へのへの先生仮免中

やっぱ教授になるまで仮免中で行きます(なれるのか)、神経系の研究がメインです

鰹をたたくのです・AD抗体療法の転換点・ALS病因遺伝子FUSは本態性振戦にも関わる・ALSのマーカー及び新規ターゲット

神水産のカツオのタタキを買いました
よく旧研究室で食べていたのが懐かしくなりました
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独り占めヾ(@°▽°@)ノあはは
(ノTДT)ノ ┻┻:一人でくってもうまくないんじゃ-
いやいや実家に送りましたがな、母と食べます・・・

昼休み、サイエンスニュースを見ていたらえらいニュースが・・・
といってもまぁ予想はついたことではあるが
ついにファイザー・ジョンソンアンドジョンソン、エラン連合の進めていた、アルツハイマー病抗体療法の治験が完全撤退する方向に向かったらしい。
ファイザー何連敗ですかね。
このプロジェクトに青春を捧げてきたサイエンティスト達の心情はいかがな物でしょうか・・・
せめて、臨床試験の結果の解析から今後の創薬につながるようなデーターが得られますように。

APOE4のADリスクをもつ患者において脳内浮腫などの副作用が頻発ことから、高用量試験を中止して検討を続けてきましたが、有意な改善効果は得られなかったようです。
アナリスト達はイーライリリーの別の抗体療法についても悲観的な意見を持っているようで、抗体療法は大きな転換点に来たと思われます。
現在家族性アルツハイマー病家系の人に予防的な意味でIgG4ベースの抗体療法が行われるようですが、少なくともADがある程度進行した状態では抗体の直接投与は良い選択肢では無いようです。
今後は受動免疫や、免疫グロブリンのように、自己の免疫反応を高めるような療法が注目されると思われます。
またアミロイド仮説は嘘だーって騒ぐ人も居るんだろうな。まぁいろんな視点の研究が必要だし

対症療法も目がないわけではない
アルツハイマー病では実は神経の異常な活性化を伴う場合があり、認知症患者が夜中に徘徊したりする原因になったり、不眠の原因になるのではないかと考えられています
最近ではADモデルマウスの研究からナトリウムチャネルの活性低下により抑制系神経の抑制(この辺はややこしいですねぇ、じゃぁ抑制の抑制の抑制!ってこどもの冗談みたいなことも試みられるわけですが)なんかがあるんじゃないかってモデルも提唱されています。
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まぁ実際はモデルよりはよっぽど複雑だったり、個人差はあると思いますけど
さて今日の本題ですが、アルツハイマー病で局所的に神経の活性化があるとすると、それは癲癇の症状に類似します。
最近非常に低用量の抗てんかん薬Levertiracetamを投与すると、軽度認知機能障害(MCI)の患者さんの認知機能に改善があるという論文がNeuronに報告されていました
これをサポートするように、モデルマウスに置いても同剤が認知機能の改善を行うという論文がPNASに出ています。
必ずしもすべての抗てんかん薬が効果を持つわけでは無さそうなので、より詳細な機構の解明も必要そうですが、すでに承認されているLevertiracetamが効果があるのは良いですね。
すぐに臨床試験に移れそうです。

ALSねた二本、まぁ日本の試合終わるまでまだまだかかるし。
ALS(側索性筋硬化症)の病因遺伝子であるFUSは本態性振戦の原因でもあるようです。
どうもALSの変異と違って本態性振戦の変異はミスセンス変異で、FUSの発現が無くなるという、生理的機能の喪失に関わっているようです。
となるとALSは機能喪失というよりは、異常機能の獲得があるという可能性が高いのかもしれません。

ALSの血漿マーカーおよび新規創薬ターゲットの話
ALSモデルマウス(SOD1変異)の血漿中のMonocyteを解析したところ、症状が出る前からかなり炎症系の蛋白質発現パターンを示すようです
こういったモノサイトはCNSの炎症系の遊走誘導因子を完治し、Spinal cordに入り毒性を発揮するよう。
活性化モノサイトをターゲットとした抗体を投与すると、このモノサイトの進入を抑えられ、生存性も延長するようです。
ううむグリアはこれからキーポイントだなぁ