へのへの先生仮免中

やっぱ教授になるまで仮免中で行きます(なれるのか)、神経系の研究がメインです

助けられてあげてもいいのよ・スクリーニングは徹底的・グリア細胞の機能を解析できるマウス-ミクログリア特異的TAK1阻害は多発性硬化症モデルの症状を緩和

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人気者でも困ることはあるのです。
それでも仕事は忘れない、キティーねぇさん出来るお人(?)です。
でももうちょっと仕事は選んだほうがいいぞ
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食われてる食われてる。

足が未だに違和感あります。痛くはないんだけどなぁ。
プロ野球選手とかの、肘の違和感とか、なんとなくわかりました。

昨日のParkin論文をつらつら読んでました。
スクリーニングってのはこうやってやるんだ!って感じの、裏をとって裏をとって、石橋を渡る前に叩きまくって、石橋も渡り直すくらいの入念なスキームで研究が行われていて感心しました。
半分くらい数学的で分からない所もありましたが。
iPS、Talenはやりの技術もしっかり使ってます。
いやいや、ポスドクが1ダースくらい死んでそうだなぁと思いましたが、ロボティクススクリーニングだったら、系立てたらなんとかなるかなぁ。
TALENをつかってゲノム編集するのにHCT116という細胞種を使っていたので、なんでかなぁと調べると、どうも相同組換えが起こりやすい細胞で、編集しやすいみたいです。
遺伝子は倍数体で少なくとも二対あるわけですし、コピーとかある場合もあり、これらを全部潰せる可能性というのは実は少ない。
ES細胞なんかすごく相同組換えがよく起こるらしく、この分野では帰ってiPSまで戻したほうがうまくいく可能性もありそうです。
ゲノム編集もかなり手軽にはなってますが、遺伝子導入されれば必ず起こるというわけでもないみたいで、少しでも効率のよい方法を考えねばならないみたいですね。
あとはKBM7でも使うのかな?
でもチャンスがあったらやってみたいなぁ

ついでにNature Neurscienceに載っていたMicrogliaのお話も読みました。
脳内のグリア細胞の中でもマイクログリアの機能はまだわかっていないことが多いです。
グリア細胞といえば、神経組織を支持するだけと古典的には考えられてきましたが、神経変性疾患の研究では、死亡した細胞や細胞外の異物を消化したり、免疫機構に関与している事がわかっていますし、最近の研究ではマイクログリアは神経の状態をチェックして、シナプスの剪定を行なっていることも明らかになっています。
今回の論文ではマイクログリアだけの機能をコントロールするためCxCR1という、マイクログリアに強く発現するケモカインレセプターのプロモーターを利用して、マイクログリア特異的に遺伝子発現を制御することに成功しています。
このプロモーターは単球など血中細胞にも影響するのですが、脳内のグリア細胞は非常に寿命が長いことを利用して、生後短時間遺伝子の発現を調節を行った後、誘導を止めて、血中の遺伝子変化の効果がなくなる時期に実験することにより、ミクログリア細胞単独の機能解析が出来るようになっています。
これだけだと、まぁEfficientな系だと思うのですが、まぁ似たような系はある気がします。
かれらは、自己免疫疾患である多発性硬化症モデルにおいて、MAP3Kの一つTAK1をミクログリア特異的にノックアウトすると、症状が軽くなる事を明らかにして、ミクログリアの活性化がかなり重要な機能を持っていることを示しています。
面白い、このモデルはなかなか綺麗です、今後神経変性疾患におけるミクログリアの機能も明らかになってくるでしょう。
研究の流行ってやっぱりあるのですが、いまは明らかにグリア細胞へのフォーカスがなされているように思われます。