うーん。高校生への授業は難しかった。
何かを柔らかく説明しようと思ったら通常の1.5倍位の時間がかかるんだなぁと実感。
流石に酵素学からγセクレターゼを50分、学部紹介付きは、割り切ってやったところはあるんだけど、足りんわ。
もう少し割り切って、ドネペジル、メマンチンくらいの話をして終われば、すっぱりきれいに終わったのかもしれない。
最近化学構造をなにかに置き換えるのにハマっている。
こんな教え方をしているが、良いんだろうか。
学生はカエルの絵を見せられ続けているのである。
意外にイメージができると構造も覚えられるという寸法
ちなみにレボドパはアミノ酸構造を持つことが、BBB通過性には大事である。
チロシン構造も覚えられる親切設計である。ちなみにつぎのCOMTの名前からオルト位に水酸化を受けると思っちゃう子が多いが、メタ位である。
カテコラミンにとってこのメタ位の水酸化は神経伝達物質としての活性に重要になる。
よってこのメタ位の水酸化をメチル化する酵素カテコラミン-O-メチルトランスフェラーゼ(COMT)により、カテコラミンは機能を失う修飾を受ける。
まさに画竜点睛を欠くの目がこのメタ位の水酸化なのである。
L-DOPAをできるだけ抹消での代謝を阻害し、BBBに効率よく届ける薬物としてエンタカポン(COMT阻害薬)がある。
エンタカポンは作用の持続性が短く、一日数回投与する必要があるが、最近オピカポンという一日一回でいいぜ、という薬物が承認されている。
だいぶ使い勝手が良さそうな印象である。
あれAromatic I-aminoacid decarboxylase
だからAADCやね。来年直しとかなきゃ
カエルからおたまじゃくしができる、と言うのはなんか逆さまな気がするが、まぁ名前もカエルだしいいか。
おたまじゃくしにかえる、どっとはらい。
さてここからノルアドレナリン、アドレナリンもできる。
セロトニン、ヒスタミンなどとまとめてモノアミン、というのが神経伝達物質の1部族であるが、総じて言えるのは脱炭酸を受けて、アミノ酸、の酸が抜けている。
よってアミノ酸トランスポーターに引っかからない。
末梢臓器で出来た神経伝達物質はBBBを通って行くことはほぼ無く、脳は独立している
(全く影響を受けないわけでもないが)
身体はよく出来ている。
面白いのはドロキシドパの構造である。
ノルアドレナリン(モノアミン)に無理やりカルボキシル基をくっつけてアミノ酸構造にしている。
これは人工的なアミノ酸ライクな構造となるので、BBBを通って、立派に中枢でノルアドレナリンに変化する。
パーキンソン病後期では、ノルアドレナリンも足りなくなってしまうから、すくみ足、低血圧が出てきてしまう。
これらを補うために使われる薬である。