へのへの先生仮免中

やっぱ教授になるまで仮免中で行きます(なれるのか)、神経系の研究がメインです

打ち上げ・アルツハイマー病危険因子TREM2・C99(βCTF)がアルツハイマーの毒性物質?・DroBACE1はグリアを維持・血管内皮細胞LRP1とAβ代謝・ミクログリアの抑制とADマウス

学生さんとの実習も終わりました。
最後にサバイバル発表会をやって心底疲れた気もします。
飲み会をやって打ち上げ気分です。

アルツハイマー業界に激震、ってほどでもないけど、新しい危険因子が発見されたようです
どうもミクログリアとかの活性に関わり、脳内の炎症反応に関与する模様です。
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まぁいかにもーってタンパク質なので、面白いです。
これからは脳内炎症をターゲットにするのもありなんだろうなと思います。
シングルパスタンパク質なので、バックグラウンドをつかって研究できると、いろいろ妄想をたくましくしてましたが、某大学の博論にほとんど自分が考えたことが実行されているのをみて、かなり萎えました。
このラボはいつも自分のやりたいことをやっている不思議なラボです
まぁでも炎症系ターゲットで何か研究できないかなぁ。

今回のJNSはアルツハイマー病祭りですね。最近ADの話少ないなぁと思っていたんですが、貯めてたんでしょうか。
3xFADのマウスの認知機能が落ちる原因はアミロイドβじゃなくてその前駆体C99かもっていう論文
細胞内のAβ蓄積がこのマウスでは重要と考えられてきましたが、むしろC99のほうが初期から多くなっている。
凝集体ができるのはずっととしをとってから=C99がこのマウスの認知機能を悪くする。
うーん、だから?とか思ってしまった。
このマウスかなり人工的にC99たくさん作っている系だからなぁ。
もちろんC99の毒性というのは面白いところですが、このマウスの系があんまりそれを証明するのに適した系じゃないんじゃないかな。

ショウジョウバエにBACE1の類縁体があって、そのBACE1はAPPのホモログを切断するらしい(この論文の前論文ですね)
ショウジョウバエのBACE1を潰すと、グリア細胞の成長が悪くなり、障害が起こるらしいですがAPPLの欠失でレスキュー、しかし分泌ができなくなるようなAPPLを発現するともっと増悪。
これらの結果から、どうもAPPLがBACE1ライクにキレてできるsAPPLが分泌されてまわりのグリア細胞の維持を行なっているという方向らしいです。
ショウジョウバエのBACE1ホモログなんてないやい、って思っていたんですが、25%の一致、50%の相同性と結構思ったより似てました。

LRP1はBBBを形成する血管内皮細胞でアミロイドベータの脳からのクリアランスを制御しているという論文
まぁ色々あってちょっと切ない気持ちになりました。
面白そうではあります。

ADモデルマウスのグリア細胞の活性を抑えてやると、認知機能やアミロイドβの蓄積が改善されるそうな
うーむグリア機能の抑制はアルツハイマーにとって良くなさそうな証拠が揃ってきたのかなぁ。
だいぶ研究の方向性が免疫炎症系の制御に傾いてきている気がします。