へのへの先生仮免中

やっぱ教授になるまで仮免中で行きます(なれるのか)、神経系の研究がメインです

鬱屈でも筆はおらないのであったオラのブログなんて・LRRK2Endosomeに存在す・NotchはALDH1A1活性を亢進して癌を促進・TDP43と糖尿病治療薬・Sortinexin論文、うーん

隴西のへのへのは博學才穎、天寶の末年、若くして名をN誌に連ね、ついで助教に補せられたが、性狷介、自ら恃む所頗る厚く、いくばくもなくなんとなく退いた後は、故山、(くわく)略に歸臥し、人と交を絶つて、ひたすらブログ書きに耽つた。
或夜半、急に顔色を変えて寝床から起上ると、何か訳の分らぬことを叫びつつそのまま下にとび下りて、闇やみの中へ駈出した。彼は二度と戻って来なかった。その後ブログの更新もなくへのへのがどうなったかを知る者は、誰もなかった。
さてさてへのへのに何が起こったのか、答えはCMの後
ヒテンミツルギスタイル!
なんのはなしだっけ。
ちょうどうでもいいんだけど、Facebookの記事見てたら、後輩がブログ書いてるのを見つけたんですが、自分のブログが恥ずかしくなって筆を折りたくなったので冒頭_| ̄|○
むしろ折れよ。
ロハスというかなんというか。
優雅な話題(ハワイ行きたいなぁ)、コジャレた写真、ひきかえてわがブログの貧しさよ。
しょうがないから花でも買って妻と親しもうとしたけど、
妻が居なかった
ええんやで、こんなブログより、Tのロハスなブログ見てるほうが多分有益なんや、将来に希望がもれるかもしれへん。
まぁそれはそれ、これはこれ。100人いたら100人考えることが違うから面白いってやつかもしれないし、みんなロハスな話題書いててもしょうがないよね、HA HA HA。

さてそれはそれとして、今日は結構面白い論文を拾いました。
EMBO reportsのCas9を使って内因性LRRK2の局在を示す実験は面白かった。
これこそ良いCas9の使い方であろう。
といってもみんな興味ないんでしょうね、ええ、ええハワイの話でも見ればいいのさ。

















やさぐれても屍拾うものなし、ということで気分を切り替えてハワイの話、ええい、Cas9の論文話でもしましょうか。これは本当に面白かった。内因性LRRK2を見る抗体がないので、Cas9で割ったゲノムの校正にHAタグを融合するように細工したssODNを使い、内因性のLRRK2(COS-7細胞)にHAタグを付けることに成功している。
ちょうど同じようなストラテジでssODNを設計し始めたので参考になった。
これだけ大規模な改変なのに、200bpで済むのは、言われている定説と異なる気がするけど、できるんだなぁという印象。
とここまで書いたんだけど、せっかく作った割には、おそろしくお座なりな解析。
そもそもアフリカミドリザル由来のCOS-7でこのコンストラクトするためには、LRRK2の配列をクローニングしてシーケンスする必要あるけど(でも最近Vero細胞のゲノム解析とか終わってたからデータはあるのかも
これ本当だったら面白いけど、内因性LRRK2をみているというコントロール実験(WB、コントロール細胞との比較など)がほとんど無いのが気にかかる。
COS-7にそんなにLRRK2発現するかなぁ。
うーん鵜呑みにしてもいいんだろうか。
簡単な変異ではssODNで入れられそうなのですが、長さは50~100くらいが至適という論文も有り、その効率もあまり高いものではありません。
かなりごっつい改変で、申し訳程度にHomology armついてるけど、まぁよっぽど運が良かったのかな。
Endosome/LysosomeにおけるLRRK2の機能というのは結構最近の流れとも合うし、面白いとおもいます。
でもやっぱりちょっと上のCas9は疑わしい気分があります。こう使うべきなんですけどね。

ちなみに論文読んでたらLRRK2の抗体はマイケルジェイフォックス財団由来のラビットモノクロとか使ってるんですが、驚きの安さ
LRRK2はやる予定なかったけど、一万円っていわれたらつい買っちゃいそうだな。
リン酸化Synuclein抗体も1万円ですか。いやいやいや。
MJF財団はPDFの研究を促進しようとしていて、この抗体群の安さもその一貫なんでしょうね。
ちくしょう、当たり前だけど、Parkinson関連遺伝子だけか、もうこの際やっちゃおうかな。

Notchと癌ってはなしは結構あるんですが、Notch→SIRT2発現増加→アルデヒドヒドロゲナーゼA1活性化により癌Stem細胞のRenewalを亢進してがんが進行って話がちょっと目新しくて面白かった。
王道的に重要な遺伝子並んでるし。
案の定DAPTが効いてますし。
JCIやね
ALDHA1の方だから、レチナールの酸化によりレチノイン酸を作り出す、やっぱり分化に影響するので、Notchとの関係はあって当然なのかもしれない。
悪酔いに関係するのはALDH2の方。
そういや最近ALDH1Aと神経変性疾患の論文みたなぁ。
働きがなくなると、ドパミン神経死にやすくなって、パーキンソニズムだっけかな。
あーめん働き過ぎても、働かなくても病気になるのか。

TDP43の毒性評価モデルとしてのショウジョウバエの表現型をレスキューする薬剤のスクリーニングにPPARγがヒットしててちょっと受けました。
Pioglitazone、糖尿病治療につかわれてますね。
またお前はそんなこと言いやがって、っていわれそうだけど、Pioglitazoneまでは考えてなかったけど、日本に帰ってくる時ALS系の研究室も考えていて、糖尿病の薬剤をスクリーニングする計画までは立てていたりシました。
いくつか文献をつなぎ合わせると、じつはALSと糖尿病の相関というのがぼんやり浮かび出すことは出来て、まぁこの構想は実はあった。
でも自分が考えることは大抵ひとが考えることですね、多分3年前から始めても間に合わなかったかもしれない。こういうのはなんて言うんだっけかな、トロイ戦争の預言者カサンドラだっけ。
そのうち狼がでた!っていっても誰も信じてくれなくなるから注意しないと。

PresenilinとSorting Nexin 27がくっつくっていう、Cell reportsの論文もチラ見しました。
正直動物データがあったら言いたい放題でもCell reportsになるんだなぁとかなり批判的な気分です。
なんじゃこりゃ、何もわかってないんじゃないか?
こんな仮説言えるほど実験してない気がするんだが。