母が肺炎で入院して、見舞いのついでに色々主治医の先生と話した
まぁ、なかなかに厳しいことを言われて魂を抜かれて、帰りぼーっと車を走らせる。
できることがあまりない困難は、ヒトを無気力にさせるなぁ。
まぁそれはそれ、これはこれかなぁ、ということで気分転換をせねばならぬ。
楽しいことで釣り合わせようと思い、岡山ぶどうを4種買い込んだ。
一人では楽しくないから、学生と試食パーティでもしようかなと思う。
基盤Bの書類は分担研究者の先生にお褒めいただく。
まぁ身内はそうなるんだろうよというところだけど、僕はもうちょろい人間で、お気楽極楽で生きていくのだ、心血は注ぎ込んだし。
なんか開放感で、査読を3つ引き受けてしまった。どうすんだこれ。
とりあえずM社のを1本読んだが、数理モデルが多くて、全く分からなかった。
なんか統計とかしましたよ、って書いてあるんだけど、いやその統計で何がわかったのかが大事なんじゃね。
査読者として不適切な専門性なのかもなぁとは思ったけど、自分で言うのはなんだけど、情報拾って解釈する理解力は高い方だから、読んで全くよくわからない、というのは相手の書き方も相当悪いはず。
一応読んだけど、まぁ論文の体をなしてないな、という評価にしといた。
次にF社のを手を付けようとしたけど、なんか文字化けかよくわからないが、図の引用が全く意味不明で、こんなの査読できん!と投げ返しておいた。
流石にパズルを解くのは査読者の仕事じゃないからなぁ。文章読めば類推はできそうだったけど。
あとはE誌、これは査読のリバイスとなる。言い過ぎたかなぁと思ったやつはちょっと怒ったような返信であった。
とかくこのグループのはいっつも僕に回ってくるんだが、なんか話は面白いけど、データの捉え方が大雑把大雑把大雑把
査読したときに書いたワードは2000字くらい書いたんだっけ、ここまで行くとラブレターだけど。
学生の論文が上がってきて、ちょっとやる仕事量でウッと唸るが、論文があるありがたさは換えることができないのだ。
週末ボツボツ見るかなぁ、お母さんの様子も見に行かないといかんけど。
学生さんとやってる読み会でこんなのを読んでもらった。
よく見ると知り合いが関わっているのね。
全く目を通してなくて、説明から類推したところだけど、Tauはアルツハイマー病の神経細胞死や、認知機能低下とよく相関すると言われている。
現状ではタウの凝集はPETのプローブで可視化することができ、診断や分類の基準となっている。
一方で、分泌マーカーとかプローブとしてほしいなって考え方はあって、CSFが解析されることになる。
ADのマーカーとしてはリン酸化Tauというものがあるものの、これはADの別の病態であるアミロイドβ凝集と相関し、増加するのだが、タウが凝集を始めると、発症前の水準に戻ってしまうそうだ。
おそらく体内でTauが蓄積されるとトラップされるのかな?という理解だが、もっとタウの凝集と相関するマーカが探されているということになる。
ここではMTBR-tau243という断片ざっと見た感じ10アミノ酸くらいの断片らしい。がTau病態を反映しているという論文があり、過去のデータセットを用いて、実際に相関性があるかを解析しているようだ。
あとは統計の話なので割愛する。
面白いなとは思ったけど、学生には意地悪で
いやーTauのPETやれば良いんじゃない?だって、一番相関性高いじゃん!
と質問しといた。
コストがーゴニョゴニョって言ってたけど、いやぁCSF取るのは結構きついよねー
というところで、血中マーカーになりうるかがポイントなんだろうねと言う向きになった。
もう一個意地悪質問で、
でも現状Tau病態わかっても、あんまり治療方針変わらんのじゃない?なんの役に立つの?
と聞いたけど、これは学生が偉くて、今後Tauを標的にした治療薬が出てきたらマーカーになりますよ!という答えで、はーコンプリートアグリーですーということで本論文の読み会は終わりと相成った。