へのへの先生仮免中

やっぱ教授になるまで仮免中で行きます(なれるのか)、神経系の研究がメインです

或る研究者のフロートチャートは寒い・敵役に同情・パーキンソン病にはVitamineK2が有効?・Prion病の毒性はタンパク質合成抑制にあり・ハダカデバネズミに学ぶ長寿の秘訣

論文読みが廻ってきたので、いつもの調子で渾身のボケを打って笑いを取ろうとしたが、恐ろしく外して、もうこの世界で生きていけない様な気分にひたる。
ごめんなさい、こんなふざけた人間がサイエンスやるなんてまちがっとたんや、ずっと大阪いとればよかったんや・・・(謎発言)
BBちゃんならきっと笑ってくれたのに。
まぁよく考えてみればいつものことだったのかも。きっとみんな気を遣って笑ってたのさ、ヒュールリー
次から徹頭徹尾きまじめにやろうっと決心。
ちなみにウケを狙いに行ったスライドはこれです。アニメーションで時系列に出てきます
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どこで人生間違えたんだろう・・・いや僕の話じゃないですよこれ。

液晶テレビをインターネットにつないで、ねっとから落とせる番組を見ている。
Tsutayaで1000円ボーナスが付いたので、何見ようかなぁと考えて、伝説のアニメーション「太陽の王子ホルス」を鑑賞。
これは高畑勲宮崎駿などの初期の代表作品ですが、余りに古いので借りて見る気はしなかったんですが、まぁタダなら良いかなぁと。
ちなみに高畑勲とうちの父親は同じ高校の同窓で、一応知り合いだったとか。
これが何だろう、台詞に力があるというか、結構飽きずに楽しみました。
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敵役はグルンワルドって言うんですが、圧倒的に血が足りない
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部下はお化けカマス
え?カマス
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魚って所が凄く斬新です、心の通わなさそうなあたり。
カマスがやられてしまうと、俺のかわいいお化けカマスを!っていって歯ぎしりしたりするかわいいやつです。
もう最後のシーンの滅多打ちとか、妹のヒルダの裏切りとかかわいそうでなりません。
悪い事しかしてないんだけど、なんか同情をかうキャラです。
なぜグルンワルドが悪に走り人間を信じられなくなったか、そしてお化けカマスを部下にしたか(夜店のメダカから育てた、物は言わないけど、人間から迫害を受けるグルンワルドのたった一匹の友達だったのだ)サイドストーリーを書いてみたくなりました。
きっと悪い女に騙されたんだ、世界を滅ぼしてやるって言ってるし。

あとはやっぱりヒルダが魅力的ですね
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悪と善とに揺れている所が魅力的です。考えて見るとひどいことしてるんですけど。
まぁストーリーは単純で、たまに紙芝居になりますが、暇つぶしにはもってこい。

いくつか神経変性疾患関連で大きな論文が出ているようです。
一つはScienceネタ
Pink1というミトコンドリア局在の蛋白質パーキンソン病の病因遺伝子として知られていますが、そのショウジョウバエホモログをつぶす、またはパーキンソン病関連変異を入れると、飛べなくなるというフェノタイプが現れます。このグループはPink1の毒性をさらにあげるような遺伝子をスクリーニングしていった結果VitaminK2を産生するのに必要な酵素UBIADが毒性をあげることを発見しました。
そこでPink1由来のモデルショウジョウバエにVitaminK2を与えると表現型が改善したそうな。
VitaminK2はバクテリアでは膜内の電子の伝達を行うチャネルのような機能を持っており、Pink1の変異により電子伝達系が弱っているミトコンドリアに対して電子伝達を助けるチャネル形成に関わってるんじゃないかと言う話でした。
ショウジョウバエモデルだけでサイエンスかいな?ってのが正直なところだけど、VitaminK2の新たな機能と臨床への応用の可能性って所に光る物が有るのかもしれません、そうでないかもしれません、らららら
さいきんサイエンス嫌いや
うーん、Pink1でミトコンドリア機能が弱るってところは既知、もうミトコンドリアスタビライザー投与しとけば、このフェノタイプに関しては何でもレスキューするんじゃないの?あえてVitamine K2で行く必要性がわからん。
というか他のミトコンドリアDeficitもVitamineK2でレスキューされちゃうので、Pink1のパスウエイって余り関係無くないか?まぁ他の疾患でも使えるって事なのかもしれないけど。
食物に含まれてるVitamineK2で、どんどん電子伝達チャネルなんか出来たらかえってミトコンドリアわ悪くないか?
せめて哺乳類細胞使って、ある程度ヒトなどでも再現性がありそうなことをもう少し詰めても良さそうな気はしたなぁ。まぁいいやサイエンスだし

もう一つNatureに神経変性疾患の代表株プリオン病のモデルマウスを使用して
○じつは折りたたまれていない蛋白質が、全体的な蛋白質の合成を抑制(転写因子eIF2αのリン酸化亢進)して、神経細胞死を引き起こすこと、
○そして、その抑制効果を脱リン酸化酵素を発現する事によって元に戻してやると、神経毒性が軽減するというデータが報告されていた
うーん目新しいのかこれ?考え方はER stressとして昔から言われた事ではないだろうか?
でも実際、プリオン毒性(おそらくはERでの蛋白折りたたみに悪影響を及ぼす)を実際に理論に基づいて治療効果が観察されるか検討しているのは大きいのかも。
このグループは、こういった毒性は他の蛋白質の構造がおかしくなるような神経変性疾患アルツハイマー病やパーキンソン病など)にも起こっていると考えているようです。

あ、これ面白いは、今よめんけど
皆さんハダカデバネズミってしってますか?
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こいつ脱ぐと凄いんです。いやごめん、オヤジって言わないで・・・
そのですね、ネズミって長くて3年しか生きないんですけど、こいつの寿命って20~30年
じゃぁなにがその若さの秘訣なのか?ってのがリサーチャーの関心になっていました
調べたところ他のネズミ族に比べ、脳内、特に小脳においてNeuregullin1と言う蛋白質が高く発現していることが明らかになったようです。
Neuregulin1は神経の活性、シナプス形成、ミエリン化などを制御する蛋白質ですが、このように高発現していることがどのような影響を与えているかはわかりません、単に過剰発現させると悪い事起こるんじゃなかったかなぁ、たしかミエリン鎖形成が過度に進むはず。
面白いのは加齢とともにNeuregulinを代謝するような酵素活性は増えていきます、BACE1
AgingでNeuregulin発現がどのように変わるかというところが重要なのかもしれませぬ。