へのへの先生仮免中

やっぱ教授になるまで仮免中で行きます(なれるのか)、神経系の研究がメインです

若冲ドラマを見る・Epoxide hydrolase阻害薬はADの治療薬となるか?

寝正月をし過ぎて、ずっと頭痛と戦っていた。

幸いロキソニンをごっそり買い込んでいたから、飲めば治る。

一時期かなり悩んでいた片頭痛の症状よりはずっとまし。

6キロくらいウオーキングをしてみた、しっかり飯を食べ過ぎた気がする。

 

NHKのRising若冲をみていたが、なかなか面白かった。

もうちょい尺を取って、円山応挙や、池大雅の作品とか紹介してくれたらよかった気はするけど、蛇足かもしれない。

男の友情(?)的な何か。

うーんちょっと危うい何かは流れるが、まぁ若冲の生前墓の碑文よむと、そんな妄想は進むかもしれぬ。

まぁなんとなくわからないではない。

男でも、ああ、かっこいいなぁって人はなんか近くにいるとドキドキしないではない。まぁそういう血潮も若いうちな気がするが、なんだろう、自分の持っていないものへの憧れ的な何かだったり、いろいろなものをぶつけて跳ね返ってくる楽しさであったり。

以前みた若冲展が素晴らしかったのを思い出した。

わお、もう2016年って4年前なのか、ショック。

www.tobikan.jp

 

 

 

Science translational medicineにのっていた、epoxide hydrolaseの阻害薬がアルツハイマー病治療に使えるかもしれない、って論文を読んでいた。

www.alzforum.org

エポキシ化というと反応性が高いイメージ、癌と関係ありそうだけど。

ja.wikipedia.org

しかし神経では脂質のエポキシ化というのが神経細胞の維持に必要なようで、パーキンソン病ではこのエポキシ化した脂質を分解してしまう、可溶性Epoxide hydrolase(sEH)の増加が起こっているとのことである。

Soluble epoxide hydrolase plays a key role in the pathogenesis of Parkinson’s disease | PNAS

今回は同様にアルツハイマー病患者脳、モデルマウス脳でもsEHの増加が確認され、その阻害薬の投与により、慢性炎症、Aβ凝集も改善し、認知機能の改善も見られたとのことである。

割とすなおーに抗炎症作用がある薬物を投与したら、改善しましたまる、という話にもみえたかな、ちょっとブーメラン発言なんだが。

NSAIDSか抗ステロイド薬投与しても同じ結果になりそう?優位性はあるのだろうか。

一応酵素ノックアウトマウスでも似たような傾向らしいが、Aβ産生の方にも変化があったらしく、インヒビターの今回のデータと微妙に違ったりする。

ちょっと混乱したのは、エポキシ脂質というのが、一概に抗炎症に働いているとも言えない所であった。

アレルギー(炎症反応)に大事という話があるみたいですな。

www.amed.go.jp

つまり末梢では炎症反応を誘導するのがエポキシ脂肪酸、大きな矛盾

さてさて、脳内炎症や、慢性炎症では違うのか?

sEH 阻害薬はアレルギー反応を誘発しないか?

この辺はまだ解かれない謎といえる。

面白かったし、有望だとは思ったけど、上記と、なぜエポキシ脂質が脳にはいいの?という点にまだ謎が残っている。

まぁこの雑誌はそういう論文でOK(別に悪口を言っているわけではない)という基準なのはわかる。

個人的にはできるだけスキがないデータを出したくは思うが、最初の反応が遅れれば、応用も遅れちゃうし。