なかなか面白いことはない。
母のケアマネさんから、こう考えるべきだから、あれをしろみたいな言及に、ややギレしてしまったくらいか。
やるから、文句言いながらさせてくれとはおもうが、どうも人並みのことができてないような気分にさせられる。
なかなか老人の病気というのは、後退しか見えないところがある。
自信なしに、人の治療方針を決めてるので、批判に弱いところがある。
まぁ、母はあんまり最近のこと覚えてないのは福音なのかなぁとは思う。
Nature medicineのアストロサイト復権?論文をつらつら読んでた。
なかなか面白い。
アミロイド凝集は診断の10年以上も前から形成されるという話もあり、アルツハイマー病で認知機能低下とよく相関するのはタウのリン酸化であったり凝集であったりする。
一方で、アミロイド仮説は遺伝学的には発症と強い相関を示しているので、アミロイド凝集があるのに認知機能正常ってのには、何らかのファクターの存在が示唆される。
今回アストロサイトの活性化(血漿GFAP高値)というファクターを脳内アストロサイト活性化とし、アストロサイトの活性化を伴うか伴わないか、という観点で群分けした。
その結果、アミロイド凝集の度合いとタウのリン酸化や凝集の度合いがよく相関した。
ということで、どうもアミロイド凝集だけではストレスとしては足らず、そこになんらかのアストロサイトの機能変化が必要そうと予想された。
血漿GFAPをファクターとして考えると、今後タウのリン酸化や凝集がどの程度進みそうか、ひいてはADが進行しそうか?が予想できる可能性がある。
これはAD治験の群わけにかなり貢献しそうなお話とのこと。
ミクログリア活性化の指標である分泌TREM2とかとは相関しないし、このたぐいの論文にしては、かなりデータがきれいで面白かった。
興奮して、もうミクログリアの時代じゃないぜ、とか弟子に言ったら、アストロサイト活性化はミクログリアによって起こるんじゃない?みたいなコメントをされてシュンとしてしまった。そやね。
まぁ、研究してると、面白いことは取り込んで、見たくないものは蓋をする傾向がある。
とはいってもアストロサイトの機能変化、というキーワードはなかなか面白く色々実験を考えて過ごしたりした。