へのへの先生仮免中

やっぱ教授になるまで仮免中で行きます(なれるのか)、神経系の研究がメインです

だいたいいつもの週末・難しい判断・がーn・プレセニリンを考える・カテコール核をもつ化合物はタウの凝集抑制効果?

土曜、ほぼ一日学校で実験したり、論文書いたり、授業の用意をしたり。
昔勉強した時はひたすら嫌だった分野だけど、今読むと人体ってのは深くて面白いわ。
若いころもっと勉強しとけばよかったなぁ。
学校ではまだ若手ですむ所もあるんだけど、いざ研究費を取ろうとすると厚い40までの壁。
ほら、あの、清少納言ではなくて、美人の、だれだっけ。
ああ、小野小町
花の色は移りにけりないたづらに我が身世にふるながめせし間に

同僚の論文が回ってきて、軽くコメントして返そうと思ったのだけれど、こう変更したらもっと面白いんじやないかと、つい書き込んでしまった。
書いてしまうと伝えてしまいたくなる人情、というか自己顕示欲やろか。
大体ブログを書くような人間はナルシストといえばナルシスト。
ひとりぼっちで頑張るにはナルシストになるくらいしか無いんやで。
同格の研究者にするサジェスチョンというのはちょっとむずかしい、この分野に一日の長ということで、あまり怒っていなければいいけどなぁ、私の判断が間違ってるってこともありうるし。
かれは多分大丈夫だと思うけど、研究者にとって自分のデータの解釈は譲りたくないところはあるやろしな。

癌の論文をつらつら読んでいる。
イデア的には萌芽くらいのものはあるのだけれど、癌研究に実績のない身としては、プレリミナルなデータ位は出したい所。
癌と神経変性疾患分子には関わりがある、そんな所を詰めてみたい。
まぁ癌で死ぬようなひとは、さっさと死ぬから神経変性疾患にならない、といったざっかけ無い考え方も出来なくは無いのだけれど。
学生が読んだ論文になかなか感心して、俺もこれやるわ-、自分のやってる分子関わってそうだわ-、どうしよ、またCNSかけてしまう、とか一時間位浸った、まぁやっぱナルシストやな。

さてサイエンスネタ、はて。
アルツハイマー病の病因遺伝子の一つであるPresenilin1、その変異体はAβ42という凝集性の高いペプチドの産生を上昇させる、というのがアルツハイマー病発症のモデル仮設となって久しいけど、ユビキタスに発現する酵素ってのは色々機能を持っている場合が多い。
だいぶこの辺がゲシュタルト崩壊してきたけど、いまどんな仮説があるんだっけかな。
○Amylid beta 42産生を上げる
○カルシウムチャネルとして働き、変異によってリーク
○ライソソームの酸性維持、オートファジーの進行に重要
ミトコンドリア機能に重要
○APP以外の基質の切断が悪くなるから神経機能が悪くなる
○脂質代謝機能に異常
まぁこの辺の所を見な堂々巡りにやっていて、ある一定のサイクルで新しく見える論文が出るということになる。
いや、まぁ条件変わって新しくはなってるんやろけど。
これが全部正しいということも無いだろうけど、一つしか正解が無いわけでもない、幾つかの要素は実は同じことを言ってるだけということなのかもしれない。
さて、並べた所で何もわからんもんやな。

そういえば喘息の薬イソプレテレノールでADが治るかもってはなしがあったか。
日本の長寿研のお仕事ですね。
タウってのはアルツハイマーの比較的後期にでてくる神経原線維変化という細胞内異常構造物の主成分で、非常にリン酸化されたタウというのは凝集性が高く毒性を発揮すると考えられます。
アミロイドアミロイドと普段叫んでますが、じつは神経脱落、認知症の出現に相関性が高いのはタウの凝集で(アミロイドβの凝集から認知症が起こるまではかなり時間がかかる)、またタウの変異だけで神経変性が起こる前頭葉認知症という病気もあったりして、タウの凝集体の乖離法というのは認知症の直接の治療法となる可能性があります。
なんかカテコール核がある化合物は軒並みタウの凝集体形成を抑制しているのか。
カテコール核をもつものは交感神経系、ドパミン神経の神経伝達物質となります。
エピネフリン、日本研究者ならアドレナリンとよべい、ごほん、もタウ凝集抑制効果あり。
はてなぁ、シナプスには結構たくさんカテコール核をもってるものは多そうやけど、まぁシナプス小胞で区切られてるしな。
タウモデルマウスの凝集体、認知症をイソプレテレノールで改善。
Vitroと比べかなり渋いけど、動物モデルもってる強みだなぁ。
行動改善はOpen field、さて新規探索効果というのは認知機能の低下であろうか・・・
前頭葉モデルでは結果がでたけど、ADはこれではわからんな。
ADモデルマウスはアミロイド病変中心に作られているからなぁ。

セロトニン神経がStem cellからできたそうな。
どぱみんしんけいばっかりじゃけのう。