へのへの先生仮免中

やっぱ教授になるまで仮免中で行きます(なれるのか)、神経系の研究がメインです

癇癪は怪我のもと・もう終わりそう、そんな事を半年前に思ったんですが・APOE抗体は次世代AD抗体療法ターゲットかも・Ascl1リン酸化阻害により神経細胞分化を効率的に

なんだかんだ、ランニングは続き、筋肉がついたのか、膝は大分楽になって来ました。
まぁ今日ちょっと自業自得のバカなことをやってまた踝を痛めてしまったのですが。
癇癪もちはうちの家系かなぁ。
年を取ると、寛容になるよりも、自分を正しくてヒトが間違っているとおもうようでイカンなぁと思います。
ああ、でも疲れるなぁ。自分が正しいと思わないのもいかん時もあるのです
風速30メートルに向かって歩いてる感じが時々します。
夜食はかなり控えてるのですが、飢えます、ええもう食べ物の夢を見るくらいには。
肉が食いたい。

終わらないんじゃないとも思う論文書き、それでも最後のFigureの説明つけるまで来たので大分そこは見えてきたのかなぁ。週末頑張れば少なくともDiscussion前までは終わるだろう。
結局Figureをだいぶ組み替えて、捨てるはずのデータを拾い直したりして気がついたら、Figureが9になっていました。
うーん、これを全部のせてくれる雑誌は限られるだろうな。
それかSupplementaryに回すかかなぁ。
Suppleも8くらいあるし、わお、わたしこの論文Reviewしたくない。
色々考察していたら、他の論文では明らかでなかった側面が説明できるような気がしてきて、一大論文、うん面白い!と思うんだけど、大体大甘な判断が多いからいかん。
Discussionがわりと苦手、すぐ寄り道してしまって何話してるかわからなくなってしまう。
それでも何もないより、書いてしまうのが吉です。
1から書くのが一番大変で、編集作業は比較的楽ですから。
これを片付けて、自分の実験少し進めないといかん。

さて、今日は本当に書くことも無くて、泣きながら寝ようかと思ったのですが、J Neurosciを読んだらAPOE抗体によるAD治療についての論文があって、知り合いの名前もあったので少しだけ格闘しました。
このへんは混沌としてるなぁと思います。
実はAPOEの発現を強く誘導するBexaroteneなどの核受容体アゴニストの一部はAD治療効果があると古くから言われており、APOEの発現は治療効果があるんだろうと考えられていました。
ところがBexaroteneに関しては、否定論文が数報同時に出るなど、苦しい状況です。
一方で、APOE抗体を投与することによりAmyloid plaqueが減るというデータが最近出始めました。
抗体によりAPOEはアンタゴナイズされる印象なので、Bexaroteneなどで言われていた事の逆をはってる感じ。
新しくJNSにでた論文では、すでにAmyloid plaqueが形成されているマウスに抗体を投与しても、凝集物が減り、炎症反応・認知機能等改善されること、また作用メカニズムとして、新しくAmyloid plaqueが形成される事を妨げるという結果が報告されています。
正直な印象としては、アミロイド抗体で治療した場合よりかなり渋いデータかなぁとも思いました。
実際APOEは脳内で減っちゃうんだけど、おそらくAPOE抗体は、APOEを脳内でアンタゴナイズする、と言うよりは、Aβのクリアランスを促進するなど、機能亢進効果をもつのかな、という印象をもちました。
まぁ少し我田引水ですが。
もっと特別なAPOEに特異的に反応する抗体とか見つけたら、かなり有望なんじゃないかな。

皮膚細胞からMatureな神経に分化させる方法が見つかったとかで(ん?どこかで聞いたような)、すこし読んでました。
Developmentですな
iPS細胞は確かに素晴らしい技術ですが欠点もあって、一度細胞を初期化した後に神経に分化させるわけですが、そこで何か変化でても、しょせん分化の問題であって、成熟した神経細胞において起こる現象のモデルとは言えない、つまり老化の要素が(完全には)再現できない。
そうすると、初期化を経ないで我々の細胞を神経に分化することが出来ればある程度モデルになるはず。
そういった線維細胞から直接神経を造るという仕事も最近ちょくちょく報告のあるところです。
しかし、神経細胞へのハードルは高く、分化効率も良くなく、また分化もドパミン神経(多分一番簡単?)系くらいでした。
おそらくは神経細胞への分化にはいくつかのチェックポイントがあるんだと思われるのですが、その一つが、神経の分化誘導に必要なAscl1というタンパク質のリン酸化であったようです。
このタンパク質は、細胞の分裂時に活性化するCDKファミリーにより燐酸化されるのですが、このリン酸化が出来ないような変異Ascl1にした場合、神経への分化効率がかなり上昇するようです。
この変異型ではと、神経細胞に分化することを抑制しようとするシグナル達、NotchやCDKの作用が効きにくくなるそうです。
分化、病気の面からも面白いかもしれないです、CDKの活性化による細胞周期の最発現によるストレスとアルツハイマーってのも大分古くから議論されているところですから・・・
またAscl1の変異体をつかって分化誘導を行うことにより、神経細胞への分化が効率化される可能性があります。