へのへの先生仮免中

やっぱ教授になるまで仮免中で行きます(なれるのか)、神経系の研究がメインです

冷房なしでは生きられぬ・図書館でもなし・iPSでALS治療薬をスクリーニング・Aβは多発性硬化症を改善するかも?実は良いやつ??

今日は涼しいから冷房要らないかなぁと思っていたら、ランニングしたら汗が全然止まらずたまらず冷房をつけました。
うーんやっぱり体質が米国ナイズされているのでしょうか

嵩む図書費(?)に悲鳴を上げて、すこし図書館を活用しようかと、文京区の図書館に行ってみました。
うーん子供の頃行ってた図書館に比べて小さく見えるのは錯覚だろうか?
でも本屋でも見つからないような、昔の小説とか置いてあるのは魅力的ですね
ただ読みたいなぁと思った本は残念ながらなし
ジェフリー・アーチャー12本の毒矢っていう短編集が読みたかったんですがね-
ジェフリーアーチャー面白いですよ。書いてる人も小説も
アラカルトだったけかな、と戦う夫婦の話が好きでした

Science translational medicineは結構面白い論文が載ることが多いです
ニュースでもみましたが、ALSの患者からiPSをとって解析している論文を読みました
この論文はTDP43というALSの病因となる遺伝子をもつ患者さんからiPSを取り、運動神経に分化させて検討しています。
TDP43はストレスを受けた神経内で凝集体を作りやすいことが毒性を生むと最初考えられていましたが、元々は核内でRNAを修飾するという生理機能があり、現在はどのような蛋白質の発現に影響を与えているのかが注目されています。
著者らのグループは幾つかのTDP43の変異についてiPSをつくりますが、一人の患者由来ではあるが起源が異なる3種のiPSを解析しています。
他のラボでは一種類ずつしか比べていないですが、さすがにこのラボはiPSを発見したラボなだけ有ってかなり厳格にやっています、実際同一患者において作ったiPSでもクローンによってかなり性質が違うというのは重要かもしれません。クローンバリアントはかなり注意する必要が有る。
なかなかiPSも難しい。
カレラは変異を持ったTDP43は凝集しやすい(不可溶)こと、神経の突起伸長が短いこと、酸化ストレスに対して脆弱なことなどをしめし、iPSニューロンをつかった薬剤スクリーニングにより、RNAの正しい修飾を促進するような薬剤がその毒性を改善すること(でも同じような薬剤を持つ中で一つ位なんだよな-)を示しています。
実際、RNAスプライシングに異常のある筋ジストロフィーにたいして、スプライシングをターゲットにした創薬等出てきているので、こういった方向の治療というのは有効かもしれません。
もう少し、下流の発現制御因子等調べられて行くべきなのでしょう。
iPSをつかって創薬に結びつけられそうな良い方向性の研究だと思いました。

アルツハイマー病のアミロイドβ蛋白質が実は良いこともしている?
って論文もでてました
これはちょっとビックリしたなぁ
多発性硬化症(MS)という、神経を囲んで絶縁するミエリン鎖にたいして自己反応してしまうような抗体が出来てしまう病気がありますが、アミロイドβって神経障害を受けた場所で産生が上昇しやすいので、この研究グループはMSの実験的モデルマウスに対し、アミロイドβを投与して、炎症反応がどうなるか検討しました
するとなんてこった、炎症反応が下がるさがる、なんでや?
どうもVivo、Vitroで炎症反応を振興させるT細胞からでる障害性のサイトカインを減らすらしい。
APPを遺伝的に失っているマウスでMSモデルを立ち上げると症状は悪くなり、内因性のAβは良い物?という論調
アルツハイマー病の患者の脳内ではガチガチAβがたまっているところに炎症反応が起こっているのとかなり矛盾する結果ですねー
さぁどう考えるんですかね。
炎症の始めにAβがあるのは結構免疫にとって重要という可能性もあるだろうか?
むしろ悪者なんだが、Abの投与により刺激をうけて活性化したAβ代謝機構が局所的なAβを減らしているって可能性もあるんじゃないかな
後者とすればAβを抗原として打つワクチン療法をMS患者に応用するというのは有りなのかもしれない
AD予防にもなるかもしれないしなぁ。
半分くらいなにかアーティファクト無いかな-って疑ってしまうのは、やっぱり今までの常識を捨てられないステレオタイプなんですかね。