接種して体調は大丈夫だが、とにかく肩が痛い。
まぁ何も起きないよりは免疫が働いている気がする。
最後の授業の録画を行う、まぁ僕の教科はポイントさえ押さえればかんたんだと思うんだけどなぁ。
授業範囲外として新薬の話をぶっこむ、ネタを仕込むのが楽しい。
そういえば6月に新しい偏頭痛の薬が承認されていた。
偏頭痛の生じる仮説には2つあって、
○何らかのストレスによりセロトニン増加・血管収縮がおこるのだが、時間が立つと、逆にソロと人の枯渇が起こってしまい、血管拡張が起こるのだとするセロトニン説
○三叉神経(アイスを食べて頭が痛くなるのはこの神経が活性化されるからである)の活性化を契機に血管が拡張し、さらに三叉神経活性化が起こるとする仮説
となる。
これまで出ていた偏頭痛の治療薬はセロトニンが不足しているんだったら、それを補えばいいでしょという考え方に基づいて作られており、5HT1B/Dアゴニスト作用を持つトリプタン製剤、広く血管収縮作用を持つエルゴタミンなどが用いられる、これらの薬物の考え方はセロトニン仮説を支持するものである。
ところが新薬としては、三叉神経から分泌されるカルシトニン遺伝子関連ペプチドCGRPがターゲットになっており、三叉神経を根本とする仮説も正しいことを示している。
CGRPに対する抗体が3つ承認されており、この薬物のすごい所は1ヶ月~3ヶ月に一回の治療で偏頭痛の頻度をかなり下げることができる。科学ってすごい。
これまで予防薬としては抗てんかん薬、カルシウムチャネル拮抗薬など多様な薬が用いられてきたが、ターゲットとしては絞られていない印象で副作用も多かったが、この薬物はかなりそれらが軽減すると考えられるのでは。
抗体だから薬価はかなり高そうだが。
面白いのはCGRPの母体となっているのはカルシトニンというホルモンで、これは鎮痛効果を持った骨粗鬆症治療薬としても使える。
まぁ実際はひとカルシトニンはあまり作用が強くなく、海と川を行き来する魚のたぐいは非常に強いカルシトニンを持っているらしく、ウナギ、サケ由来のカルシトニンが治療に用いられる。
とまれカルシトニンのオルタナティブスプライシングがCGRPとなるわけだが、カルシトニンの持つ鎮痛効果との関連はあるのだろうか。
カルシトニンの鎮痛もセロトニンが深く関わっているとの報告もあり、この遺伝子との深いつながりを感じさせる。
抗体で骨が弱くなったりせんよな・・・
過去の成果で未来を生きることはできない。 人は一生何かを生み出し続けなければならない。
弟子と色々話し合ってると新しいアイデアが出てきて、論文に手を入れ続けている。
最近読む論文はあまり好きになれない。
一体何を証明したいのかわからんし、イマイチ読み手に納得させようという気迫が無い気がする。
そういうものではない論文を書きたい、かけてきた情熱を、研鑽を世に問うのだ。
文字数は切り詰めなければならないが、少なくとも読んだ人が納得できる、立て付けのしっかりとした構成、出し惜しみのない証明で、自分が好きになれる論文にしたい。
自分で思ってるほどは評価されないだろうなとは思うが、ずっと書いてみたかったような論文を書いている。
挫折あり、鬱屈あり、迷いあり、まぁ幸運もあったけど、順風満帆な研究人生とはなるまい、3流研究者やね。
この論文がでればこれらを弔って自分を許せるだろうか。
栄誉や人望はあえて望むべきなのか。 然り。努力して求めるべきである。
手伝い弟子が一人増えて、とにかく大腸菌からのタンパク質精製を教えていた。
今どきやる人いるのかなぁと思うが、なかなかいい系が立ち上がりそうで妄想が膨らむ。
このネタで論文書けるかな??
悪い癖でプライマーを頼んでしまった。