へのへの先生仮免中

やっぱ教授になるまで仮免中で行きます(なれるのか)、神経系の研究がメインです

頭痛な日々・ビールをどのくらい飲めば認知症が改善するのか?・神経幹細胞移植はADモデルマウスの認知機能を改善・新たなPDターゲット?ALDH2

今週は頭痛から始まり頭痛に終わるかもしれない。
なんだかんだやはり低気圧に弱い気がする
薬飲んで治らないんだよなぁ。

そういえばSTAP細胞の報道は、さすがに主任研究者の方もうんざりされたみたいですね。
異様な報道だったからなぁ。
まぁでもそういう感覚の人でホッとしました。
どこかの脳研究者みたいにクイズ番組に引っ張りだこなんてなったらがっくりするしなぁ。
しかし紅白には呼ばれそうだ。
まぁ研究者になりたいという人が増えるなら悪いことばかりじゃないかもしれない。
女性が遜色ない仕事が出来るって行ったら、研究というのはひとつ考えても良い職業なんだろうとは思うし。

ビールのホップを投与することにより、ADモデルマウスの認知機能が改善するという論文を読んでました。
赤ワインを飲ませるって論文もおもろかったけど、まぁこういう論文大好物です。
でももうモデルマウスでAbeta減ってもPLOS ONEになっちゃう(別に悪い雑誌じゃないけど、もっと前ならJBCとかいくのかなぁと思ったので)
結構データ揃ってるのになぁ。
じゃぁみんなビール飲んだらアルツハイマーにならないか、ということなんですが、2g/Lの水を飲ませています。
Wikiによると平均的なハツカネズミの水摂取量は100gにつき15mlとなります。
70kgの人間に換算すると10.5Lになるのかな?
日本のビールに含まれているホップは50mg~500mg/Lとのことで、大体一日42Lから420Lのビールを飲めば効果があるということに計算上なりました。
わはは、でもホップを抽出して精製することが出来れば効果がありそうですね。

そういえば、神経幹細胞をマウスに移植したらADモデルが改善したって報告もありました。
Aβに関する治療薬の治験が頓挫し、幹細胞研究が盛んになる今、こういう論文大事なのかなぁとおもいながら、ちらちら見ました。
まぁデータのキレイなこと、でも神経幹細胞移植で治るって、パーキンソン病みたいなドーパミン補填ならわかるのですが、ちゃんとニューラルサーキットに入っていくのか疑問もあります。
BDNF等神経の活動をサポートする蛋白が増えるらしいので、支持細胞が増えるのかもしれません。
自分由来の神経細胞を、自分に移植する、そんな時代も来るんだろうか。

この前DDTという農薬残留濃度が高いほどアルツハイマーになりやすいかもしれん、というお話をしたんですが、よくお話に乗るのはパーキンソン病の方で、それもある遺伝子型を持つ人ほど影響が出やすいというお話が有りました。
ちょっと面白かったのが、割と有名遺伝子であるアルデヒドデヒドロゲナーゼ(ALDH2)だったりします。
アルコール代謝能力に関与する遺伝子ですな。
あるバリアントを持ったALDH2は非常に低濃度の農薬により阻害されるらしく、ドパミン産生神経細胞を害するみたいです。
マウスでアルデヒドヒドロゲナーゼをノックアウトしたものはパーキンソン病に似た運動障害が現れるという報告もあったので、発症機構としてかなり重要かもしれません。
何故ドパミン神経が死にやすいか、いまだその答えは出ていないのですから。
他のパーキンソン病関連遺伝子もALDH2の活性に関与している、ってこともあるのかもしれません。