へのへの先生仮免中

やっぱ教授になるまで仮免中で行きます(なれるのか)、神経系の研究がメインです

笑いあり・統計あり・悩みあり・肺に造血効果なる画期的報告あり・EphシグナルはEpexin5を介してシナプス毒性を発揮するらしく・δセクレターゼ阻害剤は静かにAD、FTD動物モデルを改善す

謎の動画をみて爆沈してしまった
久しぶりに声出して笑ってしまった。

統計学、というと本屋の本棚が一つ埋まるくらい、みな苦手意識をもっているような分野であるようで、自分でも10冊はくだらないくらい本を買っていたりする。
一冊ちゃんと読めばその他は必要ない気もするのだけど、理解力がなかなか進まないので読むほうも進まない悪循環である。
そんな私が1冊本を読めた、なかなか素晴らしい
かなりわかりやすい、グラフで誤差を使うのか偏差を使うのか、その意味の違いなどがやっと分かった気がする。
おすすめ。

DNAの精製もいろいろキットを探したけど、安くても収量が安定しない(なぜだ?)等障害があったのだけど、安さと効率が見合うのがFavorgenではあるようだ。
ステマはしないので、保証はしないけど、今のところ文句はない。
Qigenがベストだと思うけど、高いし。
面白かったのだけど、Promegaなんかは割り切ってカラムのみ売って安くしているし、じつはWash bufferなどの組成もHPを調べると出てくるので自作可能である。
やや高めの試薬が必要なのだけど、一つ買うと、一生分は使える量が確保できそうではあった。
原理的にはほかのカラムもほとんど同じ組成だと思われるので、安上がりな実験も可能?

新年に向けて色々やりたいことをとりあえず並べてみた。
何人いるんだって感じだが。
科研費取れなかったらこれがほとんど消えるんだなぁ。
胃は痛むのである、O県モノの奨励金はとりやすいと聞くのだが、今年も落ちてしまった・・・
なかなか難しい、論文は出さずばなるまいて。
一方で、学生が面白いデータを持ってきたりしたので楽しいことは結構思いついた。

サイエンスネタ。
読んでないけど哺乳類では今まで血液をつかさどる血小板は脊髄あたりで作られる、というのが定説だったのだけど、それをひっくり返して、肺でかなりの部分作らているらしい、という論文が出ているそうな。
まだこんなことがわかったりするんだなぁ、脳にリンパ管が見つかったくらいのインパクトはありそう。
次にMolecular biologies of the cellが出るときにはざっくり表現が変わっていそう。

JCIにでていたAlzheimer病とEphシグナルの話をちらちら読んでいた。
Aβ毒性の下流にEphB2という受容体チロシンキナーゼの活性低下が関与しているのではないかという論文がそういえばNatureに出ていたことがあった。
さてその下流いかに?という問いの答えが今回の論文であり、それはEphexin5 というタンパク質であるらしい。
EphB2活性化に従いリン酸化され分解されるRhoA GEFであるのだが、これがADでがっつり増えてしまうのであった。つまりEphB2抑制→Ephexin5リン酸化されず安定化という流れを主張
そしてこれをKO等でへらすと、モデルマウスでもシナプス減少が抑制、LTPも保たれる、とか。
うーん面白いっちゃおもしろいんだけどFigure三つだけである。
本当にEphB2シグナル介しているかっていうところがかなり弱いんだが、これでいいのだろうか。

クレターゼはいっぱいありすぎてちょっとどれがどれか混乱してきたけど、δセクレターゼの阻害剤を探して動物に投与、って論文も眺めてみた。
じつはδセクレターゼがTauタンパク質も切断する、ということで注目の酵素である。
IC50がサブマイクロモーラーコンパウンドを用いて、タウ変異Tgマウス、5xFADマウスに経口投与、脳に到達、なかなか優秀。
なんだけど、tau変異に関して効果はそこまでドラスティックではない気はする
5xFADはそれなりにAβ等へる?ということでδセクレターゼをノックアウトしたマウスの論文と同様の傾向
βセクレターゼで切れる前段階がδというお話らしい。
まぁ前論文も感じたんだけど、βセクレターゼで切れやすくなる当たりの検討が今一つ腑に落ちない。
なにかAPP切断以外にも説明できそうだなぁと思いながら読むのであった。