へのへの先生仮免中

やっぱ教授になるまで仮免中で行きます(なれるのか)、神経系の研究がメインです

秋の匂い・色々計画はするけど手が足りない・TEDを見る日々・フォースを信じて卓越研究者?・Presenilinとカルシウムとオートファジー・神経の活性化による神経保護作用

台風がガスっとかすっていき、ずいぶん涼しくなりました。
家に帰ると恨めしそうに植木が倒れておりました、まぁそんだけど言えばそんだけ。

K研費研究気合を入れようと色々試薬を購入しました。
実験は色々思いつくんですが、じゃぁそれ全部やる価値あるのか?って所は謎ではあります。
やれることはすべてやるべきことというわけでもない。
いや、意味はあるんだけど、金があっても(無いんだけど)人ではなんともならんしのう。
恐ろしくめんどくさいベクターコンストラクトを思いついたんですけど、確かにそれがうまくいくと、有益なツールになりうるよなぁとは思い、論文の構想が浮かんだりはしますが、じゃぁそれが私のやりたいことなのか、悩む日々です。

TEDを暇な時に見る日々です。
今日は本の装丁をデザインする人のお話
村上春樹って人気あるんだなぁ。
これはなかなかおもしろい。アイデアとわかりやすさのバランスが大事なんだなぁと思いました。

もう一点、衛星TVの創設者が何故製薬会社を創設したか、United therapeutics社の創設のお話が面白かった。

身内の病気を直したいという執念が産んだ創薬
パッと目欠点が多くて薬になりにくい、って論文を読んでよく思うんですが、それは思い入れが足りないだけで、欠点を見つめなおして克服すれば、か弱い仮説も創薬足りうる(可能性がある)のだなぁと思い直しました。
がんばろう。

さてサイエンスネタ、こんなのどうだ
卓越研究者!厨二ごころをくすぐるのう、毎年200人も卓越研究者っているんかい?
からかったように書いたけど、悪いとは思いません、雇用枠が無いとイカンわけやしね。
でも卓越研究者の定義って難しくないか?CNSに載る奴なんて毎年200人もおらへんで。
なんかこのへんが評価者のさじ加減で決まる恣意的な所が多くて、客観的にこれをクリアできたらあげる、みたいにしたら公平感はでるのかな。
人工知能バイオインフォマティクスに重点を置く!らしい。
政府はいまからバイオインフォマティクスでなにが知りたいんやろなぁ。
再生研究とかのほうが日本の強みがでて良さそうだけど。
卓越研究者として実績に応じて各機関で終身雇用とかいてあるが、どういう身分で雇用されるんやろね、大学も教育してくれるヒトじゃないとこまらんやろか。
助教などの身分を各大学に増設するってところまでめんどうみてくれるんやろかね。
研究費、設備投資充実します!ってことは書いてあるけど、さて給料はどうなるんや、年棒制で各大学の規定によるんかな。
なんか研究費だけあげとけば、ストイックに研究するのがアカデミックの人間なんやろって言われてるような気にはなるなぁ。まぁするんだけど。
もっとアカデミックの中でも厳密な成果主義的かつ、成功報酬制なアカデミックポストってのがあってもいい気がするけどなぁ。
ガンガン給料をもらえるスター的なポジションをアコガレの目で見ている研究者はストイックに良い研究するんやないやろか
ガッチリ給料を貰いたいヒト(正しい)は、海外や企業に流れがちな所に歯止めをかけんとイカンのではないか。じゃあお前の給料減らせと言われたら泣くが。

さて、Alzheimer病ではLysosome、もしくはAutophagyの機能が落ちるのではないかと考えられております。
家族性Alzheimer病病因遺伝子Presenilin1はγセクレターゼという酵素の中核をなし、Aβという毒性の高いペプチドの産生にかかわっております。
一方で、Presenilinの機能はγセクレターゼ以外にもあるんじゃない?って説は根強くあり、とくにPresenilinの欠失によりオートファジー機能が低下する、もしくはカルシウムシグナリングが混乱するって話があったりします。
さてその2つは実はリンクするものであったのか?そんな論文がCell reportsにでておりました。
まぁちょっとわたし無理矢理なつなげ方したかな、上の話はERや細胞表面でのカルシウムホメオスタシスのはなしですが、今回のはLysosomeのpH調節をするl vATPaseの代謝をどうもPresenilinが調節するらしく、Presenilinが働かなくなると、異常なphの上昇(アルカリ方向へ)により、カルシウムチャネルであるTRPML1が働いて、Lysosomeのカルシウムを汲み出し、細胞内のカルシウムが増加するってきこうがあるみたいです。
流れ的にはこのラボは前にPresenilin1の変異では同様にカルシウムが上昇とか書いているんで、たぶんロスオブファンクションとAD発症は関連すると考えているので、KOの表現型は、ADのモデルとなる可能性がある。
これだけのラボがAutophagyの低下を報告しているんだから、そういう現象があるのは本当なんだろう、Aβだけではなく色々な毒性も相まってADになるのかもしれないなぁ。
ただこの論文ではPresenilinがERにあってvATPaseのFoldingに関わっているという(どうやって?)ちょいと謎の仮説を立てていて、今ひとつPresenilinの機能がわかりませなんだ。
現象的にこんなこと考えられるよね、ってのは認めてもいいけど、たぶん別の仮説も立てられるかなとおもいました。

神経が活性化すると、神経変性が起きにくくなるのだ!
もう混乱するばかりですね、神経の異常な活性化はADを導くって仮説と、抗てんかん薬がAD治療効果があるんじゃないかって話もあるんですが。
まぁ病的なState出ない場合、活性のある神経ない神経、どっちを残さなければならないかといえば、サーキットを形成している活性化している神経と考えれば辻褄は合う。
BDNFという神経成長因子が鍵でありもともとNMDA受容体の活性化って過剰だと毒性をもつんですが、、BDNF存在下ではNMDAシグナリングが活性化すると神経内にカルシウムが増加し、神経細胞死を防ぐActivinAというタンパク質が発現し、ミトコンドリアなどを安定化するという機構があって、健康な神経細胞では保護的な機能が働いているらしいです。
まぁ古くからBDNFはADの治療薬として使えるんじゃないかって考えられていますからな、ActivinAをどげんかしたらADになったりADがの直ったりってのはあってもいいのかも。
こんかいの論文ではStrokeとActivin Aの関係が取り上げられているみたいですね。