汲み取れたりするわけです。
こんな感じ
出落ちやなぁ。

なかなか返事は来ない、盛り下がるばかりではある。
来るのは試薬会社からの宣伝ばかり。
まぁ待つしか無いのだが。

それほど新着文献でもないけれど、やはりゲノム改変の効率は細胞周期に影響をうけるようだ、という論文をつらつら読んでいた。つらい。
Scientific reports、さてさて、自分の考えることってのは既に調べられているものだなぁ、世知辛いのう。
S期直前に細胞周期を止める(Aphidicolinという抗生物質を使う)、薬剤を洗い流し、S期を開始しながら、TalenとssODN共導入している。
メリットとしては
○ssODNを減らすことが出来るため、非特異な細胞死を減らせる
○複製起点(replication fork)のプライマーとしてssODNが使われるから?変異導入効率をあげる
ようなニュアンスなことが書いてありましたわい。
通常では1%に満たない変異を4%までに上げている。

全くバカには出来ない。
少ないようだが100個に1個と4個では格段に違うし、恐らくCas9でやればもっと上がるかもしれない。
細胞によってはアポトーシスを誘導する試薬なので注意が必要だが、トライする価値はあるかと思った。
幸いそれほど高くはないし。
来週にはssODNも届くし、来年初めにはクローンの解析に移れそうにおもえる。
とはいえ、自分の予想と同じだからといって正しく不偏であるとも限らないのは注意しないといけない。

Cas9祭りはなかなか終わらず、今週のNatureではとうとうRNAも切っていた。
なんかメリットあるんかいな。
ああ!わかったそういうわけか、くーるくーる!
回ってるわけじゃないよCoolCool
Cas9はPAMと呼ばれる3塩基の配列が目的配列の直後に必要であり、この部分が二本鎖であることを結合の条件とするので、一本鎖DNAやmRNAは切断しない。
そこでこの研究者らは目的とするmRNAのPAM領域(と3’下流に19塩基延長)に相補的に結合するPAMmerというDNAの鋳型を導入。
そうするとmRNAとPAMmerが結合してPAM部分はRNAとDNAのハイブリッドな二本鎖になる。
そうすると、Cas9は目的配列を持つmRNAと結合可能になり、チョキンと切断。
おもしろかったのはPAM配列を持たなくても、PAMの前後に相補性を持たせてうまくくっつけると、もとのDNA二重差に影響を与えず、mRNAだけ切断できる、なるほどなぁ。
なるほどね、DNA屋さんはすげーなぁ、頭の回転が全然僕と違うわ。
このCas9の不活性型を使うと、特定配列をもったmRNAだけ精製できるらしい。
実に面白い、今のデータはVitroでCas9の性質を示したには過ぎないけど、色々な実験に使えそうな情報がところどころにある。
むしろVitro系の遺伝子操作に威力を発揮するのではないかと思うのでした。