へのへの先生仮免中

やっぱ教授になるまで仮免中で行きます(なれるのか)、神経系の研究がメインです

そこに私もいないったら・前夜・CALMはエンドサイトーシスの屈曲を認識してエンドサイトーシスを制御する・ハンチントン病とBBBの破綻・多発性硬化症もでるの再髄鞘形成を誘導する薬剤のスクリーニング

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ああ、昼下がり、母が陽気に歌っていた歌を思い出す
「わたしのーおはかのなーかでー なかないでくださいー♪」

まってくれ、連れて行く気か((((;゚Д゚))))
「そこに私はいまーせん♪」
いないんかい
すごくホラーな気分になった一瞬でした、ピラミッド発掘したら閉じ込められて彷徨う系の何か

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さて縁起でもないBoketeを貼ったが、とうとう結果の出る明日、木っ端微塵になるやいなや。
良い返事が来ることを期待して、いろいろ動いてはしまったけど、どうなることやら。

じゅぎょうがありじっしゅうがありほうこくしょがありけんきゅうほうこくがあり、色々後回しにしてきたつけが大分溜まってきました、ゴールデンウイークなんて無かったんや、っていうか、ゴールデンウイーク前が締め切りだわ。

さいえんすねた、さて。
そういえばDevelopmental cellにCALMの新規ドメインで面白そうな話が載っていたな。
CALMはAlzheimer病のリスク遺伝子として報告されており、APP、またはAPPを切断する酵素の運搬に関わり、アルツハイマー病脳内に蓄積するAβの産生をモジュレート(便利な言葉だ・・・)することが考えられている。
CALM は(Clathrin Assembly Lymphoid Myeloid)の略であり、Clathrinにより制御されるエンドサイトーシスに関わっている。
今回のお話は、どのようにCALMがエンドサイトーシスを制御するか、というお話で、CALMのノックダウンによりクラスリンによるエンドサイトーシスに遅延がでて、通常より経の大きなClathrin coated vesicleが出来ることが明らかになっている。
その責任ドメインが決定されていて、最N末端にかなり保存性の高い、両親媒性のアルファヘリックスが存在しており、そのドメインはどうも膜の屈曲を認識して、CALMをエンドサイトーシスが起こっている膜ドメインに連れてきて、エンドサイトーシスを促進しているようだ。
似たような機能を持つ脂質結合タンパク質ドメインにBARドメインというのがあるが、このドメインも脂質二重膜の屈曲を認識して、Buddingを亢進するようなはたらきがある。
興味深いことに、Alzheimer病のもう一つのリスクファクターであるBin1はBARドメインを持っているが、なんらかの機能連関はあるだろうか?
屈曲面の形成と各蛋白の酵素活性というのは、膜流動性から幾つか解析の報告を見たことがあるが、今ひとつピンとは来ないものがあるが、さて。
まだまだ我々が認識していないタンパク質のドメインはたくさんあるはずであり、今回のCALMの論文はちょっとロマンを感じた。
私がやってるタンパク質ドメインもなにか機能をもっていないだろうか・・・

ハンチントン病なんて昔から研究されている病気で、新しい病態が発見されたりするんだろうか?ってきもしたんだけど、ハンチントン病の凝集体が線条体の血管に存在しており、BBBのリーケージを引き起こすみたいだ。
まぁもうなんでもBBBの破綻を引き起こすのは確か、ALSしかり、ADしかり、パーキンソン病然り
神経細胞の機能破綻は局地の炎症を引き起こし、BBBはその結果?かも知れないし、やはり病気の原因でもあるのかもしれない。
一方で、脳内タンパク質の分解過程に、BBBを介した末梢への輸送が関与していることを考えると、病気で産生されたAggregateがBBBを制御する血管内皮細胞を通過する時に蓄積して、BBBを破綻させるという事はありそうだから、色々な神経変性疾患でBBBの破綻が起こっているのは別に不思議なことではないのかもしれない。

多発性硬化症は自己免疫疾患であり、神経をとりまく髄鞘のタンパク質を攻撃してしまう疾患であり、その治療としては、免疫による攻撃抑制と髄鞘形成の促進となる。
髄鞘はオリゴデンドロサイトが分化してできるものであるが、オリゴデンドロサイトの前駆となるStem細胞からオリゴデンドロサイトが分化する機構が限られている。
髄鞘形成を促進するためにはStem細胞からのオリゴデンドロサイト分化を誘導する必要がある。
そんな薬剤をスクリーニングした結果、2つのコンパウンドに落ちて、これらは人の病気ですでに使われているものとのことであった。
一つは抗真菌薬の一つミコナゾールえ、ミコナゾールかよ。
もう一つはクロベタゾール、げ、みんながあまりお好きでないステロイド製剤やね。
へー見た感じ結構な著効に見えるな。
多発性硬化症モデルマウスで、髄鞘再形成、行動の改善あり
FTY720など、免疫炎症反応を抑える薬剤と併用したら、もっと効くかもしれない、おもしろい。