へのへの先生仮免中

やっぱ教授になるまで仮免中で行きます(なれるのか)、神経系の研究がメインです

実習も終わりぬ・査読も終わりぬ(お詫び付き)・ためになる動画多分・脳内リンパ管は治療効果のある抗体の送達のカギを握るかもしれない

猛き実習もついには終わりぬ、ひーつかれたび。
まぁ生き物使う実験はすごく気疲れする、でも生命系に関わる学部なんだから、学生はで一回か二回くらいはやっとくべきなんだろうなという気持ちはあり頑張るのであった。
結構みんな頑張って、最後はまがりなりにも投与操作ができるところまでこぎつけるから大したもんだなと思う。

カッコよく(?)レビューを日曜日に終わらせて、あんまり頭に来たので、もう一遍小言を言って送ったら、ちゃんと謝ってきたのでまぁ許そうかなという気になったチャラい私であった。
チャラい?チョロいか、まぁ勝った
最後のごめんねにm(__)mみたいな顔文字がついていたりして、まぁこのEditorはこういうやつなんだろうなぁって気はしたが。
論文の方はまぁごろうじろ。突っ込みどころが多すぎて、A4が8枚くらいの論文に、1.5枚くらいのコメントを書き連ねて、飽きたのでそこで終わりにしたりした。
自分の論文にここまで厳しくなれるかだなぁ。
怒って文を書くと結構文法が間違えがちで、
You and me should have holiday, doesn't it?とか、まぁいろいろ間違えている英語を書いたりして、後でげんなりしたりする。あんまり推敲しないしなァ

はたらく細胞という実に勉強になるアニメをやっていたのだけど、イギリスの病理学の先生がアニメを解説する動画をホウホウと見入ってしまった。めっちゃ明快で詳しい。英語の勉強にもなりそう
日本のオタクが見たせいで100万閲覧を超えたわーと喜んでいた、ええのか。
働く薬理学もやってくれませんかねぇ。

サイエンスネタ、さて、大事な論文は大事に心の中にとっておきたい今日この頃なのだが。
そういえば高浸透圧をつかうと抗体などを脳に取り込ませやすくなるんだなんて論文をつらつら読んだっけ。
面白い考え方。
アミロイドβの抗体療法は昔からかなり期待されているAD根治療法の一つだが、論文著者らの考えでは、組織浸透性が低いのではないかということであった。
まぁ脳というのは組織の中では石垣に何重にも守られた城郭のような感じで、異物の侵入というのは非常に難しくなっている、そして抗体は比較的大きい分子なのでさもありなんという話ではある。
そこで二光子励起顕微鏡という、マウスの頭蓋骨を透明なガラスに置換し、脳を生きたまま観察できる系を使って、脳に抗体やタンパク質を浸透させる方法を探索した
その結果、まずCSF(脳脊髄液)に直接タンパク質プローブ、Aβ抗体を打ち込んだのち、生理食塩水の投与(脳損傷時、頭蓋内圧を下げるために良く行われるらしい)を行い、血漿を1時的に高浸透圧にすると脳内への浸潤が5倍程度に高まる事を見出したようだ。
この経路はじつは最近見つかった血管に沿うように構成されているリンパ球経路を介するため、素敵なことに、石垣にみたてた脳血液関門はそれほどの障害は受けないようだ。
どうもイオンバランスが崩れることにより、古いCSFの排出が進み、脳リンパ管から新しいCSFの取り込みが進むという循環がおこる。
その結果、CSF内のタンパク質、抗体が取り込まれやすくなる、というメカニズムらしい。
まぁ動物モデルで一回限りなら有効な手だけど、実際の治療には使いにくかろうとは思うが、新しくみつかっているリンパ管が治療促進のカギを握るというのはちょっと面白い。
やはり知識というのはちゃんと先につながっていくのだなぁ。