へのへの先生仮免中

やっぱ教授になるまで仮免中で行きます(なれるのか)、神経系の研究がメインです

論文査読がやってくる・発表スライドの指導をする

はてなブログ、うーん書きやすいわけでもないんだよな。

どうして選んだってのはテキトーなわけだが。

 

めちゃくちゃ忙しく、レビューのレビューのお誘いが来たりしたが、やってられないんじゃーとお断りした、基本的には来る者は拒まずなんだが、レビューを7日で評価しろって厳しすぎるだろう。

そんなお断りな雰囲気で頑張っていたのだが、久しぶりに名前を知ってるそれなりに有名ジャーナルからお誘いがあり、ええいやったらーと屈服してしまった。

今回は完全に趣味だけど、査読というのはボランティアになるが、全く業績にならないわけではない。

年に一度、教員活動報告というのがあって、対外、運営、教育等の貢献度を報告するのだが、査読を何報したか、なんて項目もあったりする。

昇給とか賞与に関与するのかな、まぁ雀の涙を寄せ集めるのですよ。

一方で、論文著者と違って査読者は秘匿される場合が多く、まぁでっち上げることも多可能に思える(アホらしいからやったことないけど)。

最近はそれではあかん、ということでElsevierWillyあたりは査読証明書を出せるようにはなってきている(ハズ)、まぁめんどくさいから実際作ったことはないが。

もう一点、雑誌のデータベースが何週間か自由に使えるようになり、落とせなかった論文を落とせたりすることもできるという特典があったかな、Scoupsなんていう論文検索サイトを使うのだが、ちょっと癖があるんだよな。

査読は未だに加減がわからない

とにかくだめなところを突っ込みまくるというスタンスになってしまうのだが、今まで出会ったレビュアーみんなそんな感じで、まぁ研究者は総じて未熟者なのである。

最近のポイントとしては

○統計情報の記載(N数、統計法、有意差の書き方)

○抗体情報がコード、会社名等ちゃんと記載できているか

○動物を使った仕事の許可がちゃんと下りているか

あたりは簡単なので、先に見ていく。

気づくのは、意外に著者は思い込みが激しく、もしくは考察を書くのを面倒がり、実際のデータからは読み取れない妄想(失礼だが)を書きがちということである。

これが非常に印象が悪い、本人はここは重要でないからどうでもいいやとおもっていそうなのだが。

有意差がないのに差があると書く(傾向があるならまだわかるのだが)、定量グラフとは真逆のブロット生データを載せ、ブロットの方の考察をする

まぁこのあたりは実際にデータを出している人と、書いている人の意思疎通が図れていないようなところもありそう。

それとは別によく思うのだが、たとえ5%の減少でも、有意差があれば勿論差があると言っていいのだけど、そんな微小な違いがなぜ重要なのかまで書く人はあまりいない

このへんは統計のマジックでなぁなぁになりがちな部分ではないか。

 

今書いている論文に似ているような査読が来たら、弟子に回そうと画策しているけれど、なかなか来ないなぁ、いっそレビューでも書いたほうが良いのかもしれない。

 

秋の訪れというのは学会シーズンの訪れでもある。

午前中はみっちり生化学会の発表準備などを行った。

年々細かくなっていっている気はするんだが、それはそれとしてシンプル・イズ・ベスト、あまり文字を書かないようにとは指導している。

ブログの読者は、こんなひどい文章書くやつがどの口で言ってるんだと思っているんだろうが、基本ブログは添削しないからなぁ。

医学部では発表スライドをそのまま資料にすることが多く、自然文字が多くなりがちに思った。

発表者にとっても思い出す手間が省けて都合がいい部分もあるのだが、見ている側にとってはパッパパッパと切り替わっていく部分に読みきれない情報があるのは不快に感じる場合が多い

やはり医学系以外の学会では文字・情報を少なくするほうが無難に思う。

今日どんな指導をしたか思い出してみると、

  • ジーなスライドは2つに分ける
  • リダンダントな繰り返し(笑)表現を避ける(頭痛が痛い)
  • 英語ならできるだけ受け身を使わない(受け身は文字数が多くなり、また意味が取りにくくなる場合が多いように思う、スライド向きではない)
  • 複数の情報を含む複雑な文章は、いくつかの簡単な文章に分割する
  • 話題が変わるときには~が疑問として残った!等の次の話題の引きを作る
  • 情報は上から下、もしくは左から右の方向性をもたせ、色んな場所に飛んだりしない
  • 単語の統一をする
  • フォントを統一する
  • 中央揃えか左揃えが良いか、見栄えを確認する
  • 説明と結果はちゃんと一致しているのか?人が理解しやすい構造になっているか
  • 自分の結論したいことに対して戦略的なIntroductionができているか?

まぁやはり年々細かくなってきた。

もっとほっといても良いのかもしれないが、個人的には一度自分でうまくできた!って感覚がないとなかなか上達できないと思っている。

人の知恵を借りてでも、一番いいスライドを作ることってのが重要だと思う。